ムーミンパパの気まぐれ日記

ご訪問ありがとうございます。
日常を綴っているだけの日記ですが、
ゆっくりと遊んでいってくださいね。

コクリコ坂から

2011-08-18 | review
 先日久しぶりに映画館に行き、スタジオジブリの「コクリコ坂から」を観てきた。まずはオフィシャルサイトからストーリーを紹介しよう。

1963年、横浜。

港の見える丘にあるコクリコ荘。
その下宿屋を切り盛りする16才の少女・海。
彼女は、毎朝、海に向かって、信号旗をあげる。
旗の意味は「安全な航行を祈る」。
タグボートで通学していた17才の少年・彼は、
海の上からその旗をいつも見ていた。

翌年に東京オリンピックを控え、
人々は古いものはすべて壊し、
新しいものだけが素晴らしいと信じていた。
そんな時代に、横浜のとある高校で、小さな紛争が起きていた。
古いけれど、歴史と思い出のつまった文化部部室の建物、通称カルチェラタン。
それを取り壊すべきか、保存すべきか。
そんな事件の中で、海と俊は出会う。
俊はその建物を守ろうと学生たちに訴える。
海はその建物の良さを知ってもらおうと大掃除を提案する。

徐々に惹かれ合うふたりに、ある試練が襲いかかる。
「嫌いになったのなら、はっきりそう言って」
「俺たちは兄妹ってことだ」
「どうすればいいの?」
自分たちは兄妹かもしれない。
それでも、ふたりは現実から逃げずにまっすぐに進む。
そして、戦争と戦後の混乱期の中で、
親たちがどう出会い、愛し、生きたかを知っていく。
そんな中で、ふたりが見出した未来とは-。


 正直言って、この映画には余り期待していなかった。監督は宮崎駿ではなく、息子の宮崎吾朗で、彼の初監督作品となったゲド戦記は原作者まで巻き込んだバッシングの対象となってしまっていたし(もっとも、私自身はゲド戦記を観ていないので、あくまで評判にしか過ぎないが。)、最近のジブリ作品は風の谷のナウシカや天空の城ラピュタなどとは傾向が変わってきており、今回の作品も昔のようなダイナミックなものではないことが分かっていたからである。とはいえ、子供の頃から宮崎駿や高畑勲の東映動画で育ってきた身としては、どうしても観ておかなくてはと思ってしまうのである。
 で、結果はいい方に裏切られた。原作が少女マンガなので、いかにもそれらしいストーリー展開ではあるのだが、それだけに奇をてらったり、画像で驚かしてみたりということはなく、ゆっくりと流れの中で緻密に描き込まれたオーソドックスな作品として仕上がっている。もちろん、結末に向けてのストーリー展開が笑っちゃうほどご都合主義的だったりするなどの難点がないわけではないが、それもまあ少女マンガらしいご愛敬として済ませるレベルではある。ただ、時代設定が1963年なので、我々世代でもギリギリの年代である。例えば、カルチェラタンと聞けば、神田カルチェラタン闘争を思い浮かべるというような、当時の社会に対する時代感覚を前提としているシーンも多いので、その辺が分からない人にとっては面白さは半減するかもしれない。 
 ともあれ、肩の凝らない大人のアニメを楽しみたい人にはお勧めの作品である。

【若い人のためのミニうんちく講座】
 神田カルチェラタン闘争とは、1968年から1969年にかけて、東京・神田駿河台の学生街で東大紛争支援のために当時神田・駿河台近辺に校舎を構えていた明治大学・中央大学・日本大学の全共闘が明大通り一帯をバリケード封鎖した学生運動の一つ。パリの学生運動の拠点であったカルチェ・ラタンになぞらえて神田カルチェラタン闘争と呼ばれた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« unicef | トップ | 忘れないでいたいこと »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

review」カテゴリの最新記事