TAKE１
「あみちゃん！なんでっ…なんでそんなにあたしに構ってくれないのよっ…あたし自分がそんなにおかしいこと言ってると思わないわよ！ちょっと大人のステップ踏みたいって言ってるだけなのに…っ」
「だからそれは…私たちはまだ学生で…そういうことはまだ早いって何度も言って」
「あたしだってその度に何度も言ってるけど、前世から何万年の付き合いだと思ってるのよ！？別にそんなに難しいこと言ってるわけじゃないじゃない、せめて…せめてもっと愛情表現してほしいって…スキンシップしてほしいって…言ってるだけなのに…」
「だから…それは…」
「まこと」
「んー？なに、レイ」
「止めなくていいの、あの二人」
「え、いつものことだろ？気にすることないよ」
「…達観してるのね」
「そりゃ同じ学校な分レイよりずっと長くあの二人のやり取りを聞いててもう耳タコだからさ。あたしにとってはもうBGMみたいなもんだよ」
「(私の知らないところでえらいたくましくなったわね…)」
「まあ黙って聞いててもいっつも同じパターンだよ。見てな、そのうち美奈が泣き出して亜美ちゃんに暴言吐くから」
「ううっ…ぐずっ…あみちゃんのばかっ！ばかばかばかばか」
「そんなこと言われても…………私だってあなたのことを大切にしたくて」
「そんな言い訳聞き飽きたわよ！単に…単に自分がヘタレなだけでしょ！？」
「へ、ヘタレって…私はただ」
「ヘタレじゃない！ヘタレよヘタレのっ……あみちゃんのばかちん！あほちん！ふにゃちん！」
「…ふ、ふにゃ…」
「………………ええ、っと、レイ……うん、何も聞こえなかったよな」
「(…ここはさすがにワンパターンじゃなかったみたいね)」
「あたしは何も聞いてない。うん、変な言葉聞いてないもん。ばかちんとかあほちんと同じ系列な感じの空耳」
「でも…ふにゃちんって………………あれよね？亜美ちゃん女の子なんだからふにゃじゃなくてかちんこちんでもそれはそれで問題あるんじゃって気が」
「レイ！いつそんなの覚えたんだ！(泣)韻まで踏んでそんなお下品なこと言うな！(号泣)」
「(………まだまこと完全に毒されてるってわけじゃなかったのね………しかしあの二人のそばに置いとくとこの人の将来が心配だわ…)」
TAKE２
「もうむーりー！亜美ちゃん勘弁してよぅ…」
「だめよ、美奈。最初に約束したでしょう？今日のお勉強会では、このプリント集きちんと終わらせるまでは席を立たないって」
「でももう脳みそぱーんってなりそうなんだもん…お願い、ちょっとだけ休憩させて」
「だめよ。あと少しなんだからもうちょっと頑張って」
「うぅ…亜美ちゃん、そんな、あとちょっとってまだ５枚もあるじゃない…あなたにとってはちょっとかもしれないけどあたしにとってはすんごいヘビーなの…もうだめ」
「美奈！」
「…もうっ！自分の限界とあたしの限界一緒にしないでよ！あたしだって結構亜美ちゃんに合わせて我慢してるとこもいっぱいあるのにっ………」
「美奈…お勉強はあなたにとっても大切なことなのよ？」
「そんなの分かってるわよ！でも、だいたい、人には得手不得手があるのにっ…できないことを強制するのって違うと思う！あたしだってがんばってるのにそんなお勉強お勉強って……亜美ちゃんのばかっ！いじめっこ！インキン！」
「い、インキ…」
「……………美奈、もしかして陰険って言いたいのかしら」
「もしかしなくてもそうだろ。インキンって…こういう間違いはダメだろ。第一、亜美ちゃんがインキンなわけないし」
「………………まこと。なんで、断言するの？」
「…え？」
「なんで亜美ちゃんがインキンじゃないって言いきれるの？」
「え、そんなの…当然だろ。え、レイ、なんだその目」
「当然って何？なんであなたがそんなこと知ってるのよ」
「な、なんでって…………え、ちょ、何変身してんだよ！インキンって女の病気じゃないからっ………………………決して亜美ちゃんのを見て触って確かめたことがあるわけじゃないからフレイムスナイパーはやめろぉっ！突っ込みどころ違うし冷静になってくれ頼むから！」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
もう謝る気にもなりませんすみません(謝ってる)ふにゃちんもインキンも百合サイトで使う言葉じゃないよね…でもお付き合いするなら陰険よかインキンのが遥かにましだと思う。
どう考えても発端は美奈亜美が作っているのに、オチの部分で頑なにまこちゃんしか視界にないレイちゃんの一途さに万歳。
あと、私信ですが…拍手くださった方返信は不要とのことですが、うちのサイトなんぞの更新を待っていただけて本当にうれしいですありがとうございます(ほろり)
