先日の“葉蓋”、“洗い茶巾”と同様に、夏になると“名水点”(めいすいだて)という夏らしいお点前が登場します。その名の通り、名水=天然の湧水を使った濃茶点前です。
席に入った瞬間、客は“名水点”であることを知ります。これは、幣(ぬさ)つきの注連縄(しめなわ)をかけた釣瓶(つるべ)水指と濃茶入が点前座に飾られているから。水には形がないことからこのような飾りつけにして名水であることを知らしめるのです。
釣瓶の準備として、木地全体を一旦びっしょり濡らしてから拭き、名水を張ります。注連縄を釣瓶の上の方勝手奥で男結びします。幣を六つ(三対)作り、前後に対象になる形で一対ずつ、左右にひとつずつ(合わせて一対)を縄にはさみます。
幣、注連縄共に神社で必ず見るものですね。
幣は、祈願をしたり、罪や穢れを払う為に神前に供えるもので、今は和紙ですが昔は麻や木綿を使っていました。別名四手(しで)とも言います。
注連縄は、神を祭る神聖な場所を他と区別する為に張る縄のことです。神社では俗世との結界のような形で神聖な場所を示すために注連縄を使用します。
一般家庭でも新年には家の門や玄関に注連縄や幣を飾って清め、悪いものが家内に入らないようにしたりしますね。いずれも日本人には馴染みのものです。
名水点でも、注連縄をかけた釣瓶の中の水は朝汲んだばかりの穢れのないものをそのままに準備したということを表しているのでしょう。点前座に飾られた姿は神聖で清々しい感じがします。
名水点と通常の点前とで違う大きな部分は、茶を点てる前に名水を連客で頂くこと、釣瓶水指の蓋の開け方でしょうか。異なるところを追ってみましょう。
総礼の後、正客はすかさず“本日は名水をご用意頂いたようでありがとうございます。是非お水を頂戴いたしとうございます。」と挨拶します。
亭主はこれを受け、茶入、茶杓を清め、茶筅を出し、茶碗を引いて茶巾を勝手付(釜に近い方)の蓋の上に置き、釣瓶水指の蓋を開けます。釣瓶の蓋は左(勝手付)と右(客付)に分かれています。開けるのは勝手付の方の蓋。勝手付の蓋の向こうを右手で少し前に押し出し、前に出た蓋を両手で持って手前に引き出すように開け、客付の蓋の上に重ねて置きます。
柄杓を取り、水を汲んで茶碗に入れ、名水を客に勧めます。
正客は次客にお先にの挨拶をして名水を頂き、次客に手送りします。その際、通常濃茶で行う送り礼はしません。正客は頃合をみて名水の由来をお聞きします。
連客一同飲み終わったら茶碗を戻し、亭主がこれを取り込んで、総礼。
柄杓を構えて釜の蓋を取り、湯を汲んで茶碗をすすぎ、更に湯を汲んで茶筅通しをする。
あとは通常の濃茶点前となります。
名水はその日の朝汲み出したものが前提ですので、茶席から1-2時間程の距離でないと無理でしょう。わが社中では、「柿田川の名水でございます」と練習問答をしています。環境省の名水百選というHPがありましたので、ご自宅から近い名水を探して、練習問答にお使いになってみてはいかがでしょうか?水を購入する時代になりましたが、日本にもまだまだ自然の水の美しいところがあるのですね。
名水百選
http://mizu.nies.go.jp/meisui/
水は茶の湯のいのち、古き茶人は良い水を求めてあちらこちらに足を運び、美味しい水で点てたお茶で客をもてなしたようです。また客もその労をねぎらい、御馳走に感謝しました。
自然の恵みに感謝しながら、名水点のお稽古をしたいものです。
席に入った瞬間、客は“名水点”であることを知ります。これは、幣(ぬさ)つきの注連縄(しめなわ)をかけた釣瓶(つるべ)水指と濃茶入が点前座に飾られているから。水には形がないことからこのような飾りつけにして名水であることを知らしめるのです。
釣瓶の準備として、木地全体を一旦びっしょり濡らしてから拭き、名水を張ります。注連縄を釣瓶の上の方勝手奥で男結びします。幣を六つ(三対)作り、前後に対象になる形で一対ずつ、左右にひとつずつ(合わせて一対)を縄にはさみます。
幣、注連縄共に神社で必ず見るものですね。
幣は、祈願をしたり、罪や穢れを払う為に神前に供えるもので、今は和紙ですが昔は麻や木綿を使っていました。別名四手(しで)とも言います。
注連縄は、神を祭る神聖な場所を他と区別する為に張る縄のことです。神社では俗世との結界のような形で神聖な場所を示すために注連縄を使用します。
一般家庭でも新年には家の門や玄関に注連縄や幣を飾って清め、悪いものが家内に入らないようにしたりしますね。いずれも日本人には馴染みのものです。
名水点でも、注連縄をかけた釣瓶の中の水は朝汲んだばかりの穢れのないものをそのままに準備したということを表しているのでしょう。点前座に飾られた姿は神聖で清々しい感じがします。
名水点と通常の点前とで違う大きな部分は、茶を点てる前に名水を連客で頂くこと、釣瓶水指の蓋の開け方でしょうか。異なるところを追ってみましょう。
総礼の後、正客はすかさず“本日は名水をご用意頂いたようでありがとうございます。是非お水を頂戴いたしとうございます。」と挨拶します。
亭主はこれを受け、茶入、茶杓を清め、茶筅を出し、茶碗を引いて茶巾を勝手付(釜に近い方)の蓋の上に置き、釣瓶水指の蓋を開けます。釣瓶の蓋は左(勝手付)と右(客付)に分かれています。開けるのは勝手付の方の蓋。勝手付の蓋の向こうを右手で少し前に押し出し、前に出た蓋を両手で持って手前に引き出すように開け、客付の蓋の上に重ねて置きます。
