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西サハラ短信その8

2012年09月20日 | 西サハラ短信

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国連人権理事会の拷問に関する特別報告者、今月14日にモロッコと西サハラを訪問




2012年9月12日 ラバト EFE通信(スペイン)

国連人権理事会の拷問に関する特別報告者フアン・メンデス氏(アルゼンチン)は今月14日、モロッコと西サハラの視察訪問を開始する。日程は一週間の予定で、モロッコ国際人権委員会のアブデッラザク・ルーワン委員長によると「メンデス氏は自由自在に、どこでも希望する場所を訪問することができる」ことになっている。

メンデス氏の訪問先としては、ラバト、サレ、メクネス、カサブランカ、テマラ、そしてエル=アイウン(西サハラの首都)の主な刑務所および問題視された警察署が予定されている。

本通信社が国連側に問い合わせたところ、メンデス氏が各地の刑務所を訪問する点で確認は得られたものの訪問の詳細についてはノーコメントだった。一方西サハラ現地の人権団体は、同氏が17と18日にエル=アイウンに滞在し諸団体と会合を持つ予定だと述べている。

ただエル=アイウンの暗黒刑務所と呼ばれる刑務所を訪問するかどうかについては、確認されていない。また西サハラ訪問当日には、独立要求派の諸団体がデモを組織する予定だそうだ。

1975年以来モロッコに占領されている西サハラの領土は、モロッコが自治案を唯一の現実的解決策としている一方、現地住民は独立を選択肢に入れた住民投票を求めており、特別の配慮を要する視察先だ。

国連は1991年に西サハラ住民投票監視団(MINURSO)を組織し、監視団は現在モロッコ・ポリサリオ戦線間の停戦監視を行っている。しかし人権問題の監視は行っていないため、ポリサリオ戦線は監視団任務にこれを加えるよう求めているが、モロッコ側の頑なな拒否が続いているのが現状だ。

モロッコ国際人権委員会の委員長によると、メンデス氏はモロッコの国民人権評議会(CNDH)を始め、法曹界や市民社会の代表者たちとの会合を持つそうだ。

アムネスティ・インターナショナルは去る6月、刑務所内で拷問と虐待が続いている事実についてモロッコ人権問題上の要注意として告発している。
現地では多くのNGOや政治囚たちがモロッコの刑務所における拷問の実態を訴えているが、刑務所庁側は拷問・虐待の存在を常に否定してきている。


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