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きまぐれオムライス日記Ⅱ

ここは港の近くの古い小さなオムライスのお店です。

プリン大王

2009-01-28 17:56:02 | loblob文庫
プリン大王

はじめに・・・このお話は僕のお気に入りのあるブログのコメント欄の一文を題材にしてお話を作らせていただきました。

それでは、お話の始まり始まり~

むかーし昔、ある小さなお山のてっぺんに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おばあさんは、家の横で畑を作り、おじいさんは、家の裏でたくさんの鶏を飼っていました。

ある日、おばあさんは背中に大きなかごを背負って、畑に大根を取りに行きました。その時です、「おお、驚いたーうちの畑に雷が落ちているぞー」「いてててて~おーいてー」おばあさんの畑になんと背中に小さな太鼓をいっぱい背負った雷の子供がお尻を突き出して、うずくまっていました。「おや~雷の坊やーひょっとして雲から落っこちて、しりもちをついたのか~」「はい、いてててて~」「よしよし、うちに入ってきんしゃい、うちにはアロエで作った良く効く薬があるでのー」「あ、ありがとうございます」「どれどれ、お~よしよしこれでよしっと」「うわ~よく効くー、もういたくなくなった~ありがとうございます。」「そうじゃろー、ところで雷坊や、早く雲に帰らないと、おとうさんや、おかあさんが心配するでのー」・・・・ぐ~ぐぐぐ・・・・「ああ、そうかそうか、坊やおなかがぺこぺこなんじゃな。よし、すぐに何か食べ物を作ってやるから、それを食べたら帰るんじゃぞー」「あっ、いや~その~はい、あありがとうございます」「さーてと、さっき、ひいてきたばかりの大根を薄く切って、今朝早く、裏山から採ってきた、ぜんまい、わらび、なずな、はこべらもいれようかの~。洗った米を入れてふたをしてと、・・」「ちょっと、お爺さんや、今朝生まれた卵をふたーつと、そうそう、畑にある大葉を二枚ちぎってきておくれ・・」・・・・「そ~らおいしそうな雑炊が炊けてきたじゃろう、ここで溶いた卵をいれてのう・・最後に大葉を細ーく刻んだのを乗せると、いい香りがしていくらでもたべれるでな。」「いただきま~す!」「おおおいし~い」「こんなの初めてだ~」雷の坊やはたいそう喜んで、雑炊をぜーんぶ平らげておなかいっぱいになりました。「ごちそうさま、ありがとう!これで、力がついたぞー雲の上までひとっとびだー」お爺さんは、「お~ちょっと待ったー今朝はのう、うちの鶏たちがたくさんの卵を産んでくれたでのう、持って帰るといいでよ。」・・・雷の坊やはいっぱいの卵を割らないように大事に抱えて元気よく、雲の上まで、ジャンプして帰ってゆきました。


そのあとの、ある日、山のふもとにお嫁に行った娘さんが、子供たちを連れて山のてっぺんのおばあさんとおじいさんのうちに遊びにきました。久しぶりに見る孫達は、少し見ないうちに大きくなってほんとに元気です。お爺さんとおばあさんは、もう目を細めて喜んで、一緒に遊びました。すると一人の孫が言いました。「僕、あまーいおやつがほしい・・」「私もー」「私もー」一斉にみんなが言いました。「それは困ったのーこんな山の上の一軒家にあまーいお菓子なんぞあるわけないでのう・・」
その時です、急にあたりが暗くなったと思うと「ごろごろごろ」と雷が鳴ってきました。でも雨は降っていません。「おじいさーん、おばあさーん」外で呼ぶ声がするので出てみると、何とあの時の雷坊やが家の真上の小さな雲から顔を出していました。「あのねーこの前もらった卵を、プリン大王さんのところに持っていってねーおいしいプリンをいっぱい作ってもらったんだよー」「プリン大王さーん、こっちこっち、このおうちだよー」
雷坊やが呼ぶと別の雲がピロピロとおばあさんたちの家の上までやってきました。どうやらこの雲が、プリン大王さんの雲らしいのです。また雷坊やが言いました。「おばあさーん、この前の大きなかごを背負って出てきてよー。今からプリン大王さんがプリンを降らしてくれるから、そのかごで上手にうけるんだよー」「うわーい空からプリンが降ってきたー。」「プリンがふってきたよー」子供たちも出てきておおはしゃぎです。おばあさんは、大きなかごを背負って、あちこち走り回ってプリンをいっぱい受け取りました。子供たちはあまーいプリンのおやつをいっぱい食べました・・・・とさ。

このお話は「ココロにおやつ」の「ジャンボプリン警報」のコメント欄の一文を題材にしています。

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かーごめかごめ…by loblob文庫

2008-07-01 17:10:27 | loblob文庫
かーごめ、かごめ

「かーごめかごめ、かーごのなーかのとーりーは、いついつでやーる、よあけのばんにつーるとかーめがすーべったー、うしろのしょうめんだーれ」

ケンちゃんが一人で小学校の帰り道、ケンちゃんの背丈くらいある草むらの横を通ったときに、その中から聞こえてきました。
「あれぇー、なんか楽しそうな声が聞こえるぞ」・・・ケンちゃんはまだ小学校に入ったばかり。
ちょっと恥ずかしがりやで、なかなかお友達ができません。
みんなが遊んでいるとき、一緒に遊びたいのですがどうしても「一緒にあそぼ」っていえないのです。だからまだ一人で帰っています。

