プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

クレーム

2012-01-03 23:56:52 | 小ネタ




 火川神社



「(今年も年越しは修羅場だったわね…でもようやく人の波も落ち着いてきたし…もう少しすればちょっとは休憩がもらえるかしら……疲れた)」
「……レ、イ、ちゃ、んー!!うぉぉぉぉい」
「………美奈?」
「ひとまず、あけましておめでとう(ぺこり)」
「……あ、おめでとう」
「今年もお仕事ご苦労さま。でもあたし、レイちゃんに話があるんだけど」
「見れば分かる通り仕事中なんだけど。去年も言ったけど、初詣なら私じゃなくて本殿の方に…」
「今日はあたしお客で来たのよ!」
「…参拝客でしょう?だから本殿の方に」
「客商売してる場所に客として来たのよ!だからレイちゃんに言うけど!あたしクレーム付けに来たの!」
「……何?うちで売ってるものに不備でもあった?」
「去年あたし火川神社の神様に初詣でお願いしたのにっ!今年こそ亜美ちゃんと×××って…!」
「ああ…そういえばそんなこと言ってたような…」
「神頼みまでしたのに結局去年はなにもなかったじゃないの…!火川神社って本当にご利益あるの!?」
「…新年早々何言いだすかと思えば…そんなこと言われても私の責任じゃないし、第一、そういうのはお互いの問題でしょ」
「お互いの間じゃどうにもならないから神頼みしてんじゃないの!それなのに…普段から恋愛成就とか言ってるくせに、詐欺だわ!」
「しっ…失礼ね!自分が至らないの棚に上げて八つ当たりしてんじゃないわよ!」
「だってあたしが去年一年間火川神社のご利益にどれだけ期待をしてたかっ…もはや神に祈るしか手がないあたしの気持ち、レイちゃんには分かんないの!?巫女のくせに!」
「そう言う自分は愛の女神でしょう!」
「自分じゃどうしようもないからここの神様に祈ってるって言ってるじゃない!大体、神社は人の欲望聞いて儲けてるんだから、レイちゃんはあたしのクレームを聞く義務があるわよ!」
「人の仕事をいやらしい言い方しないで!」
「だってそうじゃない!信じてたのに…信じてたのに…こうなったらツイッターとミクシィとフェイスブックと2ちゃんねるに火川神社はご利益ないって書き込みしてやるんだから!」
「やめなさいよ!!」
「だって…だって…ひっく」
「ちょ、泣かないで!他のお客さんが見てるから!」
「何とかしてよレイちゃんうわぁぁぁぁ」
「ちょ、分かったから離して……分かったわよ!何とかするから!」
「ぐずっ…何とかするって…」
「詐欺とまで言われて引き下がれないわ」
「じゃあ…亜美ちゃんに呪いでもかけてくれるの?」
「…直談判する」
「え?直談判って…」
「…いいから………もしもし、亜美ちゃん?」
「で、電話なの?巫女さんのくせに行動が現実的すぎる」
「えーと…あけましておめでとう。その、新年早々申し訳ないけど……………今年こそ×××って…………私の面子にかけてお願いするわ」
「わー…」
「………はい。留守録だったけど入れといたから。他人にまで言われたらさすがの亜美ちゃんもちょっとは考えるでしょう」
「ざ、雑…!」
「だっ…誰が好き好んでこんなことすると思ってんのよ!?」
「だって…何その投げやり感?何の神様かは知んないけどあたしはスピリチュアルパワーを期待してレイちゃんに頼んで」
「私は忙しいし眠いし疲れてるしまだまだお客さん来るしもうあなたの相手なんてしてる余裕ないのよ!さっさとお参りして帰りなさい!」
「ふえーい……じゃあレイちゃん、お仕事がんばってね」
「まったく…」
「あ、レイちゃんレイちゃん」
「え、何?まだなんか用?」
「まこちゃんがすごい勢いでこっち走って来るけど」
「え…まことが?」
「………レイ!レイ!!」
「…まこと?どうしたの?」
「言いたいことがある。でもその前にとりあえず、あけましておめでとう」
「…お、おめでとう。美奈といい、みんなそのあたりだけは律儀ね」
「お仕事ご苦労さま」
「ああ、ありがとう…って、何?顔怖いんだけど」
「さっき亜美ちゃんの携帯に留守録入れてただろ」
「……え、何で知ってるの?」
「さっきまで亜美ちゃんと一緒にいたんだ。で、電車の中だったから亜美ちゃん出られなくて留守録にレイのメッセージ入ってたって…降りてから聞いてたんだけど、電波よかったからその気なかったけどあたしにも内容聞こえたんだ」
「……別に、あなたには関係ないでしょう」
「そんなことないだろ」
「そんなことないって…そりゃ確かに亜美ちゃんには失礼だとは思ったけど、私にだって面子ってものが…まことには文句言われる筋合いないわ」
「新年早々亜美ちゃんにベッド迫るのがか…あたしには仕事が忙しいとか言っときながら…」
「だからそれは仕事でって言うか……え?」
「レイが亜美ちゃんに心変わりしたってんなら…」
「え…え?心変わりって何?」
「すっとぼけんな!!」
「なっ…」
「あたしは年末年始黙って待ってたのに…いやそれはいいさあたしが好きにやったことだ…けど、仕事忙しいだろうからって連絡もしないでレイから連絡くれるの待ってたのに…その間に亜美ちゃんに留守録で迫るなんて…」
「ちょ、ちょっと待ってまこと、それは私が亜美ちゃんに迫ったんじゃなくて」
「いいよもう言い訳とか聞きたくないから!でも中途半端は嫌だからっ…関係だけははっきりさせて欲しい」
「か、関係って…」
「亜美ちゃんが好きだって言うなら…もうあたしとは…」
「Σ( ̄ロ ̄lll)」
「ぐずっ…あたしはそんだけだから!じゃあな!亜美ちゃんと幸せに!」
「ちょ、まこと…!人の話を…!」
「ああ…まこちゃんすんごい勢いで行っちゃった…………レイちゃん…あの、まこちゃん追いかけたほうがいいんじゃない?」
「……まことが勝手になに勘違いしてるんだか知らないけど、私はやましいことしてないし亜美ちゃんに迫ったとか思われるのは心外だし、追いかける理由なんてないわ。何よりも仕事中だから神社から出ない」
「わぁ、かっこいい…レイちゃん、亭主関白の鑑ね。すんごい手が震えてるしすんごい顔色悪いけど…」
「…あなたもさっさと行きなさいよ」
「(しかしあたしの願望はおろかレイちゃん本人の恋愛まで危機に…火川神社ってもしやバッドスポットなんじゃ…)」
「さっさと行きなさいって」
「(本当に何の神様なんだろ…)」
「行きなさいよ………周りのお客の目があって私の理性がキレないうちに………」
「あわわわわあたしの目の前に軍神が降臨してる…!やっぱり火川神社ってバッドスポットだった助けてぇぇぇぇ」






            ****************************


 というわけであけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 たまにカップルで行ったら別れるとかそういう神社ありますよね…火川神社って何の神社なのか気になる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暮れの挨拶 | トップ | ラムールダムール拍手返信 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小ネタ」カテゴリの最新記事