雲追う民

難民キャンプで暮らすサハラウィの生活を紹介する写真

短信18 無線機を贈ろう

2013年02月27日 | 西サハラ短信

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このサイトは、日本西サハラウイ協会の支援者が、同協会からの情報と活動を発信しています。
難民キャンプの生活を紹介する写真は1998年から2002年のもので、現在はモロッコ人捕虜が全員帰国したため、収容所がなくなるなどの変化がありますが、砂漠の中の生活が困難であることは代わりません。

      



サハラウィ難民キャンプへ無線機を届けるプロジェクトに、
ご協力をお願いします!




救急車で使用されている協会寄贈の無線機


 私たち日本サハラウイ協会は、2008年にサハラウイ難民キャンプへ固定式無線機15台と移動式無線機6台を届ける支援活動を実現しました。

 この難民キャンプがチンドゥフ(アルジェリア国境付近)に築かれて、今年で38年目を迎えます。そこでは、祖国解放を求めるサハラウィ難民の強い意志・努力と海外からの様々な支援協力により、キャンプ社会設備はそれなりに向上してきています。

 ただキャンプ間の通信事情は、砂漠の真只中という環境ですので、電話回線が到達しているのは政府関係建物のあるラブーニ・キャンプだけで、他の6つのキャンプでの公的連絡手段は無線機や車両に頼らざるを得ません。その上、砂の弊害で精密機器の故障は頻度が高くなります。

 このような環境ですから、唯一現実的な通信手段は無線機で、日本から届けられた無線機はとりわけ医療の分野で役立ち喜ばれています。ちなみに、アマチュア無線用の機材は日本製が世界市場の8割を占め、現在各キャンプで使用されている日本製無線機の有用性と評価は高く、さらなる無線機の到着が待ち望まれています。

 こうした状況下、私たちは今年また同様のプロジェクトを立ち上げ進めています。
日本サハラウィ協会は任意団体ですので、諸組織からの援助はなく、有志の方々のご協力に頼って活動しているのが現状です。

 今回の支援で現地に送る基地局用無線機3台、ハンディ61台、バッテリ5台等は、本支援に理解ある団体のご厚意で確保しましたが、不足する基地局用無線機とキャンプ間の交信に不可欠なアンテナ購入の資金、現地への輸送費が不足しています。

 そこでこうして皆さまから寄附金を募り、寄せられた金額の範囲内で購入可能な本数のアンテナ等を現地に届けることにしました。 ご参考までに輸送量はおよそ15万円、アンテナは一本が1~2万円、基地局用無線機は6~15万円の価格です。

 ご協力くださる方は、どうぞ下記のゆう貯または三菱東京UFJ口座をご利用下さい。 なお振り込み用紙の備考欄にメールアドレスを記入していただければ、寄付金総額やその使途等を含めた報告書をお送り致します。


・郵便振替口座:00180-1-397181
・加入者名:西サハラキャンペーン・東京
(西サハラキャンペーン・東京という団体名は、日本サハラウィ協会が20年ほど年前に休止した時に一部メンバーが作ったものです。その後後者は再開し現在に至りますが、ゆう貯口座に関してのみ同名が残っているという事情があります)

・三菱東京UFJ銀行 赤坂支店
・口座名義:日本サハラウイ協会(ニホンサハラウイキョウカイ)
・口座番号:4854019



                                         日本サハラウイ協会
                               無線機プロジェクト・チーム


短信17 AIの批判

2013年02月22日 | 西サハラ短信


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アムネスティ・インターナショナル、
サハラウィ政治囚の判決には「国際的規準が欠如」と批判




2013年2月18日 ロンドン
アムネスティ・インターナショナルの中東及び北アフリカ担当フィリプ・ルター氏は17日コミュニケを発表し、その中で24名のサハラウィに対するラバト軍事法廷の判決は「正規の司法裁判としての国際規準を遵守していない」 「24名の被告は民事法廷に、人権保障の下に出頭させられるべきであり、いかなる場合にも終身刑を課されるものであってはならない」「サハラウィ政治囚たちは国家保安法違反、犯罪グループ結成、公務執行妨害のかどで不当に起訴された」などと明言している。

またルター氏は「法廷に傍聴出席した海外のオブザーバー達やNGO代表者たちは異口同音に「当件の証拠不十分」を訴えており、またアムネスティ・インターナショナルは当初から裁判が無効だとみなしていた」と述べている。
一方被告たちは、拷問、性的暴力を受け、自供に追い込められたことを告発した。
ルター氏はさらに「裁判官はあからさまに被告たちの起訴事項調査を拒否し、さらに弁護側は、刃物に指紋は検出されておらずDNAの裏付けもないと断言している」と述べ「占領地でサハラウィ住民たちの絶え間なく受けている人権蹂躙は撤廃されるべきであり、モロッコ当局はこれ以上許されるはずがないことを認識すべきである。」と締めくくっている。

グデイム・イジック事件の24名の被告裁判は、逮捕・拘束から27カ月を経て今月1日に開始され、終身刑9名、禁固30年が4名、禁固25年が7名、禁固20年が2名の判決が出された。
(SPS 西サハラ通信)

追記:先日の西サハラ人権監視会による短信では、終身刑が8名、禁固25年が8名となっていましたが、最終的確認では上記のようにそれぞれ9名と7名になっています。




短信16モロッコ軍事法廷 

2013年02月20日 | 西サハラ短信

グデイム・イジック政治囚たちに対する最終判決


SIDI ABDERRAHMAN ZEYOU esta madrugada
17日朝のシディ・アブデラフマン・ゼユウ(24名のうちの一人)
2013年2月17日、ラバト

.二年以上拘束され続けていたグデイム・イジックの政治囚たち24名に対し(注)、今月8日からモロッコ軍事法廷が連日開かれていたが、17日早朝判決が下された。
24名の政治囚たちは泰然自若として判決に耳を傾けた後、拳を上げ、西サハラの独立と民族自決権を高々に叫んだ。 
ラバト軍事法廷裁判官の読みあげた判決文はは僅か15分で終わったが、グデイム・イジック政治囚たちに下された判決内容は次のように重刑に及んでいた。
終身刑 8名
禁固30年 4名
禁固25年 7名
禁固20年 2名
刑期終了 3名 
(ソース:西サハラ人権監視会WSHRW)
 
注:2010年、西サハラの首都エル=アイウン郊外グデイム・イジックに住民約2万人が7000のテントを張って抗議村を作りました。しかし1ヶ月後にモロッコ当局が介入して武力解体。これに抗議する者たちや日ごろ当局に睨まれていた人々が一斉検挙されました。その後少しずつ解放され、最後まで拘束され続けたのがこの24名です。