映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

素晴らしき哉、人生!

2009-07-08 17:02:57 | ★★★★★★★★★☆
監督 フランク・キャプラ
キャスト ジェームズ・スチュワート、ドナ・リード、ヘンリー・トラヴァース、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル、ボーラ・ボンディ
1946年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、ファンタジー

【あらすじ】
人生に絶望し、自殺しようとした男は、二級天使の力で自分のいない世界の悲惨さを体験し、生きる希望を取り戻す…。

【感想】
あまりに感動的ですが、後になって「もし自分が存在しなかったら」ということを考えると少し怖くなるというのが一番の感想です。

私は自己投影することで罪悪感を感じてしまったので、この映画に単に猛烈に感動した人とは大きな距離があると思っています。

テーマになっている「もし自分が存在しなかったら?」という問いかけ。
こんな自分でも世の中にとっていい意味で影響を与えていることはあるのかもしれないと考える一方、人に言えないような逆の面もあるのは間違いないと思う。(深く考えないようにしている)この映画では素晴らしい面しか描いていません。少しずるい。ひねくれ者にはこの逆の部分が気になってしまった。

非難されるのを承知で書けば、負け組みであったり大きな挫折を経験している人の方が感動できる映画なのでしょう。競争社会に生きている以上、勝ち組と呼ばれるような人程、多くの他人を蹴落としているわけですから。そこまで行かなくても割と順調に人生を渡ってきた人(例えば:有名大学→有名企業に就職→そこそこ出世コースect)には伝わりにくいかもしれません。言いにくいですが、私はどちらかと言えば後者に属するので。もちろんこれから先、どうなるかはわかりませんので仮に転落するようなことがあれば真っ先に本作を観ようとは思っています。

少々否定的なことを書いてしまいましたが、それでも歴史的名作として名高いだけのことはあると思います。特に物語の大半を占める主人公の気の毒な人生のおかげでラストの展開が非常に鮮やかです。ここまでラストシーンの印象が強いのは前半の部分による対比があったからこそです。構成的に非常に優れていると思います。現実の世界に戻った彼のはしゃぎ具合は大袈裟ですが、だからこそ人生についての製作者の意図がストレートに熱く伝わってきます。特に8000ドル集まるシーンはとても感動的。出来すぎだけど。

ラストを素晴らしいものにするための演出として必要不可欠だったとはいえ、そこに至るまでが重苦しいのと個人的にはチャプリンの映画と被る面があるので点数では差をつけています。ただし人生のバイブルだと宣言する方も多いので、モノクロだからと毛嫌いせず一度は鑑賞されることをお薦めいたします。この時代にこのような作品を送り出したアメリカという国の凄さを感じるところです。

知らないのはもったいない映画の一つ。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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グーニーズ

2009-05-07 06:13:38 | ★★★★★★★★★☆
監督 リチャード・ドナー
キャスト ショーン・アスティン、ジョシュ・ブローリン、コリー・フェルドマン、ケリー・グリーン、マーサ・プリンプトン、キー・ホイ・クァン、アン・ラムジー、ジョー・パントリアーノ、ロバート・ダヴィ
1985年 アメリカ
ジャンル:アドベンチャー、ファンタジー

【あらすじ】
冒険心あふれるおちこぼれ少年団=グーニーズが、想像を超えた大冒険へ出発。屋根裏部屋で見つけた古地図を手がかりに、グーニーズは海賊ウィリーの残した財宝を探し始める。立ちはだかる様々な罠と悪党たち、そして異形のモンスター。果たしてグーニーズは金貨を積んだ海賊船を発見することができるのだろうか!?

【感想】
心の中では文句なしの10点なのですが、20年以上経っていることを考慮して1点引かせていただきます。

一言で表現すればアドベンチャーの面白さが詰まった夢のある作品。冒険心を掻き立てられる。
子供の頃に何もない草の生えた空き地を探検すると何か大きな発見があるのではないかと思いながら遊んでいた。そんな宝探しの夢を実際に映像化した着眼点が素晴らしい。「E.T.」のような現実離れしたストーリーよりも自分達と距離が近い分、私は本作の方が好きです。

家族の経済上の都合で今住んでいる家を引き渡さなくてはならなくなってしまった中でどうしようもない悪ガキ達(グーニーズ)が親のためになんとかしようと屋根裏で見つけた地図に書いてある宝探しの決心をする動機が泣かせます。既にこの段階で引き込まれてしまいました。
そして海賊が作った危険な仕掛けや宝を狙う悪人達の妨害によって何度も道を阻まれ、命の危険を冒しながらも、全員で力を合わせてついに海賊の宝を発見した時には自分自身がそこに居合わせているような興奮を覚えました。ラストもハッピーエンドでよかったです。

