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或るホモセクシュアル経験者発信のzakki等。

J・R/記憶に残る街/アムステルダム

2012年11月19日 15時48分33秒 | エッセイ

                 

 

今は本当に便利なもので、此処にいながらにして遠い国の街並みを画像で見ることができる。Googleでの航空写真、地上の都市街路ナビ。それを利用して、昔住んだことのあるアムステルダムに「出掛けていく」。何十年ぶりかで見る辺りの様子。 上の画像は、住んでいた運河沿いのその通りの、ほぼその位置。                                                                                               12歳年上のユダヤ系オランダ人の画家の住まい。二階分使っていた、その上の方の階に数か月住んだ。日本にいる時に知り合い、性的な関係もあった、やはりユダヤ系のアメリカ人。この人はアメリカの大学の教師だったのだけれども、研究の関係で日本にもよく来ていて、私がヨーロッパに行くことを知って、ワルシャワだとかパリ、アムステルダムの知人のアドレスを教えてくれたのである。もちろん、いずれもホモセクシュアル。そのようなことで、アムステルダムに着いた時、駅からJ・Rに電話をした。うまい具合に連絡がとれて、会いに来てくれた。駅前のカフェでコーヒーなど飲み、話したのだけれども、最初から彼に魅力を感じた。そのまま、階こそちがえ、実質一緒同然の恋人同士としての生活をするようになった。

数か月過ごし、日本に帰り、また翌年会いに行ったりなどしたけれども、やはり色々とむずかしいことなどもあり、帰った後、再び会えることはなかった。でも、お互いの愛する気持ちは変わらなかったと思う。手紙のやりとりはつづいたけれども、それもいつか途絶え。何年か前、ネットで検索した時に彼が1996年に亡くなったことを知った。その時には、アムステルダムのユダヤ系の美術資料館にメイルをしてみたりなどした。そして、残されている作品の紹介などを受けた。今もネットで絵の一部を見つけることができるけれども、彼との間にあったことを、色々と思う。自身の人生にとって、そうした彼との出会い、記憶も宝。