プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

真夜中シークレットトーク

2016-06-04 23:59:54 | 小ネタ








「・・・・・・ええ、うん、わかったわ・・・それじゃ・・・また、あとで」
「あーみちゃん!」
「きゃっ・・・み、美奈?」
「あー、ごめん、びっくりさせちゃった?亜美ちゃん見つけたけど、電話してたから終わるの待ってたのよ」
「そうだったの。ほんとにびっくりしちゃった・・・でも、待たせてしまってごめんなさい」
「いや、待たせたっていうか、電話してるとこあたしが見つけただけで。重要な話みたいだったし邪魔しちゃだめかなって」
「ええ・・・まあ・・・でも終わったから。美奈は今帰り?」
「ええ、ちょうど帰り。長引くんならもう声かけないでおこうかなと思ったけど、電話終わったんならいっしょに帰りましょー」
「あ・・・そうね。じゃあ、美奈、家まで送って行くわ」
「えっ、なに急にそんなイケメンな。うれしいけど、もう夏だしそんなに暗くないからだいじょうぶよ?」
「でも・・・」
「そりゃいっしょにはいたいけど、亜美ちゃん遅くなっちゃうし、亜美ちゃんのママ心配するわよ。今日はママ確かお休みだからおうちいるでしょ」
「・・・なんでうちの母の勤務時間を知ってるの?」
「そりゃあ亜美ちゃんちにいつ忍びこめるかチェック・・・じゃなくて亜美ちゃんがさみしい思いしてたら電話しようとか考えられるように、ママの勤務時間くらいは押さえてるわ」
「(なんだかこわい・・・)」
「でも気持ちはうれしいわ。どうせ長くいっしょにいるならあたしが送ってくわよ」
「えーっと、せっかく調べてもらって悪いけど、昨日急に勤務が変更になって、母は今日が夜勤になったのよ。だから私は急いでいないし、美奈の家の方向にちょっと用事もあるから」
「そうなの?あたしの情報も甘いわね・・・もっと精度をあげなくちゃ」
「べつにそんなところ積極的にならなくていいから・・・」
「ところで、亜美ちゃん、今から用事って?どこ行くの?」
「どこというか、ちょっと・・・用事が」
「そういえば電話であとでって・・・誰かと会うの?」
「・・・・・・・・・」
「え、誰?言えないような?」
「・・・レイちゃん」
「レイちゃん?」
「レイちゃんと約束があって・・・」
「レイちゃんと今から会うの?」
「ええ」
「ふたりで?」
「・・・ええ」
「まさか、泊まり?」
「・・・そのつもり」
「・・・それ、浮気じゃないの?」
「ち、違うわ!美奈、それはレイちゃんに失礼よ!」
「いやだってさぁ・・・ふたりで泊まるってさあ・・・まあレイちゃんだしそこまでって思ったけど、なんか亜美ちゃんもごもごしてるしぃ・・・まずなかなかレイちゃんって口割らなかったし、そもそも用事ってなんなのよ?お勉強じゃないでしょ?」
「・・・あまり、積極的に言いたくないこともあるの」
「なによそれ?レイちゃんとふたりで真夜中シークレットトークでもするの?」
「それは・・・まあ・・・・・・そういうことになるのかしら」
「へえー・・・・・・ねえ、亜美ちゃん。真夜中シークレットトークって、レイちゃんには言えてあたしには言えないことなの?どうしても?」
「それは・・・」
「べつに本気で浮気とか思ってるわけじゃないわ。レイちゃんがそんなことするわけないし。まあ亜美ちゃんもしないとは思うけど、ただむっつりしてるから心配なだけだけど」
「(信頼されてるのかけちょんけちょんにけなされてるのか・・・)」
「信頼してるしてないって言うのと、いい気分でレイちゃんとふたり真夜中シークレットトークを楽しんでねって言えるかどうかっていうのは別問題よ」
「・・・・・・それは、正論ね」
「あたしがまこちゃんと真夜中シークレットトークして亜美ちゃんはいい気分かしら?」
「それは・・・できれば避けてほしいわ。信頼していないわけではもちろんないけれど、心配になってしまうから」
「でしょう?」
「・・・ごめんなさい」
「うむ、よろしい。でもレイちゃんは待ってるのよね?ならあたしもいっしょに行くわ」
「・・・・・・・・・でも」
「でも?」
「・・・・・・わかった。でも、きちんとご両親には伝えてね」
















「・・・で、なんで急に美奈が入院してるってことに?」
「ごめんなさい・・・まこちゃん。レイちゃんと私がついていたのに・・・」
「亜美ちゃんが謝ることじゃないけどさあ・・・あたしだけ知らないうちになんでそうなるのさ」
「実はその・・・母の勤めている病院で深夜に妙な出来事があるって聞いて・・・入院患者さんやドクターやナースが変な音を聞いたり、妙な気配を感じたり、他にもいろいろあったみたいで」
「えっ、それ、妖魔とか?それとも病院だし、まさか幽霊?」
「妖魔ではなさそうだけど、妙なことが起こっているのは確かだから、それをレイちゃんと調べに行ったの・・・母は昨日、怖がってるほかのドクターと代わってあげてもともと夜勤じゃないのに勤務入れてしまったから、本人はだいじょうぶって笑ってたけど少し心配で・・・こっそり調べることにしたの」
「(亜美ちゃんのママわざわざそんな時に積極的に勤務しに行くんだ・・・亜美ちゃんの斜め上にかっこいいとこってママ似なんだろうな・・・)」
「レイちゃんも、組織的な敵の気配ではないって言うから、セーラー戦士としてより巫女として現場を見てもらうことにしたの。そしたらその電話を美奈が聞いていて・・・」
「いっしょに行くって?」
「ええ、無理してみんなに声をかける事案ではないと思っていたのだけど、美奈がどうしてもって。それで・・・まあ、結局、病院に彷徨っていたのがいたようで、その辺はレイちゃんが解決してくれたのだけど」
「そりゃあ、レイは本職だからねえ。それはよかったし、昨日の夜に起こったこともあたしを呼んでくれなかったこともわかったけど、結局なんで美奈入院したの?」
「敵相手は強いのかもしれないけど、幽霊は苦手なのかしら。恐怖で髪が白くなってしまって、少し心あらずなことに・・・美奈だから少し落ち着けばだいじょうぶと思うんだけど、病院でそんな状態になってたの発見されてしまったから、そのまま・・・」
「こわいの苦手なら留守番してりゃいいのに・・・いや、亜美ちゃんたちが心配な美奈の気持ちはわからないでもないけどさ、向き不向きの分野があるんだからレイにまかせればよかったのに」
「私もそう思ったから積極的に美奈にこんなことがあるって言いたくなかったのに、美奈って私とレイちゃんで真夜中シークレットトークするのいやって言うし・・・」
「真夜中シークレットトークって?じゃあ美奈、亜美ちゃんとレイが真夜中にふたりで秘密の話をするって思ったってこと?」
「真夜中の秘密の話でしょう?だから私は怪談だと理解していると思っていたからだいじょうぶかしらと思ってのだけど・・・」
「(あっ・・・真夜中シークレットトークってそういう風に取るんだ・・・噛み合ってないのに辻褄だけは合ってたばっかりにこんなことに・・・)」







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 本家の『真夜中Secret Talk』は怪談とは縁もゆかりもない百合名曲なので是非。
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