個人的に魅力なのは頭の悪そうなグーニーズ(特にアジア系やデブのガキ)や途中に知り合った酷い顔のおっさんのように実社会では差別されていそうな人間でさえこの作品の中では大活躍する点。見ていて気分がいい。

ここまでは絶賛してきましたが、手放しで楽しめない側面もあります。実はこの作品、随分と久しぶりに見直したのですが、やはり今になってしまうと現実問題として間違っても宝物など発見できないことにほろ苦さを感じてしまった。一家は家を失うだろうし、登場人物達はこの映画のようには活躍できないだろう。いい歳になってしまうと逆に現実を突きつけられてしまうのでやはり子供の頃に見るべき映画です。

余談ですがシンディ・ローパーが歌う主題歌や同名のファミコンソフト(ドット絵のマイキー)も最高でした。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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モダン・タイムス

2009-04-18 00:32:52 | ★★★★★★★★★☆
監督 チャールズ・チャップリン
キャスト チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、ヘンリー・バーグマン、チェスター・コンクリン、アラン・ガルシア
1936年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、コメディ、サイレント

【あらすじ】
大工場で働くチャーリーは、部品のネジをしめ続ける毎日を送っているが…。

【感想】
本作は資本主義や機械化に対する風刺と紹介されることが多いです。ただ個人的にはそのような社会に振り回されながらも順応して強く生きていく人たちの話という印象の方が強いですね。

とにかく体全体を使ったその表現力は一見の価値あり。代表的なチャップリン映画は全て見ていますが、本作が一番そのように感じさせてくれます。言葉では説明できないので「黙って見てください」としかいいようがありません。

他作品と同様に監督、主演、音楽、脚本、製作まで全てチャップリン一人で担当しています。自由に映画を製作できる時代ではなかったからなのでしょうが、チャップリンの映画に対する意気込みにはいつも感心させられます。最近の惰性で製作している監督は見習うべきです。

それから本作ではヒロインと最初から意気投合しており、仲が良かったのが特徴的かと思います。普段はその貧しい容姿から好きになった女性の反応や行動にほろ苦い思いをさせられることが多いですが、本作には恋愛に対するほろ苦さはありません。その点に関しては見やすいといえるかもしれません。

また名シーンは沢山ありますが、個人的にはラストのチャップリンの肉声。とても味わい深いものがあると思います。他にも歯車に中に巻き込まれるシーンとか、自動で食事をさせてくれる機械などを見せられると後の映画に多大な影響を与えたことがよくわかります。

前述した資本主義や機械化に対する風刺については、この映画がきっかけにチャップリンに対する批判が高まり、アメリカを追放された事実が全てを物語っていると思います。1936年の作品ですが、我々が自由な発言や表現をできるようになってそれほど時間が経っていないということを痛感します。今でも自由な発言ができない国はいくらでもありますから。「独裁者」でも書きましたが、その勇気ある行動は賞賛に値します。

一人でも多くの方に鑑賞していただきたい映画の一つ。

*チャップリン作品については自分がきちんと解釈できているかに疑問があるため(満点をつけた作品は除き)基本的に点数をつけたくありません。そのため「独裁者」や「街の灯」等を基準とした相対的な好き度で判断させていただきます。

★★★★★★★★★☆

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サーカス(1928)

2009-04-12 00:19:18 | ★★★★★★★★★☆
監督 チャールズ・チャップリン
キャスト チャールズ・チャップリン、マーナ・ケネディ、ハリー・クロッカー、ヘンリー・バーグマン
1928年 アメリカ
ジャンル:コメディ、サイレント、ロマンス

【あらすじ】
スリに間違われたチャーリーが警官に追われて逃げ込んだサーカス団には、団長に責められてばかりの娘がいた。チャーリーに道化のセンスを感じた団長は、テストしてサーカスで雇おうとするが…。

【感想】 
点数はあってないようなものです。私はチャップリンの映画に対してはえらそうに点数をつける気はありません。そのためチャップリン作品の中における私個人の好き度です。

本作の特徴としてはコメディ色が強いことかと思います。(ただし短編映画を除く) なぜ「喜劇王」と呼ばれているのかを理解するのは一番うってつけです。

シナリオはいつもの如く放浪者役のチャップリンが、全くの偶然で売れないサーカスに入団、そのおかしなキャラで観客から人気を得てしまうというものです。
途中、虐待されている団長の娘を好きになってしまうのですが、放浪者が彼女に親切にしたにもかかわらず、娘は綱渡りの男に一目ぼれしてしまいます。
つまり娘を好きになっても親切にしてもみすぼらしい容姿が仇になって恋が成就することはないのですが、彼の親切は決して無駄にはならなかったのです。(私はそのように解釈していますが、人によっては残酷な現実を突きつけられたと捉える人もいると思います。正直、私も少し切なさを感じる。悩ましい。)

