NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#10 ロイ・ブキャナン「After Hours」(Second Album/Polydor)

2023-04-11 05:04:00 | Weblog
2007年9月2日(日)

#10 ロイ・ブキャナン「After Hours」(Second Album/Polydor) 






ブルース・ファンなら一聴しておわかりだろうがこの曲、ブルース党には、もっぱらピー・ウィー・クレイトンの「Blues After Hours」というタイトルで親しまれている。

が、ピー・ウィーのオリジナルではなく、もともとはビッグバンド・ジャズのナンバー。

戦前から活躍している、アースキン・ホーキンス楽団のリーダー、ホーキンスが、ピアニスト、エイヴリー・パリッシュとともに書いたブルースなのである。

タイトル通り、アフター・アワーズ・セッションのリラックスしたムードをぷんぷんと匂わせる曲調が、ジャズ界のみならず、さまざまなジャンルのミュージシャンに支持される。

おもだったところを上げるだけでも、ローリー・ベル、レイ・ブライアント、バック・クレイトン、ランディ・ブルックス、オスカー・ピータースン、ハンク・クロフォード、ディズィ・ガレスピー、ロイド・グレン、ベニー・グッドマン、ロイ・ヘインズ、ウディ・ハーマン、ジュールス・ホランド、アール・フッカー、ユタ・ヒップ、イリノイ・ジャケー、クインシー・ジョーンズ、ロニー・ジョーダン、ロバート・ロックウッドJr、ジミー・スミス、パイントップ・パーキンス、エディ・テイラー、ピー・ウィー・クレイトン、そしてこのロイ・ブキャナンと、錚々たる顔ぶれにカバーされている。

まさに、隠れたブルース・スタンダード。

そんな中でも、このブキャナンの演奏は白眉で、とにかくテレキャスターの音色が抜群にいい。

ほんと、出だしのワン・フレーズから、グイッと引きずり込まれてしまうような、妙なる音なんである。
これを聴くと、ホントにテリーが無性に欲しくなってしまう。危ない危ない(笑)。

先達ピー・ウィーの演奏が「クール」の極致なら、ブキャナンのそれは、まさに「ホット」そのもの。

おなじみのトリッキーなスクラッチ・プレイやらボリューム奏法を交えつつ、最後までグイグイと聴き手を引っ張っていく腕前、まさに名人技であります。

曲の素晴らしさ、そして弾き手の腕が、完璧なコンビネーションを生んだ、見事な例であります。

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