ガクアジサイのこと。

うちの斜め前に、家の主を失った日本家屋があります。
築２０年くらいかな。

９０代のおじいさんがひとりで住んでいて、免許を返納され、車を処分されてからは、
お弁当の配達や移動スーパーを利用されてました。

おじいさんは、ある日突然不慮の事故で亡くなりました。
関東地方に住んでる息子さんは、葬儀が終わったあと、いずれは誰かに貸すか、
売却を考えていると言ってたけど、あれからもう３、4年は経ってるかな。
未だ、借り手も買い手も決まっていない様子。

うちの２階のベランダからは、その家の裏庭が見えて、少し前までは綺麗なガクアジサイが
長いこと咲いてました。
主は不在だと言うのに、うちのアジサイよりもはるかに長いこと咲いてたガクアジサイ。
誰も手入れもしないのに、悲しいほど綺麗に咲き、まるで誰かを待ってるかのよう。

さて、うちも子どもたちが帰って住む予定は無く、いずれは売りに出されるかな・・・
なんて、ベランダから今は枯れてるガクアジサイを見ながら、毎日そんな思いが
頭を巡ります。

洗濯物を干し終えると、そんなことは日常の中にすっかり埋もれて忘れてしまうんだけど。
そのガクアジサイを見るたびに色々考えます。