そのため解釈の仕方にもよりますが、どことなく「街の灯」で目が見えるようになった花売りが浪人を見た時のことと重なってしまうかもしれません。

動き自体は面白おかしくも、その現実には切なさを感じる。だからコメディの部分が引き立つのでしょう。「喜劇王」たる由縁なのだと思います。

★★★★★★★★★☆

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何がジェーンに起こったか?

2009-03-11 00:00:52 | ★★★★★★★★★☆
監督 ロバート・アルドリッチ
キャスト ヴィクター・ブオノ、ベティ・デイビス、ジョーン・クロフォード、アンナ・リー
1962年 アメリカ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
子役スター"ベビー・ジェーン"として一時代を画したジェーン、遅咲きながら実力派女優として名を馳せた姉ブランチ。だが、その人気絶頂期にブランチが車の事故で下半身不随になって以来、姉妹は人目を避けるかのようにふたりきりで暮らしていた。その孤独な日々の中、ジェーンは過去の栄光を追い、次第に奇行が目立ち始める。歩けないブランチを精神的に追い詰めた彼女は、ついに暴力をふるって姉を部屋の中に監禁するのだった…。

【感想】
「人間の自尊心の裏側に潜む醜さ」と「女性が歳を取ることによって失われる輝き」私はこの2点を挙げたいです。

本作はかなり刺激が強いです。映画慣れしていないとトラウマになってもおかしくない。そのためお薦めはしますが、映画に爽快感を求める人は避けた方がいいかもしれません。私もラストシーンにどん引きしました。

かつては人気子役だった妹(ジェーン)が大人になると姉(ブランチ)が美しく成長したことで立場が完全に逆転されます。姉の人気絶頂期の中、ある事件をきっかけに姉は半身不随となってしまいます。そして月日が流れ、老いて誰からも注目してもらえなくなった頃、ジェーンの動けない姉に対する恐怖の復讐が開始されます。

この映画は妹の姉に対する嫉妬と紹介されることが多いですが、私には子役時代の過去の栄光を捨てることができないジェーンが歳月と共に周囲からすっかり忘れ去られ、かまってもらえなかったことに対する虚しさ、妬み、無念等から目の前の厳しい現実を受け入れることができず、自分の世界に篭ってしまった結果なのだと解釈しています。

ブランチ対する憎しみよりも、ジェーンの中にあった目立ちたがり屋の自己中心的な性格が引き起こした事件なのだと思う。途中、過去の自分を自慢しようとする箇所が随所に見受けられます。
また子役時代にファンの前で注意を引こうと両親にアイスをねだるシーンがあるのですが、姉の影が薄かったこの頃から既にプライドが高く、同時に人気凋落が始まっていたのが推測できます。後のブランチの人気や半身不随の事故がジェーンの精神状態を不安定にさせ、老いによる虚しさの中、施設に預ける話が出たことで一線を超えてしまうことになったのです。

そしてラストにてブランチが半身不随となった事故の真相が明かされます。ここでようやくジェーンのブランチに対する憎しみが消え去るのです。時既に遅しで救いようのない虚しさに襲われます。事件が世間に知れ渡るというあまりに皮肉な形で、かねてからジェーンが熱望していた世間から注目を浴びることになります。

演技面ではベティ・デイビスが放つ内面及び外面における「醜さ」が素晴らしいです。そんなことを褒められても全く嬉しくないでしょうが、ここまで負の部分をさらけ出した女優の演技にお目にかかれることは滅多にないです。

モノクロだからと敬遠するのはもったいない。サイコサスペンスの傑作。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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ロボコップ

2009-01-28 00:00:19 | ★★★★★★★★★☆
監督 ポール・ヴァーホーヴェン
キャスト ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ダン・オハーリヒー、ロニー・コックス、カートウッド・スミス、ミゲル・ファラー
1986年 アメリカ
ジャンル:アクション、SF

【あらすじ】
犯罪と野望のうごめく近未来のデトロイト。警備ロボットの実験に失敗したオムニ社は次に人間の頭脳を利用したサイボーグ警官を提案。そして殉職した新任警官のマーフィーを、人間の頭脳とチタン合金のボディを持つ「ロボコップ」として甦らせた。圧倒的なパワーで活躍を見せるロボコップだったが、次第に消されたはずのマーフィーの記憶が甦り……。

