goo blog サービス終了のお知らせ 

LiveInPeace☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

7/27衆院厚労委員会で児玉龍彦氏が政府・国会の無策を弾劾

2011-08-03 | 原発

 2011年7月27日、衆議院厚生労働委員会での、東京大学アイソトープ総合センター長児玉龍彦参考人の証言です。政府・国会の無策を怒りを込めて弾劾しています。広大な地域が汚染され7万人が家から放り出され、子どもたちが放射能曝され続ける福島原発事故という事態に対して日本政府は何をしているのか。

 以下に抜粋をしておきますが、是非動画を観て下さい。

 http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M


(広大な地域の放射能汚染)

  ・・・我々最初に午前9時ごろ東海村で5μシーベルトという線量を経験しまして、それを第10条通報という文科省に直ちに通報いたしました。その後東京で0,5μシーベルトを超える線量が検出されました。これは一過性に下がりまして、次に3月22日に東京で雨が降り、0.2μシーベルト等の線量が降下し、これが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています。
 
  それでこの時に枝野官房長官が、「さしあたり健康にあまり問題はない」という事をおっしゃいましたが、私はその時に実際はこれは大変な事になると思いました。何故かというと、現行の放射線の障害防止法というのは、高い線量の放射性物質が少しあるものを処理することを前提にしています。 この時は総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロメートル圏で5μシーベルト、200キロメートル圏で0.5μシーベルト、さらにそれを超えて足柄から静岡のお茶まで及んでいる事は今日みなさん全てがご存じのとおりであります。
 
  (放射能放出量:広島原爆の29.6個分(熱量)、20個分(ウラン換算))
 
  我々が放射線障害をみる時には、総量をみます。それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるか、はっきりした報告は全くされておりません。
  そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますと、まず、熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。ウラン換算では20個分のものが漏出していると換算されます。さらに恐るべきことにはこれまでの治験で、原爆による放射線の残存量と原発から放出されたものの放射線の残存量は、一年に至って原爆が1000分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかならない。つまり、今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様、原爆数10個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が、まず考える前提になります。
  
    
 (放射能汚染の測定を全くしない政府の怠慢)

  そうしたものが出てまいりますと、どういうようなことが起こるかが今回の稲藁の問題です。
  たとえば、岩手の藤沢町では稲藁57000ベクレル/kg、宮城県の大崎市17000ベクレル/kg、南相馬市10万6千ベクレル/kg、白河市97000ベクレル/kg、岩手64000ベクレル/kgということで、この数字というのは決して同心円上にはいかない。どこでどういうふうに落ちているかは、その時の天候、それから、その物質がたとえば水を吸い上げたかどうか。それで、今回の場合も私は南相馬に毎週末700キロ行って、東大のアイソトープセンター、現在まで7回の除染をやっておりますが、南相馬に最初に行った時には1台のNLIカウンターしかありません。農林省が通達を出したという3月19日には、食料も水もガソリンも尽きようとして、南相馬市長が痛切な訴えをウェブに流したのは広く知られているところであります。

  そのような事態の中で通達1枚出しても誰も見る事が出来ないし誰も知ることができません。 稲藁がそのような危険な状態にあるという事は全く農家は認識されていない。農家は飼料を外国から買って、何10万と負担を負って、さらに、牛にやる水は実際に自分たちと同じ地下水を与えるようにその日から変えています。そうすると、我々が見るのは、何をやらなければいけないかというと、まず、汚染地で徹底した測定が出来るようにするという事を保証しなくてはいけません。 我々が5月下旬に行った時先ほど申し上げたように1台しか南相馬に無かったというけど、実際には米軍から20台の個人線量計がきていました。しかし、その英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、我々が行って教えてあげて実際に使いだして初めて20個の測定が出来るようになっている。これが現地の状況です。
  そして先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウム・カウンターというものではなしに、 今日ではもっと、イメージング・ベースの測定器というのが遥かに沢山、半導体で開発されています。何故政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか。3か月経ってそのような事が全く行われていない事に、私は満身の怒りを表明します。

  (放射能の胎児、幼い子どもへの危険)
 
  ご存じのとおりDNAというのは二重らせんですから、二重らせんの時には非常に安定的です。これが細胞分裂をする時には二重らせんが一本になって、2倍になり4本になります。この過程のところがものすごく危険です。そのために、妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖が盛んな細胞に対しては、放射線障害は非常な危険をもちます。さらに大人においても増殖が盛んな細胞、たとえば放射性物質を与えると、髪の毛、それから貧血、それから腸管上皮の、これらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞でして、そういうところが放射線障害のイロハになります。それで私どもが内部に与えた場合に具体的に起こるので知っている事例を上げます。

