プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

くしゃみ

2015-07-22 23:59:53 | 小ネタ






「・・・で、この文章問題は、ちょっとわかりにくいけれど、こっちじゃなくてこっちの公式に当てはめるの。美奈、ここまではいい?」
「ああーなるほど。あたし、こっちの公式の方で計算しちゃってたのね。計算ミスじゃないしなんで間違ってるんだろうって思って・・・なるほど、亜美ちゃんの説明わかりやすい」
「この公式は同じ授業で一緒に習うものだし、考え方は確かに似ているから、間違えやすくて、こうやって文章問題にしたらひっかけも多いのよ。でも、落ち着いて問題をよく読んだらわかるはずだわ」
「ふむふむ」
「でも、公式はきちんと覚えていたし、計算ミスもしなかったのね。えらいわ、美奈」
「うう、亜美ちゃんがほめてくれた・・・!亜美ちゃんが・・・」
「だって、今日は真面目に聞いてくれているもの。じゃあ、さっきの公式を当てはめてこの問題をもう一度・・・・・・っくしゅ」
「あら、亜美ちゃんかわいいくしゃみ。きゅんときたわ」
「ご、ごめんなさい。とにかくもう一度・・・」
「うん、もう一度くしゃみして、亜美ちゃん」
「・・・え?くしゃみ?どうして?」
「かわいいから」
「かわいいからって・・・そんなこと言われても、べつに風邪でもないし、好きなときに出ないわ。今のはたまたまで」
「ティッシュもってるから、こよりにして鼻につっこんでこちょこちょしたら」
「鼻にティッシュ突っ込むこと自体はまったくかわいくないでしょ・・・どうしてそこまでしなきゃいけないの。そもそも、どうしてくしゃみなんて・・・」
「いや、ほんとにかわいいなーって思っただけ。くしゅって控えめなのもかわいいし、なんか亜美ちゃんがくしゃみってそれだけでかわいいし、それなのに亜美ちゃんあっち向いちゃうんだもん。手で顔まで隠すし」
「普通くしゃみをするときは人のいない方を向いて手やハンカチで覆うものよ、美奈・・・」
「それは知ってるけど、あたしたちの間でそういう気遣いは不要よ。だから真正面からどうぞ」
「どうぞって・・・あの、唾液とかいろいろ飛ぶから汚いわよ」
「亜美ちゃんに汚いとこなんかないわ!真っ白なわたしの心って自分でも歌ってるじゃない」
「心と体は別でしょう・・・」
「亜美ちゃんの唾液なんてむしろ飛ばしてほしいくらいだわ。間接キッスだし。最近キッスしてないからちょーどいいわ」
「・・・美奈?だいじょうぶ?もしかして疲れてる?もうすぐまこちゃんとレイちゃんがお茶を持ってきてくれるから落ち着いて」
「だからふたりがいないうちに早くしてよ!!さあ、浴びせて!顔にかけて!」
「・・・は、話し合いましょう」
「あたしたちが話し合って問題が解決したことあった!?ねえあった!?亜美ちゃんの話し合いって信用できないわああ」
「だから今日こそ話し合って・・・ちょっと、こより入れようとしないで」
「痛くしないから!痛くしないからああ」
「美奈、目つきが変よ・・・い、入れないで・・・ああっ」





「レイ、ふすまの向こう修羅場なんだけど」
「は?」
「美奈と亜美ちゃんが、顔にかけてとか痛くしないからとか入れないでとか騒いでる」
「・・・・・・ど修羅場じゃない」
「あーあ、せっかくアイスティー淹れたのにどんどん氷溶けちゃうじゃないか。早いうちに飲む方がおいしいに決まってるのに、まったくもう」
「・・・まこと、止めに行かないの?」
「まあ、学校だったら止めてるけど、もう放課後まで面倒見てらんないよ。なあレイ、キッチンであたしたちで飲んじゃう?どうせ取り込み中だし」
「・・・あ、そう」
「レイ、まさか心配してんの?レイは他校だからあんまり馴染みないかもしれないし確かにちょっと変わってるけど、あのふたりわりといつもあんなだから」
「私が心配なのはむしろあなたの慣れっぷりなんだけど・・・」







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 水野の味方は意外といない。
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