黒猫洞

黒音呼夜の爪とぎブログです。
映画のレビュー、創作など。
日記はFacebookに移行しつつあります。

ちょっとした名言(『ホームアローン2』より)

2012-09-27 16:02:03 | MOVIE

作業しながら『ホームアローン2』を見てたんだけど。

なかなかグッとくるシーンがありまして。

 

主人公のケビンと、ホームレスの鳩おばさんとの会話。 

鳩「But the man I loved fell out of love with me.」

(でも愛した男が私を捨てて去っていった)

「That broke my heart.」

(傷付いたわ)

「When the change to be loved came along again...I ran away from it.」

(それからは愛が芽生えるチャンスに出会っても、怖くなって逃げ出した)

「I stopped trusting people.」

(人を信じられなくてね)

ー中略ー

ケ「I had a nice pair of Rollerblades.」

(昔ローラースケートを買ってもらったことがあるんだ)

「I was afraid to wreck them so I kept them in a box.」

(でも、壊したらやだなって思ってずっと箱の中にしまってた)

「Do you know what happened?」

(どうなったと思う?) 

「I outgrew them. I never wore them outside. Only in my room a few times.」

(そうしてる間に背が伸びて足が大きくなった。結局一度もはかなかったよ)

鳩「A person's heart and feelings are very different than skates.」

(人のハートっていうのはね、ローラースケートとは違うのよ)

ケ「They're kind of the same thing.」

(同じことだと思うよ)

「If you won't use your heart, who cares if it gets broken?」

(ハートだって使わなきゃ持ってる意味がないじゃない)

「If you just keep it to yourself, maybe it'll be like my Rollerblades.」

(ずっとしまったままじゃ、僕のスケートと同じさ)

「When you do decide to try it, it won't be any good.」

(使いたいと思った時は、もう役に立たない)

「You should take a chance. Got nothing to lose.」

(怖がってないで、勇気を出さなくちゃ)

「Your heart might still be broken, but it isn't gone.」

(傷付いていても、まだハートがあるんでしょ)

 

ここで話しているのはホームレスのおばさんと小学生の子ども。

でも、なかなか良いこと言ってるなと。

”子ども目線”の例え方が、すごく上手い。

まぁ、前後の展開が分からないと、伝わりにくいとは思うけれど。

 

子供向けのコメディ映画に、さりげなくこういうシーンが織り込まれてるのが素敵。


プロメテウス

2012-08-27 18:59:45 | MOVIE

内容に触れる前に、作品としての位置付けを再確認。

これは、10年近く前から企画されていた『エイリアン』シリーズの映画。

元は『エイリアン2』のキャメロン監督が、5作目を手掛けようとしていて。

その内容を踏まえつつ、エイリアンの生みの親リドリーさんが引き継いだかたち。

製作に回る予定だったものの、配給会社の要望で監督を引き受けることに。

『エイリアン』の前日譚として進みかけたものの、途中で少し変更。

前日譚であり、別の物語にもつなげられる、という方向に。

結果、タイトルから”エイリアン”は消え、『プロメテウス』に。

 

映画製作の進捗状況を把握している映画好きならともかく、一般の人がこんな裏話を知るはずもなく。

日本ではひたすら”人類の起源に迫る”というキャッチコピーが先行。 

予告編でも”エイリアン要素”はあまり垣間見れず。

結果、全く覚悟していない人たちも大スクリーンで見てしまっているわけで。

予告編のシーンと、3D版の公開も相まって”ちょっと暗めな『アバター』”を期待した人もいたんじゃないかと。

そこに、グロテスクで残酷な描写が満載とくれば、一部で酷評されるの仕方ないことかと。

『エイリアン』を見ていない人には、意味不明だったり、楽しめない部分も多いですし。

プラス、3Dは吹き替え版で、売り出し中のタレントを声優として起用。

これも叩かれている一因だけど、それは作品自体の問題ではない。

PRの仕方も含め、日本の配給会社の失敗。

 

と、かなり前置きが長くなったけれど、2D版(3Dは吹き替えしかなかったので)を観てきまして。

まず、冒頭15分あまりは、ダイナミックな空撮による壮大な風景が楽しめる。

ただ、心が潤うのはここまで(笑)

あまりストーリーには触れないけれど、この後はひたすら殺伐とした展開なので…… 

そのストーリーも、正直『プロメテウス』だけ見ても意味が分からないか、消化不良だと思う。

『エイリアン』にチラっと出てきたスペースジョッキーのことなんて、大半の人は知らないだろうし。

散りばめられたセルフ・オマージュや、メカのデザインなんかも、知らなければ感じるものもないだろうし。

なんだかんだ言っても、やっぱり『エイリアン』ということ。

リドリーさん特有の、淡々とした残酷さも健在。

これは映像的な話でもあるけれど、主要キャラであっても容赦なく犠牲にする演出上の話でもある。

最後は確かに、『エイリアン』へとつながりつつ、別の物語へ派生させることもできる終わり方。

 