【感想】
この作品が映画史に残した功績として、これだけカルトかつマニアックな内容であるにもかかわらず、世間から広く認知され、大ヒットしたことがあげられると思います。誰もが知っている映画のキャラの一つです。

今では慣れてしまいましたが、当時、最初に驚いたのはそのシナリオの残忍性。主人公が手首を吹っ飛ばされて、体に何発も打ち込まれたあげく、命乞いする所を頭に一発で絶命。当時としてはトラウマになりました。
それに普通のアクション映画の場合、主人公に向けられた弾丸は全て外れるようにできていますが、この映画は違う。ほとんどが直撃しています。そりゃインパクトありますよ。

しかも、これにロボコップのあの独特の風貌、歩いたときの変な音、ぎこちない動き方が加われば、マニアだけではなく広く話題になるのも当然かなと思います。(ただしよく見かけるお笑い芸人のロボコップのもの真似は絶対にそんなことはしていないと思う。)

途中で流れるくだらないニュースもいい味を出していたと思う。ヒロインがナンシー・アレンというのも見事なキャスティングでした。

くれぐれもヒーロー映画を期待してはいけません。本来はSFカルト映画です。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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セルピコ

2008-12-10 00:06:30 | ★★★★★★★★★☆
監督 シドニー・ルメット
キャスト アル・パチーノ、ジョン・ランドルフ、ジャック・キーホー、コーネリア・シャープ、トニー・ロバーツ、F・マーレイ・エイブラハム、M・エメット・ウォルシュ、ラリー・ボンド、トニー・ロー・ビアンコ
1973年 アメリカ、イタリア

【あらすじ】
恐るべき汚職と腐敗にまみれたN.Y.の警察組織に熱い正義と使命感に燃える男・セルピコが立ち向かう。

【感想】
随分と久しぶりに見ましたが、初見時よりもはるかに印象が良かったです。素晴らしい出来でした。昔はアル・パチーノの出演作品の中ではそれほど好きな作品というわけではなかったのですが、考えを改めざる得ないです。

映画を見るようになってから、当然の如く誰もが通る道であるアル・パチーノにハマってしまい初期作品だと「スカーフェイス」、「狼たちの午後」「スケアクロウ」等に混じって立て続けに見てしまっていたのが悪かったのかもしれません。若干、個性の面で引けを取る本作は印象が霞んだようです。名作多すぎるのも困ったもので、贅沢な要望を言えば、間を空けて欲しかったですね。

本作の場合は実話であるという説得力が強烈です。逆にこの事実を知らないで見てしまうと損をすることになるでしょう。

その汚職について簡単に説明させていただくと、ギャンブルなどの違法行為を行う一般人に対して、集金屋と呼ばれる警官が賄賂を受け取ることでその違法行為を見逃してやるのですが、この汚職は常態化しており、幹部ですら事実を知りながら黙認しており、見て見ぬふりをしています。この話からすると幹部ですら以前は手を染めていたのかもしれません。アメリカという国でこのような行為が普通に行われていたという事実に対して、驚きを感じざるを得ないです。

そしてこの腐敗した世界に、正義感の強いセルピコという一人の刑事が立ち向かいます。彼は同僚から激しい妨害を受けながらも、最後まで自分の信念を貫きます。
にもかかわらず、セルピコを待ち構えていた結末は心が折れるのではないかと思う位悲惨なものでした。最後にベットの上で涙を流すセルピコには心打たれました。(なんでこれでアカデミー賞取れなかったのか理解に苦しむ)

この結末をあえて冒頭に持ってきたシドニー・ルメットの演出も冴えていたと思います。重いですが、とてつもなく理不尽なことに対して一人で戦った男の雄姿とその末路をぜひ見ていただきたいです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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ブレードランナー 

2008-11-23 00:04:07 | ★★★★★★★★★☆
監督 リドリー・スコット
キャスト ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ、ブライオン・ジェームズ、ジョアンナ・キャシディ、M・エメット・ウォルシュ
1982年 アメリカ
ジャンル:SF、アクション、サスペンス

【あらすじ】
2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルス。強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、外見からは人間と見分けが付かないアンドロイド=「レプリカント」が5体、人間を殺して逃亡。「解体」処分が決定したこの5体の処刑のため、警察組織に所属するレプリカント専門の賞金稼ぎ=「ブレードランナー」であるデッカード(ハリソン・フォード)が、単独追跡を開始するが・・・

【感想】
SFカルト映画の代表作。今でも熱狂的なファンが多数存在します。テレビ番組で小堺一機氏が100回は見ていると言っていました。私もビデオ、LD、DVD、BDと持っているので人のことは言えないのですが・・・。

