2010年11月28日(日)
#149 マイケル・バークス「Time I Came In Out Of The Rain」(I Smell Smoke/Alligator Records)
#149 マイケル・バークス「Time I Came In Out Of The Rain」(I Smell Smoke/Alligator Records)
マイケル・バークス、2003年のメジャー・セカンド・アルバムより。バークスの作品。
マイケル・バークスといっても知らないひとがほとんどだと思うけど、57年ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれの53才。筆者ともタメ年の、壮年ブルースマンなんである。
若い頃は父親の経営するアーカンソーのジューク・ジョイントでバンド出演をしていたが、ようやく99年にVentレーベルより自主制作盤でデビュー。その後シカゴ・ブルース・フェスティバルでの熱演によりその才能を認められ、アリゲーター・レコードと契約。現在までに3枚のアルバムを出している。
その歌とギターのスタイルは、フライングVを愛用していることから察しられるように、アルバート・キングの影響が極めて大きい。
アルバートに負けぬ巨体から、まことに力強い歌声とギター・プレイを聴かせてくれる。その安定感はハンパじゃない。
これでもかと大きくスクウィーズするギター、変にリキむことなく余裕たっぷりのスモーキー・バリトン・ボイス。まさにアルバートの再来といえよう。
「Time I Came In Out Of The Rain」は、アルバートの曲でいえば「As The Years Go Passing By」あたりを彷彿とさせる、ドラマティックなマイナー・ブルース。
サイド・ギター、オルガンを配したバンド編成も、アルバート・スタイルをまんま踏襲している。
新味といえるような要素は格別ないのだが、ブルース、ソウル、ロックなどさまざまなスタイルの音楽をふまえたそのサウンドは、スケールが大きい。その安定した実力は万人が認めるところだろう。
50代に入り、これからがブルースマンとしての正念場のバークス。オーティス・ラッシュ、バディ・ガイに匹敵するような、将来の大物となるべき度量は十分にもっていると思うので、今後はさらに曲作りに精を出してほしい。
目の前で、その圧倒的パフォーマンスを見たいアーティストのひとりだ。ぜひ日本に来て欲しいものであります。