映像的には、期待を裏切らない安定のリドリーさん。

冒頭の空撮や、船が目的地に向かう宇宙のシーンなどは鮮やかで美しい。

一方、目的地の古代遺跡(のような宇宙船の中)は、非常に暗くてエイリアン的。

この”闇と影”は『エイリアン』シリーズには欠かせない要素。

そして、これまた切っても切れないのが残酷描写。

今作でも、なかなか凄絶なシーンが多数。

首が飛んだり、色々と破裂したり、お腹からエイリアン出てきたり……

日本ではPG指定だけれど、アメリカではR指定になったそうで。

気が弱い人、血が苦手な人は、間違っても見てはいけません。

 

役者陣に関しては、なにせバタバタ死んでいくから評価しづらい(苦笑)

ヒロインを演じたのはノオミ・ラパス。

わりと最近メジャーになった女優さんなので、見たことなかったんだけど。

リプリー(シガニー・ウィーバー)と比較されるであろう役を演じるのは、大変だったと思う。

個人的には、アンドロイドのデヴィッドを演じたマイケル・ファスベンダーが好印象。

ロボでもヒトでもない存在の、無機的な有機性(妙な言葉だけど)を表現するのは難しい。

そして、シャーリーズ・セロンがヴィッカーズを熱演。

やっぱりこの人は、冷たい役、高圧的なキャラを演じるのが上手(インタビューの時なんかは気さくだけど)。

 

音楽を担当したのは、ハンス・ジマーの元アシスタントのマルク・ストライテンフェルト。

『キングダム・オブ・ヘヴン』以降、すっかりリドリーお抱えの作曲家に。

ジマー派の中には、単なる”コピー”でしかない人も多いけれど、この人は違う。

きちんと監督のヴィジョンに合わせて、自らの音で勝負できている気がする。

壮大な風景に合わせた曲も良かったし、エイリアン的な不気味な音階も上手だったし。

 

あと、クリーチャーの造形に関して。

一口にエイリアンと言っても、作品ごとにその姿は変更が加えられていて。

途中から、ずいぶんゴツゴツしていったけれど……

今作のエイリアンは、初代『エイリアン』に登場したものに近いイメージ。

と言うか、あの姿になる過程を描くストーリーでもあるんだけれど。

今作に登場する巨大ファイス・ハガーは、ほとんどクラーケン。

 

前置きの中でも触れたけれど、この作品の評価が二分されるのは仕方ないこと。

恐らくリドリーもそれを予測したうえで、あえてそのまま公開していると思う。

(媚びる必要がないくらい絶対的な存在ですし、ね)

設定的にもリアリティがあり(突っ込みどころもあるけど)、観客も緊張を強いられるような作品。

重ね重ね、『エイリアン』が苦手な人は見ない方がよろしい。

『アバター』みたいなドキドキと感動は、期待するだけムダですので。

(ハラハラはするけれど、後味の良い映画とは言えない)

けれど、すごくよくできているのも確か。

気になっている人は、『エイリアン』を見直してから行きましょう。


トニー・スコット

2012-08-21 21:47:09 | MOVIE

昨日、ケータイで情報サイトを見ていた時”トニー・スコット監督、自殺”の文字が飛び込んできて。

製作予定の待機作もあったから、本当に驚き。

 

トニー・スコット監督と言えば、何よりも有名なのが『トップガン』。

トム・クルーズの出世作であり、監督自身にとっても大きな飛躍に。

『デイズ・オブ・サンダー』と『エネミー・オブ・アメリカ』も何度か見たような。

あと、忘れちゃいけないのが『ビバリーヒルズコップ2』。

個人的に好きなのは、ジマーが音楽を担当した『トゥルーロマンス』と『クリムゾンタイド』。

(『デイズ~』もジマー作曲)

キーラ・ナイトレイ主演の『ドミノ』もすごく印象的。

最近の作品だと『デジャヴ』くらいしか見ていないけれど……

とにかくアクション満載で、男っぽい映画が多い。

 

映画好きなら知ってることだけど、この人のお兄さんは、あのリドリー・スコット。

鬼才と呼ばれる兄と同じ仕事をするのは、けっこう大変だったんじゃないかと思う。

芸術性の高い画作りを得意とするリドリーさんに対し、トニーさんはよりアクション重視。

だからこそ、評価のされ方にも差が出てしまったんだけれど。

ただ、トニーさんが現在の映画界(特にアクション映画)に与えた影響は決して小さくない。

技術面の進歩により、急速に進化しつつあった映画界の中で、今の主流を形成した1人だと思う。

今でこそ当たり前の、細かなカット割でたたみかけていく手法は、トニーさんの十八番。

(別に専売特許というわけでもないけれど)

80年代から90年代にかけて、業界から批判されながらも大衆ウケする映画を生み出した功績は大きいと思う。

 

