「おはよーマーズ!」
「・・・・・ああ、ヴィーナス。おはよう」
「相変わらず愛想無いわねー・・・むむっ」
「・・・え、何?」
「ふんふんふんふん・・・くんくん」
「犬みたいな真似しないでよ・・・朝っぱらから人の匂い嗅いで何が楽しいわけ?」
「ふんふん・・・・・・・・・・・ふーん」
「・・・何?」
「マーズ、ジュピターとおんなじ匂いがする」
「は・・・!?」
「さっきジュピターと擦れ違ったけど、シャンプーとかボディソープの匂い一緒なのね~ふっふーん」
「・・・ほ、ほんとに犬か・・・」
「相変わらず仲いいのね~」
「(ここでキレたら肯定してるようなもんだわ・・・またいつもみたいにうっとおしいくらいおちょくられて・・・ここは一つマーキュリーを見習って)・・・・・・・・・・・・まあ、彼女と仲がいいのは否定しないわ。仲間だし、別に揉める理由なんて無いし」
「あら、珍しく素直なのね」
「・・・言っとくけど、昨夜自分の部屋の備品が切れたからジュピターにシャンプーとか分けてもらっただけよ。彼女が薦めてくれたものは信用できるから」
「・・・え?」
「向こうも快く分けてくれるくらいだから、まあ私も嫌われてないし、仲はあなたが言うみたいにそれなりにいいんでしょう」
「ええ~?」
「あなたが何想像してたか知らないけど・・・ジュピターと同じ匂いなのはそういう訳よ」
「・・・・・・・・・・・ふーん」
「(・・・うまくごまかせたかしら・・・)」
「マーズの即興にしちゃ上々ね。でもそれ、嘘でしょ?」
「・・・は?」
「シャンプーなんて、一緒に使うならともかく、ジュピターがそんなに軽々しく分けてあげるわけないでしょ」
「え?」
「その香りはっ!ジュピターが丹精込めて育てた薔薇から抽出したエッセンスで作ったかなり特別なシロモノなのよ!」
「・・・・・・そうなの?」
「イオキャッスルで育ったものと月で育ったものの種類を色々交配させて微妙な香りの違いや強さを研究し倒して作ったもので、シャンプーもコンディショナーもボディソープもそれぞれ微妙に香りが違って、でも混ざっても不快じゃないよう研究し尽くされたすごい貴重なものなんだから!」
「(そんなの私知らないし・・・昨夜普通にそれで惜しげもなく頭と体洗われたんですけど・・・)」
「それを完成させるのにジュピターがどれだけ人知れず苦労してたか・・・環境の違う場所で薔薇を育てるのは勿論それをうまい具合に混ぜ合わせて作るのも・・・夜な夜な頑張ってたわよ」
「・・・・・・・・え?」
「仕事の合間でも棘でたくさん手に傷をこさえて薔薇を育てて・・・色合いのバランスとかも考えて・・・仕事が終わってから毎晩たくさんの本と格闘して・・・それをあなたがちょっとうっかりシャンプー切らしたからってジュピターが軽々しくあげるわけないでしょ!」
「ジュピターが人知れず苦労とか言いながら何でそんなことあなたが知ってるのよ」
「酷いときなんて・・・疲れてたまに棘が残ってる薔薇散らした机に突っ伏して寝ちゃったり・・・実験的に使ったやつをお風呂で実際に使ってみたけど泡立ちが悪くて髪の毛がごわごわになっちゃって一人で湯船で泣いてたりしてたんだから!それでやっとこさ完成したものをそんなほいほいとっ・・・!」
「何で寝てるところやお風呂入ってるところまで細かく知ってるのよ!?あなたジュピターの何なのよ!!?」
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オチへの流れはハイスコアパロで。もう木星は総モテでもいいとわりと本気で思ってる(キリッ
ジュピ&マキュ編に続いたりします。
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