世界が終わる日

　―世界が終わる最後の一日、あなたは何をしますか？





「・・・お勉強かしら」
「Σうっそぉ！？亜美ちゃんそれマジで言ってる！？」
「だって、戦士として戦ってるわけでもないんでしょう？わざわざいつもと違うことをしたいとは思わないわ」
「えー！だってさぁ、もう勉強したってはっきり言って無駄じゃない！何か食べたいとか、どっかで過ごしたいとか、あたしとイチャイチャしたいとか！」
「何か食べたいって言っても、もう料理を作ってくれる人を探すのも大変だし自分で作る気もないし・・・どこかで過ごそうって、交通を動かす人ももう働いてないだろうし、それらしい施設が動いてるとも思えないし。結局いつもどおりでいるしかないんじゃないかしら」
「そこまで現実を見てるのに何でお勉強なのよぉ～・・・亜美ちゃんよく考えて？もうテストもないしあなたの実力が発揮できる機会はないのよ？」
「私はテストのためにお勉強してるわけじゃないから・・・これくらいしかとりえがないんだし、だったらせめて最期まで、何かを学んで成長していたいじゃない？」
「・・・そういうもんなの？」
「そういう美奈、あなたはどうするの？使命とか関係ないところで迎える最期の日」
「そりゃあなたとイチャイチャしたいわよ！とゆーか最期くらいは許して欲しいわよ・・・」
「・・・ありがとう」
「・・・何でお礼？」
「・・・『使命とか関係ないところ』で私と過ごしたいと思ってくれるなら嬉しい、と思って」
「じゃあっ・・・」
「一緒にお勉強かしら」
「Σ何でよっ！何でそうなるのよ！！」
「私たちまだ学生よ？そういうことは早すぎると思うわ」
「未来がないのに早すぎもへったくれもないでしょ！」
「未来がないなら尚更よ」
「・・・？」
「未来がないからってやけっぱちであなたを受け入れたと思われるのは嫌だもの」
「なっ・・・そ、そんなこと思わないわよ！」
「それでも」
「あみちゃ～ん・・・」
「でもね、あなたと過ごしたいって・・・それは、私も思ってる、から」
「あ、あみちゃん・・・それはどう取ればいいのよ・・・」
「だからいつもどおり、過ごすわ。あなたと一緒に」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むー・・・(いっそ襲っちゃろか・・・)」
「・・・でも勿論それは私の意見だから」
「・・・え？」
「・・・本当に・・・本気で・・・あなたがどうしても・・・なら・・・」
「え、え！？」
「・・・抵、抗・・・する、気は・・・ない、わ」
「ちょちょちょちょっと亜美ちゃんあたし現在進行形で『どうしても』なんですけどっ！？」
「・・・さあお勉強の続きしましょうか」
「・・・だっ！！ちょ、何なのよ！？その嬉しくないフェイント！」
「そんな未来は絶対に有り得ないのだから、お勉強しないと大変よ？次に赤点取ったらもう面倒見ないから」
「亜美ちゃんっ急に現実に戻さないでよー！ってか赤点取る自信あるから見捨てないでぇぇ！」






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　最期だから何かしたい人。最期だから何もしない人。
　おかしいな、亜美ちゃんがヘタレじゃない・・・むしろ美奈がヘタレ？原作は難しいです。