ずっと 夢に見ていた
どこか遠くへ はるか遠くへ
飛んでいける日が くることを
なのに 僕は飛べない
真っ黒なこの翼じゃ ダメなのかな
空を見上げることしか できないのかな
曇りなく輝く 純白の翼
夢にまで見たモノが 今では恨めしくてしかたない
憧憬の眼差しが 憎悪の視線に成り下がったのは
僕がオトナになったからなのかな
生きるための夢を 失くしたわけじゃない
憧れが欲望にすり替わった瞬間に
見えなくなってしまっただけなんだ
僕の心も この翼も
求めすぎたがゆえに 総てを失い
たどり着きたるは 朝靄の墓標
白闇に抱かれ 十字架に願うは安らかなる永眠り
優しさに触れれば 思い出せる
その温もりに触れれば 戻ることができる
憎しみなんて知らなかった あの頃へ
そうだ
純白の翼が 欲しかったんじゃない
ただ 焦がれていたんだ
見たことのない世界
そこにある出会いに
僕は 自由が欲しかったんだ
どこか 遠くへ
ずっとずっと 遠くへ
飛んでいきたかったんだ
光り踊る水面を眼下に
雲の海を越え
この世界の果てを目指して
自由の翼を 広げよう
あの空へ 舞い上がろう
どこまでも 飛んでいこう
高校卒業制作『Lost Angel』より(一部改訂)