僕ハ誰ダ……?
冷たい月明かりを浴びて
震える指を見つめていた
胸にもたれる華奢な身体を
紅く濡れた腕で抱きしめた
押さえきれぬ本能の渇きが
心を蝕み 覆い尽くしていく
その白い首筋に吸い込まれるように
そっと牙を突き立てた
君ヲ愛シテイタノニ……
もう 戻れない
もう 取り戻せない
記憶の中の君の笑顔が
今も胸をしめつける
僕ハ君ヲ愛シテイタノニ……
月光の柩がくれる
思い出の夢にすがりながら
終わることのない闇を生き続ける
僕ハ誰ナンダ……?