続・わたしの一名山 ＩＣＩ石井スポーツ「とっておきの山」大賞作品集

「あなたにとって山とはなんですか？」

「山はわたしにとって名医です」
「おやじの背中であり、おふくろの胎内である」
「辛苦と幸福の落差」
「山行とは、その山の宝探し・自分自身の宝探しだ」
「鳥になる、虫になる、木になる、風になる」

八十里越
実際に歩く距離は8里ほどだが、その路の険しさゆえに「八十里」と10倍の長さで呼ばれた。
椿尾根；735ｍ
番屋峠；859ｍ
鞍掛峠；965ｍ
吉カ平山荘

「晴天の日の夕暮れどきで、翌日は大荒れになるとき、熊はエサを求めて出没する」
「ドーン」という音は熊のほうから聞こえた。
ものすごい音とともに地面が震えた。
大きな熊が前足をあげて地面にたたきつけていた。
威嚇だ！今、自分は熊の威嚇を受けている。

1980年、自然保護の声もむなしく、「南アルプススーパー林道」は開通した。
この道を行く人は、自動的に生命・傷害保険が掛けられている事実もあまり知られていない。
それだけ危険な道。
本来あるべき美しい渓谷は、林道があることによって生じた土砂崩れや、それを防止するための醜い人工物によって無惨な姿をさらしている。

「がんばる」は「頑張る」と書く。
「頑」は、かたくな、むさぼる、わるいという意味で、それを張るのであるからなおさら始末におえない。とかく「がんばる」という言葉は励ましの意味で日常的に用いられ、つい良かれと思って口に出してしまう。頑張るは、すなわち無理を奨励することではないか。

「しんどいと思うときは登り坂、楽だと思うときは下り坂」
という意味の人生訓

愛知大学の13名が薬師岳で遭難。
当時、発足間もない富山県警山岳救助隊が難渋しながら太郎小屋を目指していたときに、マスコミのヘリが小屋を調べて第一報を打った。
「太郎小屋に人影なし！」
そのことがこの後、山岳救助にヘリが導入されるきっかけになった。
十三層の慰霊碑
湖底に沈んだ有峰の人々が祀った薬師如来が格子の祠に納まっていた。
愛大生らが猛吹雪の中を迷いこみ命を断たれた東南稜が上の廊下へと落ちていた。

御嶽登山を経験した中から、毎年何組かのカップルが誕生するのだという。
これを称して「御嶽ロマンス」という。
御嶽ロマンスは濁河（にごりご）温泉道を登るときに生じる。

防水性が完璧であればあるほど汗が溜まり、濡れることに変わりはない。
「外から濡れるか内から濡れるか」

標高2150ｍの雲上の湯、本沢温泉；八ヶ岳

リングワンデルング；道に迷っているうちに元の場所に戻ってしまうこと