何といっても日本の歌舞伎町や香港、上海が合わさったような近未来の不夜城が最大の魅力。これだけインパクトのある独特な世界観を持った映画はそうは見当たらないでしょうね。それだけで貴重だと思います。監督のリドリー・スコットは実際に歌舞伎町を見て感銘を受けたそうで、それが本作に大きく反映されているようです。

シナリオには色々な解釈があって何度も論争が起こっています。有名なのはデッカード=レプリカント説です。そのレプリカントについても6人(男3人、女3人)が地球にやってきたのですが、1人は既に死亡で、敵は残り4人と言っていたので「もう一人は誰なんだ?他にもいるのでは?」となったそうです。実は撮影の都合で6人目がカットされたが、残りの人数に関するコメントを修正できなかっただけの話らしいです。製作側のミスですらミステリアスな雰囲気を作り出すことに繋がってしまっているのは面白いです。デッカードの正体に関する論争については諸説あるのですが、監督がインタビューの中で「デッカードはレプリカントだ」と言ったそうです。ただし原作者の意向に沿ったものであるのかまでは不明です。

以上ですが、あまり書かないのでとにかく見てくれとしかいいようがありません。そして本作の楽しみ方としては圧倒的なこの世界観にどっぷりと浸るのが一番だと思います。シナリオはリピートした時にじっくり考えてみればよいでしょう。

SFやカルト映画好きは必見。逆に本作を知らないのはまずいとプレッシャーをかけさせていただきます。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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オズの魔法使

2008-10-06 09:24:35 | ★★★★★★★★★☆
監督 ヴィクター・フレミング
キャスト ジュディ・ガーランド、レイ・ボルジャー、フランク・モーガン、ビリー・バーク、マーガレット・ハミルトン
1939年 アメリカ
ジャンル:ミュージカル、ファンタジー、アドベンチャー

【あらすじ】
愛犬トトを抱きしめたまま竜巻に巻き上げられたドロシーは、魔法の国へと迷い込んでしまう…。"脳みそのない案山子"、"ハートのないブリキのきこり"そして"勇気のないライオン"たちと繰り広げる、願いをかなえる不思議な冒険の旅。

【感想】
例えば好きな音楽があるとすると、その曲に対して「なぜ好きなのか?」だとか「どこが素晴らしいのか?」いちいちそんなことを考えたりはしないと思います。この作品もそれに近いものがありますね。理屈抜きで素晴らしいと思える映画です。

最初の現実の世界でのセピア調の画面が「オズの国」に移り変わった途端に、鮮やかな色彩のカラーに様変わりする演出は例える言葉が出てこない程、素晴らしかったです。釘付け状態でした。

色彩が目に飛び込んできます。そして有名な音楽の数々(特に「オーバー・ザ・レインボー」)、よく見ると不気味なのだが、とても愛嬌があるドロシーの仲間たち。作品中に活力がみなぎっています。今でもアメリカだけでなく世界の子供たちに夢や希望を与え続けているのは当然だと思います。

さらに驚くべきは製作されたのが、1939年であることです。日本が本格的な戦争モードに突入し、とても娯楽を楽しむことが許されるような雰囲気ではない中、真珠湾攻撃よりも前にこのようなエンターテイメント作品を世に送り出しているのですから。アメリカの国家としての底力を感じさせてます。しかも監督のヴィクター・フレミングは同じ年に「風と共に去りぬ」を撮っているというのですから、「勝てるはずがない」などと思ってしまいます。

死ぬまでに一度は見ておきたい映画の一つ。時代背景がわかっていれば一層楽しめるはずです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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シャイニング(1980)

2008-09-09 19:38:06 | ★★★★★★★★★☆
監督 スタンリー・キューブリック
キャスト ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クロザース、フィリップ・ストーン
1980年 アメリカ、イギリス
ジャンル:ホラー、サスペンス

【あらすじ】
雪に閉ざされたロッキー山上の大ホテルに、管理人としてやって来た小説家とその家族。しかしそのホテルには、前任者が家族を殺し、自殺するという呪われた過去があった…。

【感想】
このジャック・ニコルソンはダメでしょう。
本当なら普通の人が冬場の人がいないホテルの孤独感から精神が崩壊していくという設定なのに、ジャック・ニコルソンが最初にスクリーンに登場した段階から既に危険極まりない雰囲気を漂わせています。その点で演技や演出としてはどうなのかと思います。

それでも高得点なのはホラーとしては最高レベルだと思うからです。世の中で一番怖いのは人間と言われていますが、これ以上、狂っている人はいないでしょうね。役に成りきっているというか、本当に何かに取り憑かれていたのではないかと思うほどです。