「・・・後ろのしょうめんだーれ」「ピー子ちゃん!」「ぶーはずれー」
・・・ケンちゃんはそーっと草むらの中に入ってゆきました。でも子供たちの姿はどこにも見えません。
「・・つーるとかーめが・・・」声は聞こえるのですが
・・「あっ、」ケンちゃんはびっくりしました。そして何度も目をこすって見ました。
やっぱり間違いありません。かーごめかごめをして遊んでいるのは、「すずめさん」たちです。
ちぃっちゃな羽をつないで輪になって、真ん中にちぃっちゃな羽で目隠しをした“おにさん”がしゃがんでいます。
ケンちゃんはしばらくそっと見ていましたが、みんながあんまり楽しそうなので、「あのーっ」って声をかけました。
でも小さな声だったので「すずめさん」たちには聞こえません。ケンちゃんは相手が「すずめさん」だったので少し勇気が出て今度は大きな声で言いました。
「一緒にあそぼー」・・
「すずめさん」たちは「うん、一緒にあそぼ、おいでおいで」といってくれました。
ケンちゃんはうれしくなって、「すずめさん」の輪の中に入ってゆきました。
ケンちゃんが「おにさん」です。「・・うしろのしょうめんだーれ」・・・
あれーっ、ぼくすずめさんたちの名前知らないのに・・
あっそうだ、さっき誰かがいってたな、ピー子ちゃんって・・いいや、「ピー子ちゃん!」・・
「せいかーい、ちゅんちゅん」「ピンポーン、ちゅんちゅん」「おおあたりー、ちゅんちゅん」・・すずめさんたちがいっせいにしゃべるともうにぎやかです。
「あーおもしろかった」
「ケンちゃん、一緒に遊んでくれてありがとう。なにかお礼をしたいのですが、何でも言ってください。」
「ほんとに、いいのかなあ…僕みんなと一緒にお空を飛びたい!」
「おやすいごようだ、ただし5分間だけならね。」「ケンちゃん、思いっきり走ってね、そして手をばたばたっとするんだよ」
「OK!わかった」
「ケンちゃん、走れー走れー」
ひゅーっ~~・・・
「うわーっ飛び上がったー。」
いつのまにかケンちゃんはすずめになっていました。
「すごーい、すごーい」
ケンちゃんはお空でおおはしゃぎです。あっという間に5分間が過ぎました。
もとの草むらです。
「あーおもしろかった。あしたも、すずめさんたちいるかなー。」

・・・次の日……
「かーごめかごめ、かーごなかのとーりーは、いついつでやーる、よあけのばんに、つーるとかーめがすーべった。うしろのしょうめんだーれ」
・・今日も声がしています。ケンちゃんは今日も草むらに入ってゆきました。
「あれーっ」今日は「すずめさん」たちじゃなくて「みつばちさん」たちでした。
ケンちゃんはちょっと怖かったけど、思い切ってまた大きな声でいいました。
「一緒にあそぼーっ」・・みつばちさんたちは、空中を飛びながら、かごめかごめをしています。
「おいでおいでー、いっしょにあそぼー」・・・
「うしろのしょうめんだーれ?」
「うーん、みつばちさんたちの名前も知らないけど・・やっぱり「みつばち」といえば、「マーヤ」かな。」
ケンちゃんは言いました。「マーヤ!」
「せいかーいぶんぶん」「ピンポーンぶんぶん」「大当たりーぶんぶん」・・「一緒にあそんでくれてありがとう。な
にかお礼をしたいのですが、・・」 
「えーっ、ほんとにいいのかなぁ……あのね、あまーい花の蜜を食べてみたい」
「おやすいごようだ、5分間だけならね!」「ケンちゃん、ちょと下をみてごらん!」…
「あっ、僕空中に浮いている!」ケンちゃんはいつのまにか、「みちばち」になっていました。
「急いでお花畑に行こう!」・・・
そして次の日・・・
「かーごめかごめ・・・・」
「あれえー」今日は「すずめ」さんたちでも「みつばち」さんたちでもありません。
人間の子供たちです。
「うーん、僕は人間なんだから、今日は何にも変身できないや」「でもいいや、かごめかごめはおもしろいもん」
今日もケンちゃんは大きな声で言いました。「一緒にあそぼー」「OK、いいよ、あそぼあそぼー」
ケンちゃんは子供たちと遊びました。
帰るときみんなは言いました。「またあそぼーね、今度は一緒にかえろうね」
……「あっそうか、」
ケンちゃんは気づきました。今日は何にも変身しなかったけど、いっぱいお友達ができたんだ。
ってね・・。