プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

隣人とりんご

2014-11-28 23:59:45 | 小ネタ






「あ、レイ、これ、よかったら」
「え?なにこれ、ジャム?」
「りんごのジャム。いっぱいあるから、持って帰ってよ」
「ラベルがない・・・これ、まこと、もしかして自分で?」
「うん、手作りだけど結構うまくできたと思うんだ。だから、よかったら」
「ありがとう。せっかくだからいただくわ。おじいちゃんも喜ぶと思うし」
「お隣さんがりんごをたくさんおすそわけしてくれて、今りんごいっぱいあるんだ。ジャムもけっこう量作っちゃってさ、ひとりじゃ食べきれないから助かるよ」
「そうなの」
「今まであんまり話す機会なかったからお隣さんがどんな人か実はよく知らなかったんだけど・・・昨日、実家から送られてきたからって」
「ふーん・・・」
「で、おいしいりんごジャムとかアップルケーキの作り方も教えてくれてね。実際作ってみたらすごくおいしいし・・・あんな気さくな人ならもっと早く挨拶しに行っておけばよかったよ」
「・・・ああ、そう」
「ほかにも話してみたら、いろいろおいしいお店とか教えてくれたりしてね、いっしょにお茶して結構盛り上がったんだ。うん、すごくいい人だった」
「・・・・・・・・・」
「今まで引っ越し多かったし、やっぱり、中学生がひとり暮らしとか・・・って感じだからあたしもあんまり今まで近所の人に挨拶しに行ったりとかなかったんだけど、仲良くなれたからうれしかったなあ」
「・・・だからって、あんまり信頼しすぎるのはどうかと思うわよ。まだ顔見知り程度なんでしょう」
「ええー、でも、悪い人には見えなかったよ?最近勤め始めたお姉さんだったんだ。仕事の話とかもいろいろしてくれたし」
「・・・悪人がみんな悪い顔してたら、それは逆に親切でしょ。あなた危機感なさすぎるんじゃないの」
「なんだよ、妬いてるのか?」
「・・・私は、一般論を言ってるだけよ。いきなり人にそんなに懐いて・・・あとでひどい目見ても知らないわよ」
「一般論、ねえ・・・世間知らずのレイにそんなこと言われてもねえ」
「・・・・・・・・・」
「言っとくけど、あたし結構強いからあんたの心配は無用だよ。ま、か弱く見えるかもしんないけど?」
「強いのはわかってるし、ましてやか弱いとはまったく思ってない」
「(それはそれで乙女心が凹むなぁ・・・)」
「でも、そもそもなにもないに越したことはないでしょ。用心はいるわよ」
「用心用心って言うけどさ、お隣さんと仲良くなってたらいいことも多いぞ?」
「りんごがもらえるから?」
「それもあるけどさ、お隣さんの仕事とか知ってたらたまにいいことが出来たりするんだ」
「は?いいことって・・・どういうこと?」
「お隣の人、仕事で夜勤があったり、実家がわりと近かったりするから家を留守にしてることも多いんだって」
「だからなに?」
「時間帯によるけど、多少大きい音をを出しても、だいじょうぶってわかったことだよ。洗濯機とか、掃除機とか、友達を呼んだりとか・・・その他にもいろいろ」
「ああ・・・」
「それに、深夜でも、ちょっとくらい・・・声、我慢しなくてもだいじょうぶみたいだし」
「ぶふっ!」
「そう言えば、お隣さん今日も夜勤らしいよ・・・‥ところでレイ」
「・・・な、なによ」
「りんご、まだいっぱいあるからさあ・・・手伝ってよ。おいしいアップルパイ作るからさ・・・泊まっていってよ」
「りんごで釣る気!?し、白雪姫じゃあるまいし」
「いや、どっちかっていうとヘンゼルとグレーテルかな・・・食べる前にちゃんと食べてもらうつもりだから」
「(まことがお隣と仲良くなってなんでひどい目見るのが私なのよ・・・)」






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 まこちゃんの部屋は、5万のアパートでも多少壁が厚いことを期待します。 
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