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音曲日誌「一日一曲」#359 ステイタス・クォー「Roll Over Lay Down」(Vertigo)

2024-03-30 07:37:00 | Weblog
2024年3月30日(土)

#359 ステイタス・クォー「Roll Over Lay Down」(Vertigo)






ステイタス・クォー、73年9月リリースのアルバム「Hellp!」からの一曲。また、75年5月リリースのシングル・ヒット曲でもある。バンドメンバーのフランク・ロッシ、ボブ・ヤング、アラン・ランカスター、リック・パーフィット、ジョン・コグランの作品。彼ら自身によるプロデュース。

英国のロック・バンド、ステイタス・クォーは67年にそのバンド名(「現状維持」という意味の英語)となるまではスコーピオンズ、スペクターズ、トラフィック・ジャムという名で、ロンドンを拠点として活動していた。バンドの中心は、創設者のフランシス・ロッシ(ボーカル、リードギター)。

当初は時代を反映したサイケデリック・ロックだったが、70年リリースのサード・アルバム「Ma Kelly’s Greasy Spoon」からハード・ブギ路線に変更して、現在も続くサウンドとなる。

この路線で人気を年々拡大し、72年の「Piledriver」が全英5位にチャートイン、続く73年リリースの「Hello!」でついに全英1位を獲得、人気を不動のものとする。

そのアルバムのオープニング・ナンバーが、本日取り上げた「Roll Over Lay Down」だ。当初シングル・カットこそされなかったが、ライブの人気定番曲となり、のちにライブEP「Quo Live」が75年にリリースされた時にA面曲となり、アルバム「On The Level」の再リリース時にボーナス・トラックとして収録された。

その曲調はとてもシンプルだ。ほぼワンコード、メロディも繰り返しのパターン、ひたすらブギのステディなビートで突き進むナンバーだ。ロッシのギター・ソロも、あえてヤマ場を作らず、ずっと同じムードで弾きまくる。

この無限の反復が、聴く者に心地よいトランス状態を引き起こすのである。スタジオ・アルバム版では5分43秒の長尺だが、コンサートではさらに長くなることが多い。観客も、彼ら同様に身体を揺らしヘッド・バンギングで陶酔しているファンが多い。

今ではYoutubeでステイタス・クォーの新旧のライブを沢山観ることが出来るが、それらを観ていて感じるのは、とにかく野外コンサートの動員数が凄いのである。老若男女、皆彼らのライブを観に集まって来る。「国民的ロック・バンド」などとも呼ばれる所以である。

ところが不思議なもので、本国では人気絶大な彼らも、同じ英語圏であるのに米国での人気は極めて低い。米国では現在に至るまで、シングルもアルバムもヒットを出すことがなかった。なぜなんだろうね。

彼らは77年にはジョン・フォガティの「Rockin’ All Over The World」をカバーしたシングルで全英3位のスマッシュ・ヒットを出した。この曲あたりならば、米国のリスナーにも十分アピールしたと思うのだが、残念ながらチャートインは果たせなかった。

あまりにシンプルすぎるサウンドで、カントリーとかR&Bなどの要素をほとんど含んでいないがゆえに、米国のリスナーにはまるでとっかかりが無いということなのだろうか。日本人の筆者は、ただただ推測してみるばかりである。誰か詳しい人、うまく解明してくれないかな。

ともあれ、彼らの独自のグルーヴは、いったんハマるとなかなか抜けられない、麻薬的とも言える魅力がある。ライブの最人気曲「Roll Over Lay Down」は、その代表的なサンプルだろう。

ヘッド・バンギングするなら、断然この曲。まだ聴いたことのない人も、一度お試しあれ。

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