アーカンソーの旅 その１

記事の時系が前後しますが、9月の3連休にお隣アーカンソーへとドライブ旅行に行って来ました。
アーカンソーと言えば、以前テネシー州へドライブした時に通過しただけで、滞在するのは今回が初めて。
州都のリトルロックまでダラスから車で4時間。

アーカンソーと聞いて何を連想する？
クリントン前大統領、ウォルマート本店・・・くらいしか思い浮かびません。あっ、それとホットスプリングスの温泉か。

アーカンソーの皆さんには申し訳ないですが、いま一つ魅力的な観光が思い浮かばなかった。
でも、"Natural State"と呼ばれるくらいアーカンソーって自然がとっても綺麗らしい。国立公園まであるんだから。特に秋は紅葉が見応えあるらしい。

で、今回は、州都のリトルロックとアーカンソー北部のOzark地方（国立公園がある）へと。

では出発！
・・・のその前にまず腹ごしらえ。金曜の夕方に出発したので、夕食を。
アーカンソーへ向かうI-30沿いのRockwallにあるこのお店で。

ええ、またBBQです。通りすがりの店ですが、地元の人々で賑わっていたので、それにつられて入店。さすが地元民に人気なだけあって、かなりおいしい！ポークも柔らかくてBBQソースの甘辛さも私好みでした。我が家から３０分くらいでいけるから、またきっと行ってしまうわね。

まずはリトルロック観光へ。

『Central Highschool』（セントラルハイスクール）


建物が最も美しい高校として有名。そして公民権運動の活動の一つとしても有名な学校なのです。

『Little Rock Crisis』(リトルロック危機)
1957年に起きた事件。

（以下、博物館で得た情報を簡単に）
白人と黒人の分離教育が違憲になってからも、南部を初め、このアーカンソーでも白人と黒人の学校は別れていました。このセントラルハイも白人専用高校だったのです。そこでNAACP（全米黒人地位向上委員会）が最も優秀な黒人生徒9人（その勇気を称えリトルロックナインと呼ばれます）をセントラルハイに編入する手続きをとりました。


Little Rock Nine

市民とPTAとの猛烈の反対にあい、中でも先頭にたって運動していたのは、なんと母親など女性達だったそうです。

リトルロックナインの一人に野次を叫ぶ女性

当時の州知事は時期選挙の白人票を獲得する為に、州兵を学校へ送り込み（一時学校閉鎖するなどして）リトルロックナインの登校を阻止しようとします。それでも多くの反対派が集まる中、命の危険があるにも関わらず、リトルロックナインは登校を試みます。

益々悪くなる事態に、当時のアイゼンハワー大統領は遂に1000人以上の武装兵を送り込み、そして彼らはリトルロックナインの警護にもあたります。
（当時は米ソ冷戦時代。自由と平等を詠うアメリカ国内で起こったこの事件をソ連は大きく非難したそうです）



警護を受けながら登校するリトルロックナイン

この衝撃的な出来事は毎日のようにTVや新聞で報道され、これから公民権運動は大きく加速していくのです。


武装兵士、報道マン、反対派などの群集で埋め尽くされている学校前道路

結局、8人が卒業しました。後年、リトルロックナインはその勇気を称えられ前クリントン大統領から表彰を受けます。
実は、クリントン前大統領もこのセントラルハイの卒業生なのです。


当時の恐ろしい光景を全く想像させない現在のセントラルハイ。もちろん今も高校として運営されているので、校内には入館できません。


このセントラルハイは、国立公園として国が管理しています。（もちろんクリントン政権時代に認定されました）

学校の前には当時の報道マン達が報道拠点としていたガソリンスタンドが当時の姿のまま残されています。


公民権運動にとても興味のある私には、一度行ってみたかった場所なので、
とても感慨深いものがありました。資料や写真などでより詳しく理解できる博物館へ、ぜひとも訪れてみてください。