そろそろおいしい桃の収穫です。
助けて」の言葉をしらぬ子はひとり「ゆるして」だけを抱いて眠れる 芝 敏子
五歳児が覚えた文字で父母に乞う「ゆるしてくださいおねがいします」 矢田紀子
永田和弘選
日曜日の朝日新聞歌壇には、結愛ちゃんの虐待死を詠んだものが6首も
載っていて、これには驚いた。
俳句欄はどうかと見てみると、1句も載っていない。これは31文字と
17文字という文字数が関係している。
やっぱり結愛ちゃんのことは17音という短い文字数ではとても詠めないのだ。
歌人たちが、歌に駆り立てられたのは…詠まずにはいられなかったのは、
「ゆるしてください」と書くことしか出来なかった結愛ちゃんへの思いだろう。
5歳児がひらがなを覚えたてで初めて書くのは、本当はもっと違う楽しいことで、
父や母に贈る「ありがとう」であって欲しかった。
本当にやりきれない思いがする。
明けぬ夜を小さな小さな女の子ただ一人いて天に召されし 原 公子
佐佐木幸綱選