プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

TPO

2012-01-28 23:59:16 | 小ネタ






「マーキュリー、ちょっと」
「ヴィーナス?」
「さっきの会議でのことなんだけど…」
「会議って…新しい医療機器の導入に関してのことよね。まだ何か質問?それなら会議中に直接…」
「質問って言うかね、マーキュリー。さっきの会議であなたの言いたいことはよく分かったのよ。医療班に対する説明するのはもちろん、医療に直接は関係していないあたしにもわかりやすい言葉だったし、必要性も納得できるものだったわ…あなたに理屈で説明されたらNOとは言えない」
「ならよかったわ。予算に関しては改めて…」
「そっちは任せるけど。でもねマーキュリー、ちょっと問題だなって思ったのよ」
「…何かしら」
「顔よ」
「…顔?」
「あなたの、顔。ちょっと問題よ」
「……それは…変えられないわ」
「変えられないじゃなくってマーキュリー。造りをどうこう言ってるんじゃないの。説明中表情がほとんどなかったじゃない。あれ、どうにかならない?」
「へらへら笑いながらあなたを説得しろと?」
「あたしはあなたがへらへら笑ってようが怒ってようがさっきみたいに無表情だろうが、あなたが選ぶ言葉とその真意がきちんと理解できて、それが納得できるものだったら首を縦に振るわよ。リーダーだし、あなたがどういう人か知ってて信頼してるからね」
「それは…そう言ってくれるなら、嬉しいけど」
「でもそれはあたしがあなたとは長い付き合いで、あなたは人見知りで身内以外には特に感情表現が苦手だって知ってるからよ。でも医療班はあなたと対等な立場じゃないし、限られた時間で見るあなたの言動でしかマーキュリーを判断できないんだから」
「………………………」
「いくら医療班が優秀とはいえ、聞いてる限り、一度や二度説明されたくらいで使いこなせるような機械だとは思わなかったわ。それを氷みたいな顔で当たり前みたいに導入するって言われたら、反対はできなくともきっとみんなプレッシャーに思ってると思うわよ」
「………………………」
「ねえマーキュリー。別に媚び媚びの態度を取れとは言わないわ。ブレーンだったら目の動きや口の角度ひとつに気をつけなきゃいけない場があるのも分かってる。けどね、TPOってものがあるでしょ」
「TPO…」
「そう。タイム、プレイス……オー…お、おっぱい?」
「…オケイションね。分からないなら黙ってたほうが無知がばれなくていいわよ」
「こ、言葉のあやよ!ともかく…周囲にもう少し柔らかくなってもいいと思うの。さっきだって、もうちょっと優しい言い方すれば、医療班のプレッシャーも減るだろうし、全体の空気もよくなっていくと思うの。あなたに質問しやすくもなるだろうし」
「それは…」
「マーキュリー、あたしが間違ったこと言ったことある?」
「タイムプレイスおっぱいは間違ってると思うけど」
「だからそれは言葉のあやよ!でもあたしの言うとおりにしたからうまくいったこともあるでしょう。人間関係は特にそうよ」
「それは…感謝してるわ。本当に…」
「あなたが真面目にブレーンであろうとしてるのは理解してるわ。でもそれは人見知りをそのままにしていい理由にはならない」
「…………………」
「四六時中愛想振りまけとは言わない。無理する必要もないし。でもちょっとずつ、TPOに応じて表情を使い分けるのも大事なことよ」
「…そうね。あなたの言うことは分かる…努力するわ。うまくできるかは分からないけど」
「素直でいい子ね~。いい子だからお姉さんがほっぺにちゅーしてあげましょう」
「それは遠慮しておくわ」
「…素直じゃないわねぇ」
「でも…指摘してくれてありがとう。いつも見ててくれて…感謝、してる、わ」
「そりゃまあリーダーですもの。じゃあ頑張ってね~」










 数日後




「最近マーキュリー、なんか表情が柔らかくなったわね」
「マーズもそう思う?あたしもね、二人でいるときとかはそうでもないんだけど、周りに人がいるときはなんか緊張してる感じしたんだけどね。最近ちょっとはマシになった感じするよ。いいことだよな~」
「これでパレスの空気も少し柔らかくなった気もするし」
「いや~平和だな~」
「………ジュピター…マーズ……」
「え、ヴィーナス……うわっ暗っ」
「妖魔に似た澱んだ空気…祓いましょうか」
「祓わなくていいわよ凹んでるだけだから!」
「もしやマーキュリーが機嫌いいのってヴィーナスが凹んでるから?ヴィーナスの凹んでる顔見るのがうれしいから?」
「その可能性は強いわね」
「違うわよっ!マーキュリーにTPOに応じて表情使い分けろって言ったのあたしだし!」
「そうなの?それは悪いことじゃないと思うけど…むしろいいじゃないか。何でヴィーナスが凹んでるのさ」
「外面が良くなったのはいいけど、内面が…」
「内面?」
「………よそではそこそこ笑うようになったくせに、ベッドの中では眉一つ動かさなくなったのよ!」
「……それって…」
「今まではそれなりに反応してくれてたのに…ダッチワイフより愛想のない人になってしまった…何故…ホワイ…」
「……外で笑う分表情筋が疲れて内まで表情作ってられないとか?」
「それか…TPO使い分けるようになって、ベッドの中で表情使う必要性を感じないと判断したかかしら」
「ああ…それだな」
「ちょっと待ってあたしってマーキュリーにとって表情使う必要性を感じない相手ってこと!?」
「気を遣わなくなったってことでむしろいいんじゃないの?」
「気を遣わなくなってベッドで表情出さなくなったってことは…あたしのベッドテクが実はマーキュリーに通じてなっ……………ブワッ」
「(やっぱり完全にめでたしめでたしで終わらないんだなぁ…)









                 *************************


 前半だけならいい話扱いできなくもないかと(※当社比)
 ぼけぼけもいいけど、守護神が上司と部下として仲間として友達として真面目な話をしてるのがなんか好きです。
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