それから完璧主義者であるスタンリー・キューブリックのこだわりも相変わらず相当なもので、照明の色や部屋の壁紙から床の模様に至るまで、一切手を抜いていません。特にエレベーターで大量の血が押し寄せてくるシーンや真っ赤な部屋のトイレはこの人にしかできないセンスだと思います。また人の心理状況を見事に表現した音楽でも驚かされました。初めて見た時は夜中に部屋を真っ暗にしてヘッドホンをして大音響で鑑賞していましたが、思わず音量を下げてしまったのを未だに覚えています。

よって全体の雰囲気としてはキューブリックの世界観が強烈なのですが、逆にあのスティーヴン・キング原作であるという事実が全く伝わってこないことに驚かされます。あの癖の強いスティーヴン・キングの個性を殺してしまう程キューブリックのやりたい放題だったということでしょう。スティーヴン・キングが本作を「原作を捻じ曲げられた」と批判している事実もよくわかる気がします。

映画史の残る映画であると同時に見逃してはいけない一つです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆


シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン

ワーナー・ホーム・ビデオ

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太陽がいっぱい

2008-07-27 11:02:27 | ★★★★★★★★★☆
監督 ルネ・クレマン
キャスト アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ、ロミー・シュナイダー、ポール・ミュラー
1960年 イタリア、フランス
ジャンル:ドラマ、サスペンス

【あらすじ】
貧乏なアメリカ青年トムは、金持ちの息子フィリップを連れ戻すため、ナポリにやってきた。フィリップにねたみを覚えたトムは、殺して裕福な生活を手に入れようとする。そして計画どおり殺害し、自殺に見せかけるが…。

【感想】
ニーノ・ロータの美しくせつない音楽にギラギラ照りつける真夏の太陽、眩しく光輝く一面の青い海。その中で一人の陰を持った青年が危険な野望を抱くようになります。

映像のパワーに圧倒され、主人公(アラン・ドロン)の野心と少しずつ計画が狂ってくる中での綱渡りな行動に最後までハラハラさせられっぱなしでした。ラストで勝ち誇った彼が言った「太陽がいっぱいだ」という有名すぎる台詞はいつ聞いても名訳だと思います。

この映画の場合、特に日本での評価が突出して高いそうです。確かにシナリオは特別優れているとは思えないのですが、それでも多くの人から今でも絶大な支持を受けるのは西洋的な魅力に弱い日本人だからこそ、アラン・ドロンの風貌を見て大きな衝撃を受けたことが大きいのでしょう。それに日本の海ってどちらかと言えば、緑色のバスクリンを入れたような色をしているので、地中海の青さはそれだけでも魅力的で羨ましく思えてきます。

当然、この映画はリアルタイムでは知らないので、当時の時代背景を知っていればさらに印象が良かったと思います。ただ逆にリアルタイムで知っている「リプリー」の方は全く面白いと感じませんでした。ここまで印象に差が出たのはどうしてのかなと考えてしまいます。実に奥が深いです。

トリビアになりますが、海での撮影中、アラン・ドロンは船に酔ってしまい動けない程ひどい状態だったそうです。映画だけを見ると全くわからないのはさすがプロだと思います。

映画史に残る名作という評価に偽りはないです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆


太陽がいっぱい

パイオニアLDC

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ロッキー・ザ・ファイナル

2008-07-02 10:37:52 | ★★★★★★★★★☆
監督 シルベスター・スタローン
キャスト シルベスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、ジェラルディン・ヒューズ、ミーロ・ヴェンティミグリア、トニー・バートン
2006年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、スポーツ、シリーズ

【あらすじ】
30年前に世界ヘビー級王者アポロ・クリードと互角以上の大熱戦を繰り広げて以来、ボクシング界の栄光の階段をのぼりつめたロッキー・バルボア。しかしリングを去った彼は、愛する妻エイドリアンに先立たれ、地元フィラデルフィアで経営するイタリアン・レストランで、客の求めに応じて現役時代の昔話を語って聞かせる日々を送っていた。息子のロバートは有面人である父に引け目を感じて家を飛び出し、彼と顔を合わせようとはしない。エイドリアンの命日に墓参りをしたロッキーは、自らの孤独を痛感せずにいられなかった。 ロッキーは心の喪失感をぬぐうため、再びボクシングを始めることを決意する。彼は今もなお胸の奥底に情熱が燻っていることを感じ、プロ・ボクサーに復帰したものの、大きな野望を抱いているわけではなかった。しかし、ある番組がきっかけで、現役ヘビー級チャンピオン、ディクソンとのエキシビジョン・マッチが企画され、ロッキーは最後の夢に向かって猛トレーニングを始めた。そして、遂に大観衆が詰め掛けたラスベガスのリングに上がっていく…。