(ガン多発がわかってからでは遅い)

 次にヨウ素131。これはヨウ素はご存じのとおり甲状腺に集まりますが、甲状腺への集積は成長期の甲状腺形成期が最も特徴的であり、小児におこります。しかしながら1991年に最初ウクライナの学者が「甲状腺がんが多発している」というときに、日本やアメリカの研究者はネイチャーに「これは因果関係が分からない」ということを投稿しております。なんでそう言ったかというと、1986年以前のデータがないから、統計学的に優位だという事を言えないということです。しかし、統計学的に優位だという事がわかったのは、先程も長瀧先生からお話しがありましたが20年後です。20年後に何がわかったかというと、86年から起こったピークが消えたために、これは過去のデータが無くても因果関係があるという事がエビデンスになったですから、疫学的証明というのは非常に難しくて、全部の事例が終わるまで大体証明できないです。

  (補償問題と子どもの問題は分けるべき)
 
  我々アイソトープ総合センターでは、現在まで毎週700km、大体一回4人づつの所員を派遣しまして南相馬市の除染に協力しております。南相馬でも起こっていることはまったくそうでして、20km30kmという分け方が全然意味がなくて、その幼稚園ごとに細かく測っていかないと全然ダメです。それで現在20kmから30km圏にバスをたてて1700人の子どもが行っていますが、実際には避難その、南相馬で中心地区は海側で、学校の7割で比較的線量が低いです。
 ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて子どもが強制的に移動させられています。このような事態は一刻も早くやめさせてください。
 いま、その一番の障害になっているのは、強制避難でないと保証しない、参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが、これは分けて下さい。
 補償問題とこの線引きの問題と子どもの問題は直ちに分けて下さい。
 子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

(緊急的除染だけでなく恒久的除染を)

  それからもう一つは、現地でやっていますと除染というものの緊急避難的除染と恒久的除染をっきり分けて考えていただきたい。緊急避難的除染を我々もかなりやっております。たとえばここの図表に出ておりますこの滑り台の下、滑り台の下は小さい子が手をつくところですが、この滑り台に雨水がザーッと流れてきますと毎回濃縮します。右側と左側とズレがあって、片側に集まっていますと、平均線量1μのところだと10μ以上の線量が出てきます。それで、こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはいけません。それからさまざまな苔が生えているような雨どいの下。これも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが、そういうところは、たとえば高圧洗浄機を持って行って苔を払うと、2μシーベルトが0,5μシーベルトまでになります。
  だけれども、0.5μシーベルト以下にするのは非常に難しいです。それは、建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、空間線量として1か所だけ洗っても全体をやる事は非常に難しいです。ですから、除染を本当にやるという時に、いったいどれだけの問題がありどれ位のコストがかかるかという事を、イタイイタイ病の一例で挙げますと、カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなんですが、そのうち1500ヘクタールまで現在除染の国費が8000億円投入されております。もし、この1000倍という事になれば、いったいどのくらいの国費の投入が必要になるのか。
 
  (7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか)
 
  ですから私は4つの事を緊急に提案したいと思います。
 
  第1に、国策として、食品、土壌、水を、日本が持っている最新鋭のイメージングなどを用いた機器を用いて、もう、半導体のイメージかは簡単です。
 
  2番目。緊急に子どもの被ばくを減少させるために新しい法律を制定して下さい。私のやっている、現在やっているのはすべて法律違反です。現在の障害防止法では各施設で扱える放射線量、核種等は決められています。東大の27のいろんなセンターを動員して現在南相馬の支援を行っていますが、多くの施設はセシウムの使用権限など得ておりません。車で運搬するのも違反です。しかしながら、お母さんや先生方に高線量の物を渡してくる訳にもいきませんから、今の東大の除染ではすべてのものをドラム缶に詰めて東京に持って帰ってきております。受け入れも法律違反です。全て法律違反です。
  このような状態を放置しているのは国会の責任であります。全国には、例えば国立大学のアイソトープセンターはゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところは沢山あります。そういうところが手足を縛られたままでどうやって国民の総力を挙げて子どもが守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

  第3番目。国策として土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集して下さい。・・・どうやって除染を本当にやるか。7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか。

(ハンマー)


最新の画像もっと見る

1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ハンマー)
2011-08-22 11:22:18
衆議院のホームページに議事録が掲載されています。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009717720110727023.htm
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。