柄杓を取り、水を汲んで茶碗に入れ、名水を客に勧めます。
正客は次客にお先にの挨拶をして名水を頂き、次客に手送りします。その際、通常濃茶で行う送り礼はしません。正客は頃合をみて名水の由来をお聞きします。
連客一同飲み終わったら茶碗を戻し、亭主がこれを取り込んで、総礼。
柄杓を構えて釜の蓋を取り、湯を汲んで茶碗をすすぎ、更に湯を汲んで茶筅通しをする。
あとは通常の濃茶点前となります。
名水はその日の朝汲み出したものが前提ですので、茶席から1-2時間程の距離でないと無理でしょう。わが社中では、「柿田川の名水でございます」と練習問答をしています。環境省の名水百選というHPがありましたので、ご自宅から近い名水を探して、練習問答にお使いになってみてはいかがでしょうか?水を購入する時代になりましたが、日本にもまだまだ自然の水の美しいところがあるのですね。
名水百選
http://mizu.nies.go.jp/meisui/
水は茶の湯のいのち、古き茶人は良い水を求めてあちらこちらに足を運び、美味しい水で点てたお茶で客をもてなしたようです。また客もその労をねぎらい、御馳走に感謝しました。
自然の恵みに感謝しながら、名水点のお稽古をしたいものです。
名水で思い出すのは,昔は、日本橋 白木屋の地下にあった井戸でした。今は、どうなっていることか?(古い私です)
名水は、お水を頂きますが、責め紐釜?というものがあって、お湯を所望するお点前があるとか?
本当かしら? それもおもしろいですね。
名水点…。
まだお稽古したことがないので、先生にリクエストしてみます。
私自身名水点に非常に興味があって、いつかは自宅で行いたいと思っています。
なので、昨日幣つきの注連縄を購入してしまいました。(一回作り方がわかれば自分で製作予定)
名水点は確かに近場の2時間以内がいいのですよね。
ただ、東京ですとほぼ皆無ですよね~。
なので、奥多摩や丹沢の登山の際にボッカ訓練で水を10リットルくらい担いでこようかと。
前日の作業になってしまうと思いますが、許してもらいます…。
多摩川の源流に笠取山があって、最初の一滴が水干といいます。
その源流の水を持ってきたいと思っています。
でも夜中に家を出れば朝一で車を飛ばせば帰ってくることもできるかもしれません!!
見てみたいなぁ。
うちから車で5分程のところにも100選には入っていませんが、いわゆる名水があります。
そこは大きな水の自動販売機になっててあまり情緒はないのですが、
天水というお水は超軟水で焼酎にまぜるとまろやかになるとか・・・
これでお茶を点てたらどんな味になるんだろう・・・
いろんなお水で点てたお茶を飲み比べてみたら同じ銘柄でもやはり何か違ったりするのでしょうか?
(水集めが大変そうですが・・・)
今度買いに行ってみようかな。
ちなみにそのお水で花を生けると花が長持ちするんだそうです。
自販機のそばに神棚があるのですが、そのお水を使って活けた榊は、定期的に水を替えるだけで半年は枯れないんだそうですよ!
今の時期、茶花を活けるのにいいかもしれませんね。
作り名水点をしましたよ。
名水は用意できないので購入しましたが~~
暑い時期にお水を頂き、濃茶の前に喉も潤い清々しくなりましたよ。
来週もう一度釣瓶を使ったら、来年までお楽しみになりそうです。
お稽古では問答で「修学院のセブンイレブンでございます」たらゆうて、せんせに睨まれてます。
高校で茶道をなさっていたんですか。
私のブログで勉強になるか不安ですが、楽しんで頂ければ幸いです。
これからもコメントお待ちしています。
>名水で思い出すのは,昔は、日本橋 白木屋の地下にあった井戸でした。
白木屋って東急デパートですよね?今やコレド日本橋?
どうなっちゃったでしょうね。その井戸は使われていたんですか??
>責め紐釜?というものがあって、お湯を所望するお点前があるとか?本当かしら?
初耳です。誰かご存知だったら教えて頂きたいです。
お湯を所望するってやはりお水もおいしいものを準備しているのかしら?
流し点で、お客を引き止めるためにお白湯でもいかが?とは勧めますけど、それ以外でお湯を飲むというのは聞いたことがありません。
絞り茶巾のこと
表千家でも薄茶の手前にあります。ゆるく絞った茶巾を茶碗に仕込み持ち出し、茶栓とうし後茶碗の湯を建水にこぼし茶巾を絞り直してから拭きます。(寒い時期には茶碗を温めるための茶巾絞りもあります)
茶会などではあまり使はないようですが夏季に1~2回
稽古をいたします。又袱紗を金魚の形にして水指に飾ったりする遊びもあります
>昨日幣つきの注連縄を購入してしまいました。(一回作り方がわかれば自分で製作予定)
そうですね。名水点の時は懐紙を使って幣を作る練習をします。
>名水点は確かに近場の2時間以内がいいのですよね。
一応その朝汲んだばかりのものを準備するのが原則だそうですが、今の生活環境だと前日くみ出しも仕方がないかもしれませんね。
>多摩川の源流に笠取山があって、最初の一滴が水干といいます。その源流の水を持ってきたいと思っています。
源流の水、とても美味しそうですね。名水点、お呼ばれしたいものです。