【感想】
なんだ、この素晴らしい出来は・・・。もはやサプライズを通り越して奇跡だ。

あまりの出来の良さについに自分の映画を見る感覚が麻痺してしまったのではないかと思ってIMDbを見てしまいましたが、やはり外人も大絶賛しています。ようやく理解しました。これは名作なのだと。

本作が制作されると聞いた時には「もういい加減にしてくれ」と思いましたし、「面白いはずがない」と決め付けていたので受け入れるまで時間がかかってしまいました。ここで書くことではないかもしれませんが、スタローンについては「ランボー 最後の戦場」の出来も良かったので、ここにきてのこの頑張りには感心させられます。それにしても本当にロッキーは彼の人生そのものですね。成功から凋落、復活まで全てがロッキーと共に歩んだ感じで重なってしまいます。

とにかく本作については他の続編で見られた、取ってつけたような無駄なエピソードや余計な飾り(プロレスしたりCMに出たり、路上・・・)がなく、素直に原点に立ち返ったため、メッセージがストレートに伝わってきます。

ロッキーはエイドリアンとの過去を大事にしながらも、新しい道を歩みだそうとするために現役復帰を決意します。一度やると決めたら、周辺どころか息子にまで反対されても、ひたむきに進み続けます。そしてやがて彼のその姿に皆が惹かれていきます。私はこの作品から再び勇気を貰いました。「年寄りが若い人間にかなうはずがない」別に嘘でもかまわないです。要は気持ちの問題です。「体は年老いても、魂は年を取らない」そうあり続けたいと思います。

個人的にはロッキーシリーズを一度も映画館で見ることができなかったのは後悔しています。でも締めくくりが(路上ファイトでなくて)これでよかった。感謝したいです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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スター・ウォーズ エピソードⅣ

2008-06-19 16:34:44 | ★★★★★★★★★☆
監督 ジョージ・ルーカス
キャスト マーク・ハミル、ハリソン・フォード、アレック・ギネス、ピーター・カッシング、キャリー・フィッシャー
1977年 アメリカ
ジャンル:SF、アクション、ファンタジー、シリーズ

【あらすじ】
ジェダイの騎士が滅亡して久しい時代、銀河系は帝国による圧政下にあった。そんな中、小さな反乱軍が、帝国が誇る最終兵器=要塞デス・スターの極秘設計図を盗み出し、必死に抵抗する。銀河皇帝が最も信頼をおくダース・ベイダー卿は、秘密の設計図を奪還し、反乱軍の本拠地を探し出すよう命ぜられる。時同じくして、帝国に囚われの身となった反乱軍のリーダー、レイア姫は救援信号を発信するが、それを受信したのは一介の農場手伝いの青年、ルーク・スカイウォーカーであった。自らの運命に導かれるかのごとくルークは、賢者オビ=ワン・ケノービ、ならず者のハン・ソロと相棒のチューバッカ、ドロイドのR2-D2やC-3PO等忘れ得ぬ仲間たちとともに、レイア姫の救出と反乱軍による帝国の壊滅に身を投じていく。

【感想】
この映画を最初に見たときの評価としては文句なしの10点なのですが、CGが進歩した現在の状況を考えて泣く泣く1点マイナスさせていただきます。

以下の感想については初めて見たときの印象を元に、今見たらどうであるかということは一切無視して書いていますのであしからず。

この映画を簡単に表現すれば、とにかく別の時代に生きている人が、未来からやってきて作ったような映画でしたね。最初に巨大な宇宙船が飛んでいるのを見せられた時に度肝と抜かれました。しかもその直後にレーザー銃が激しく飛び交う戦闘シーン・・・。立て続けに凄いものを見せられた気分で、この段階で完全に引き込まれてしまいました。直ぐに名作を確信しましたね。ライトセーバーの美しさも最高。

役者については目がギラギラした野心溢れるハリソン・フォードが素晴らしい。無名な街の大工さんが、瞬く間にスターダムに上り詰めたのですから、それだけで見ていて楽しいです。他にもダースベイダー、ルーク、オビ=ワン、レイア、3PO、R2全ての登場人物が魅力的でした。(チューバッカを忘れてしまうところでした)
ここではそれ以上の詳しい内容については書きません。

