人の心の壁は厚くて強固である。そこで、ある者は、その壁を破るには、強力な装置が必要であると考えた。そして、装置の開発は進み、幾つかの試作品が完成した。
最初は、心の壁に穴を開けて中を見る装置。これによって、人の心の中を覗ける様になった。
次に、心の中の傷付いたり痛んだりしている部分の治療や修理を行う装置が完成した。
この二つの装置の御蔭で、人は心の痛み苦しみから解放される事となった。
しかしである。心の痛みを感じなくなった人間は、当然であるが、人の心の痛みも同時に感じなくなくなってしまったのである。
人間には、食欲等を始めとする、生きる為に必要な本能欲がある。この本能欲がなければ当然であるが、生存競争世界の中では、生きていく事は出来ないのであるが、それでは。その理論通りの弱肉強食の人間社会となってしまったら、その先はどうなってしまうであろうか?
つづく
最初は、心の壁に穴を開けて中を見る装置。これによって、人の心の中を覗ける様になった。
次に、心の中の傷付いたり痛んだりしている部分の治療や修理を行う装置が完成した。
この二つの装置の御蔭で、人は心の痛み苦しみから解放される事となった。
しかしである。心の痛みを感じなくなった人間は、当然であるが、人の心の痛みも同時に感じなくなくなってしまったのである。
人間には、食欲等を始めとする、生きる為に必要な本能欲がある。この本能欲がなければ当然であるが、生存競争世界の中では、生きていく事は出来ないのであるが、それでは。その理論通りの弱肉強食の人間社会となってしまったら、その先はどうなってしまうであろうか?
つづく