デジタル庁が9月1日に発足から1年を迎える。官僚と民間人材の融合による新たな中央省庁をうたったものの、担当業務の広がりに専門人材の確保が追いつかない状況への懸念が出る。8月10日に就任した河野太郎デジタル相のもとで拡大が続いた事業を集約できないか検討を始めると。
政策課題について「優先順位が高いものは前倒しし、低いものはゴールを後ろにする必要がある」と話した。
デジタル庁の業務は多岐にわたる。各省庁のシステム更改や調達を一括で審査し、予算要求する機能を持つ。
マイナンバーカードの普及、地方自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)からデジタル政策を巡る対外交渉まで担う。新型コロナウイルスのワクチン接種証明アプリや、海外からの入国手続き用のサイトづくりなど突発案件にも対応する。
デジタル庁が運営する検討会議や作業部会は公式ウェブサイトに載せているものだけで20ほどにのぼる。
同庁は部局や課室で業務を切り分け縦割りで管理する従来型の省庁組織からの脱却を掲げた。プロジェクトごとに担当者を配置する。非常勤の職員でも案件に基づいて参加しやすくする仕組みを整えた。
自民党がデジタル社会推進本部(平井卓也本部長)の会合ではデジタル庁の2023年度予算の概算要求を了承した。体制の拡充にかかる予算は具体的な金額を示さない「事項要求」としたと。