映画史に残る不朽の名作SF映画をもし未見な方がいるのであれば、ぜひ一度は体験しておきましょう。

お薦め度:★★★★★★★★★☆


スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション

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ジャッカルの日

2008-05-13 00:53:43 | ★★★★★★★★★☆
監督 フレッド・ジンネマン
キャスト エドワード・フォックス、ミシェル・ロンズデール、ミシェル・オークレール、デレク・ジャコビ、デルフィーヌ・セイリグ
1973年 イギリス、フランス
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】
1960年代のフランス。ド・ゴール政権に不満を持つ秘密軍事組織OASは、大統領暗殺を目論むが、ことごとく失敗に終わってしまう。そこでOASは最後の手段として、凄腕の殺し屋ジャッカル(エドワード・フォックス)にド・ゴール暗殺を依頼する。この計画をいち早く察知したフランス警察のルベル警部(ミシェル・ロンスデール)はジャッカル暗殺計画に立ち向かうが、ジャッカルの照準は着実にド・ゴールを追いつめていく・・・。

【感想】
これは名作の一言。(とは言ってもとても有名な映画ですけどね)

派手なアクションも音楽もないのに引き込まれてしまいます。ストーリーも他の殺し屋系の映画にありがちな最後に急展開するパターンではなく、少しづつだが着々と目的である大統領暗殺に向かって進行していくところが、素晴らしいと思います。しかもフランス側の刑事であるルベルがとても優秀であるため、2人の駆け引きがこれまた絶妙で息詰まる展開に最後まで中だるみしません。(そういえば、大半の大統領暗殺映画は最後だけ見ておけばそれで十分な気がします。)

ラストはあっさりしていますが、だから逆に味があるのだと思います。本来、現実の世界だったらこんなものでしょう。激しい抵抗で銃撃戦が繰り広げられるような終わり方よりも絶対にこっちの方が合っていると思います。

登場人物に感情移入できる映画です。今見ても全く古さはないです。

ハリウッドでは作れないクオリティであることは、リメイクの出来が証明していると思います。

お薦め度:★★★★★★★★★☆


ジャッカルの日

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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リトル・ミス・サンシャイン

2008-03-03 07:12:07 | ★★★★★★★★★☆
監督 ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
キャスト グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、アラン・アーキン、ポール・ダノ
2006年 アメリカ
ジャンル:コメディ

【あらすじ】
田舎町アリゾナに住む9歳のオリーブ。なんともブサイクでおデブちゃんな彼女が、全米美少女コンテストでひょんなことから地区代表に選ばれた。オリーブ一家は黄色のオンボロ車に乗り、決戦の地カリフォルニアを目指すことに。人生の勝ち組になることだけに没頭する父親、ニーチェに倣って信念で沈黙を貫く兄、ゲイで自殺未遂の叔父、ヘロイン吸引が原因で老人ホームを追い出された不良ジジイ、そしてバラバラ家族をまとめようと奮闘する母親。そんな落ちこぼれ家族の、奇妙でハートフルな旅が始まった……!

【感想】
ここ数年の映画の中で一番気に入っています。これは映画館で見たかった。

初めに断っておきますが、この作品は下品だし、決して完成度が高いとかいう類ではありません。批評家的な視点で見ればボロクソかもしれません。でも私が映画を見るのは批評がしたいからではなく、映画が好きだからです。その点でとても満足しています。

フーヴァー一家はダメ人間の集まりでいつ家庭が崩壊してもおかしくないような状況です。そんな家族が、娘のオリーヴのミスコン出場のために家族全員でバスで出発するのですが、その道中で負け組み一家をさらにどん底に突き落とすようなアクシデントに見舞われます。この家族は一体どうなってしまうのか?もうヒヤヒヤです。

そしてなんとかたどり着いた、ミスコンの会場で、ライバルは人形のように着飾り立派なダンスを披露する中で、お腹ぼっこりのオリーヴの出番直前になった時は緊張しました。そして本番はもうやってくれましたねという感じです。おじいさんの置き土産が炸裂しました。見ているこっちの方が恥ずかしくなりましたが、家族が団結して気分がよかったです。家族の気持ちが伝わってきました。

映画はここで終わりますが、間違いなくこの家族が本当に大変なのはこれからです。破産し、将来の夢は断たれ、家族を失いました。でもミスコンへ参加したことがきっかけで僅かですが希望の光が見えたのではないでしょうか。この終わり方でよかったです。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のような夢も希望もない話とは大違いです。おじいさんの言葉「負け組みとは負けることを恐れて何もチャレンジしないこと」というのは名言ですね。(ヘロインに手を出す人が言うことでもないですが・・・。それはご愛嬌ということで許しましょう)

お薦め度:★★★★★★★★★☆

リトル・ミス・サンシャイン

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