それにしても「トニー・スコット監督最新作!」という触れ込みを目にすることができなくなるのは、寂しいなぁ。

『トップガン2』の企画、けっこう楽しみにしていたんだけど……

自殺の理由は諸説あるけれど、もう彼の作品が生み出されないことは確か。

最後の瞬間どんな想いだったにせよ、どうか安らかに。


ダークナイト ライジング

2012-07-30 21:32:42 | MOVIE

ついに公開された、ノーラン版バットマンの最終章。

4年前に前作を観た時から、ずっと心待ちにしていた作品。

 

前作の8年後、平和になったゴッサムシティが舞台。

罪を被ったバットマン/ウェインは、隠居(というか引きこもり)状態。

しかし、キャットウーマン、新たな敵ベインらの登場によって、表に出るように。

そんな流れのため、序盤はあまりバットマン登場せず。

(バットスーツを着用するシーンは、全体的に少な目)

 

ネタバレを避けるため、具体的なエピソードには触れないけれど。

ノーラン監督らしい、どんでん返しのあるストーリー。

『バットマン ビギンズ』から一貫して描いてきた、人の醜さや恐怖といった内面的要素も丁寧に盛り込まれている。

バットマンだけでなく、周囲の人間1人1人、そして敵のベイン。

そこに至るまでの過去、憎しみ、悲しみ、妬み。

キャラクターの設定に奥行を持たせることで、ストーリーがより深いものに。

善悪とは何か、誰が光で誰が闇か。

前作『ダークナイト』で強調されたテーマを継続しつつ、『ビギンズ』のエピソードへつなげていく上手さ。

様々な部分に含みを待たせ、観客に判断を委ねるような終わらせ方をするのもノーラン監督らしいところ。

 

映像的にも、文句の付けようのない仕上がり。

リアルさを重視しつつ、大作らしいド迫力のVFXも惜しみなく使っている。

そんな中でも目を引くのが、ノーラン監督の独創性。

冒頭のハイジャック(というかなんというか)シーンもそうだけれど、

「こんなシーン見たことない!」というアイディアを出せるのが鬼才たる所以。

(前作では巨大トレーラーを空中一回転させてましたし)

CG全盛の時代だからこそ、そういった発想力・独自性が、より大切になっていくと思う。

そして、『インセプション』でも思ったけれど、ノーラン作品のカーチェイス・シーンはクオリティが高い。

カメラのアングルや切り替え、物の配置やタイミングが緻密で、疾走感と迫力がある。

唯一、気になったのは、「えっ?」という感じで場面が切り替わるシーンが序盤に2回ほどあったこと。

これは、個人の感覚的なものですが。

 

出演陣も、相変わらずの豪華さ。

クリスチャン・ベイルは、さすがの役者魂で苦悩するバットマンを熱演。

ゲイリー・オールドマンが演じるゴードン警部は、もはや主役級の扱いに。

マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンなど、お馴染みのメンツも上々。

敵のベインを演じたのは、『インセプション』のトム・ハーディ。

故ヒース・レジャー演じたジョーカーの後というのは、非常にハードル高かったと思うけれど。

最終章の敵に相応しい、堂々たる演技。

やはり『インセプション』組のマリオン・コティヤールもミランダ役で出演。

キャット・ウーマンにはアン・ハサウェイと、新加入のメンツもキャラにあっていて良い。

しっかりとした役者が揃ったからこそ、キャラクターの設定が活き、作品にリアリティが生まれている。

ちなみに、『ビギンズ』での敵のスケアクロウも、前作に続きちょっとだけ登場。

 

前作ではジェームズ・N・ハワードとの共作だった音楽は、ハンス・ジマー単独に。

それによるかは分からないけれど、より打楽器が強めの曲調に。

(ストーリーに合わせて、という面も大きいと思う)

若干アレンジの変わったテーマ曲が、非常にカッコ良い。

特に(引きこもりから脱却したバットマンが)初登場しバットポットで疾走するシーンは鳥肌モノ。

 

全体的に、期待を裏切らず、あらゆる面でクオリティの高い作品。

エンタメとして楽しめる反面、色々と考えさせられる部分もある。

その”余地”がある、ということが大切なんじゃないかと思う。

是非、映画館で観ることをオススメします。


Creation -Index-

2012-07-09 01:37:05 | CREATION

『Lost Angel』

Farewell

Memory

Farawy

Heavenly

Lost Angel

(2007-8)

 

『Tourist』 

Puzzle

Artist

World

(2010) 

 

 『With the end in the world』

At the end

After the end

Way home

Reunion

You are not ghost

Gratitude

(2009)

 

『disobedience』

Crowd

(2010)

 

『The seesaw game of Boy and Girl』

Wind

Kaleidoscope

Profusion

Lie

Butterfly

Night

Shimmer

Morning-glory

Past

(2011-12)

 

『Separation by a terminal』

Terminal

Separation

(2009)

 

『Memory of sadness』

Frozen

Reminiscence

(2006)

 

『The pain of moonlight』

Distress

(2007)

 

『Others』

Flames

Abyss

Vein

Letter

Heartbeat

Horizon

Meteor

Underworld