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難民キャンプの生活を紹介する写真は1998年から2002年のもので、現在はモロッコ人捕虜が全員帰国したため、収容所がなくなるなどの変化がありますが、砂漠の中の生活が困難であることは変わりません。
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日刊紙リベルテ(アルジェリア)2013年10月22日
エル=アイウンとスマラでデモ参加者たちが負傷
クリストファー・ロス氏の訪問中も続くモロッコ当局の弾圧
国連事務総長の個人特使クリストファー・ロスの訪問時にもかかわらず、モロッコの治安組織はエル=アイウンとスマラのサハラウイ住民デモを激しく弾圧
国連の西サハラ特使はエル=アイウンとスマラの訪問を終えたが、その間この二つの町はサハラウイ住民デモに対するモロッコ治安当局の激しい弾圧の舞台と化した。
国連事務総長の個人特使ロス氏が現地を訪問するのは今回でニ度目となり、10月18日エル=アイウンに到着した。一方モロッコ当局はサハラウイ住民の集りはどれも阻止する態勢を整えていた。
19日、エル=アイウンではデモ隊とモロッコ治安部隊の衝突が起きた。これについてMAPモロッコ通信は「住民たちの破壊行為と暴力」を非難したが、現地のモロッコ人権団体AMDHのムバレク・ダラアン代表はモロッコ治安部隊が15時ごろ平和デモに対し武力介入を開始したと証言し「住民が立ち話に数人集うだけで、すぐさま私服警官が介入している」と警戒態勢の様子を語った。
20日、スマラでも同様の介入が行使され、20名ほどの住民が負傷し、内一人は重傷だ。
AFPフランス通信がMINURSO国連監視団代表に問い合わせたところ、コメントは得られなかったそうだ。
国連事務総長個人特使ロス氏も、今回は現地訪問中に声明発表を行っていない。
2009年以来国連事務総長個人特使を務める同氏は、サヘル地域の情勢悪化にともない西サハラ問題の解決が「これまでになく緊急を要する」と見なし、行き詰まり打開を試みている。
2012年春にはモロッコ側から同氏の仲介活動が「不公平」と非難されたが、潘事務総長の力強い支持を得て同年11月にはエル=アイウンを初訪問した。
今回の現地訪問に先立ち、クリストファー・ロス氏はチンドゥフのサハラウイ難民キャンプ、そしてモロッコのラバトを訪れ、政府高官たちそして反独立派、独立派の市民社会代表と会談した。
ロス氏はこの旧スペイン植民地である西サハラの訪問後、ヌアクショットそしてアルジェへ向かう予定となっている。
なお国連安保理事会は10月30日に西サハラ問題をめぐる協議を行うことになっているが、この問題はアフリカで唯一いまだに脱植民地化されていない問題だ。
4月に行われた前回の安保理事会では、米国がMINURSOの任務に人権問題監視を含め入れることを提案したが、モロッコが猛烈に反対し実現されなかった。このため西サハラ現地では独立を求める大規模なデモが起きた。