雲追う民

難民キャンプで暮らすサハラウィの生活を紹介する写真

西サハラ短信その6

2012年08月29日 | 西サハラ短信


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写真:エル=アイウンを訪問したケリー・ケネディとモロッコ秘密警察の小競り合い



8月25日、モロッコ秘密警察隊がk.ケネディの乗った車に近づきカメラ担当のマリア・ケネディ・クオモを侮辱




恣意行為の参加者が警察暴力の被害となっている時、マリア・ケネディ・クオモのカメラ撮影を阻む秘密警察隊。左側の人物はサハラウィ住民には拷問者として有名な通称ムスタシュという人物。



恣意行為に出ようとした人たちを攻撃する制服警官 (撮影マリア・ケネディ・クオモ)



警察の暴力で負傷したスーケイナ・イェデフル。(撮影 マリー・ローラー)

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西サハラ短信その5

2012年08月28日 | 西サハラ短信

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ロパート・ケネディ人権基金会主席、エル=アイウンでMINURSOメンバーと会談




ケリー・ケネディ主席とアミナトゥ・ハイダル

2012年8月27日、エル=アイウン SPS通信(西サハラ)


今月24日、ケリー・ケネディ主席を団長としたロバート・ケネディ人権基金会の一行が占領下西サハラのエル=アイウンに到着した。一行は翌25日、現地駐屯のMINURSO(西サハラ住民投票のための国連監視団)代表者たちに会い、一時間半にわたる会談を行った。

会談では、被占領地でMINURSOが果たす役割や干渉範囲、そしてサハラウィ住民とのコンタクトなどがテーマとなり、アミナトゥ・ハイダルを始めとしたサハラウィ人権活動家たちは政治、社会、文化そして経済の面で人権が侵害されている現実を語り、意義深い会談となった。


このあと一行は、サハラウィ拷問反対委員会のエル=マミ・アマル・サレム会長と会談し、昨年9月25~27日にダフラで起きたモロッコ入植者と軍隊によるサハラウィ住民攻撃事件について報告を受けた。

また、単に正当な人権を求めただけで逮捕され、現在劣悪な収監状況下にある政治囚たちのハンストや日々の闘いについても、詳細な報告がなされた。
一行はさらにリン鉱石会社フォス・ブクラアの労働者たちを始め、過去に強制的消息不明者となった人や失業者たちとも会談を持ち、脅しや不当逮捕など占領のさまざまな実態を聞き取った。

ロバート・ケネディ基金会の一行は29日、今度は難民キャンプに到着する予定となっている。

西サハラ短信その4

2012年08月26日 | 西サハラ短信

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国連事務総長、個人特使の改任を求めるモロッコに断りの回答




AFP通信(フランス)2012年8月25日

外交筋の伝えるところでは、藩基文国連事務総長は24日、西サハラ和平のための事務総長個人特使の改任を求めていたモロッコに対し、これを拒否する回答を出したもよう。

モロッコは今年5月、アフリカで最も長引くこの紛争の調停役を務めるにはクリストファー・ロス特使は「不安定で偏っている」と批判し、信用できないと発表した。

しかし国連のマルティン・ネシルキー報道官が発表したところでは、事務総長はモロッコ国王モハメド6世に電話で、和平調停の目的は当事者双方が受け入れることのできる政治的解決の達成に向けて努力することであり、国連は調停役の条件に変更を加える意向はないと語った。

そして報道官は事務総長が、ロス氏とMINURSO団長のヴォルフガング・ヴァイスブロート=ウェーバー氏の二人が「協議プロセスを推進させ、それぞれの務めを果たすだろう」と明言したと伝えている。

西サハラは旧スペイン植民地で、モロッコはここを1975年に併合した。(後略)


西サハラ短信その3

2012年08月01日 | 西サハラ短信

西サハラ政府は、スペイン人協力活動員たちの本国帰還決定に対し遺憾を表明


2012年7月28日 ビール=ラフルゥ(西サハラ解放区) SPS通信(西サハラ)

スペイン政府は7月27日、サハラウィ難民キャンプで人道援助に携わるスペイン人協力活動員たちを本国に帰還させると発表した。一方西サハラ政府外務省は文面で、この一方的決定に対し遺憾を表明し、貴重な活動の再開を望んだ。

この日スペイン政府のガルシア=マルガリョ外相が記者会見で、マリ北部におけるテロリスト・グループの活動が現地に及ぶ可能性があるとして、難民キャンプで活動中のスペイン人を帰還させる態勢を整えていると述べた。

これを受け西サハラ政府は外務省コミュニケを通し「サハラウィ難民にとってマイナス効果をもたらすことは明らかだ」とコメント。コミュニケは「西サハラ政府はテロリズムを非難する。しかし世界的現象となっているテロリズムに対しては、国際的連携と協力の体勢で立ち向かわねばならない」と強調し、この意味で「西サハラ当局は昨年10月22日に起きた協力活動員誘拐事件以来、外国人訪問者たちを保護する方向でできる限りの対策をとっている」と伝えている。

西サハラ政府はまた、1975年10月以来モロッコ王国の軍事占領支配の被害者である難民に対し、スペイン人たちが寄せてきた支援活動が一日も早く再開されることを願うとしている。
今回本国帰還をしたのは、スペイン人協力活動員(訳注)12名とフランス人2名、イタリア人1名だ。


訳注:難民キャンプにおける支援プロジェクトの殆どは、外務・協力省直属の「開発のためのスペイン協力機構(AECD)」が資金援助しており、今回帰還したのはそうしたプロジェクト下で活動していた人たち。AECDとは無関係に地方行政などの資金を受けて現地活動をするNGOは、今後もプロジェクト続行の姿勢を表している。