ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

目標設定っていうけれど 8:目標再設定

2014年10月14日 | リハビリテーションの話
台風が過ぎたら一気に気温が下がりました^^;
風邪などひかないよう、気をつけましょう・・・

さて、目標も期限内にどれだけ到達できるのか、
到達できてもそれをどうやって継続させていくか、
いろいろな誤差などを考えながらセラピーを提供しないと、
なかなか自宅へ帰れないし、在宅生活が継続できないよ、
なんて話をしてきました。

1か月なら1カ月、3か月なら3カ月、
制度や病床・施設によっても違います。

ですが、せめてその期間内に見直そうよ、ということだと思います。
結構変わりますよ、患者さん・利用者さん^^;
それに気づけないだけ、という側面もあったりします(^^ゞ

で、その期限がきたときに、結構他職種のリハ状況、ケア状況って気になりませんか?^^;
私は気になります(笑)

かつて私が若かった時(オイオイ)、
ん~、もう!どうしてこうやってくれないかな!
なんでやってくれないんだろう!!
なんて他職種のことが気になって仕方なかったです(笑)

でもね、その他職種の方だって、オイラのセラピーの展開が遅いよ!
なんて思っていたに違いありません(爆)

そうなんですね~、結局リハビリテーションはチームアプローチだ!
といっても、なかなか足並みはそろわないことが多いです^^;

だって、お互い「できていない・していない」ところしか見ていなかったら、
こういう展開になってしまいますよね^^;

この展開に気づいてしまうのが、目標再設定・計画書更新のときなんです^^;

このチーム内の負の連鎖が目立ってしまうと、うまくいくこともうまくいきません。

ですよって、視点を変えて、他職種がどこまでアプローチできているのか、
「できていること」に注目して、再設定しましょう。

そうすると、ずいぶん気が楽になります(^^)/

看護介護場面はどこまでADLを再現できているのか、
それを踏まえて理学療法士は次のステップはどう考えるのか、
作業療法士はより在宅に接近した生活のプロデュースを、
言語聴覚士は家族、近隣の方とのコミュニケーション、コミュニティの再構築のために、
なんてことを考えると楽しくないですか?(^^)

なんで楽しいかというと、中心に患者さん・利用者さんがいるからです。

お互いけなすこと、できていないことをあからさまにして指摘する事がチームケアではありません。
自分の言うことを聞く人が良いチーム、良い職員ではないです。

ということで、目標再設定のときは、
ついつい悪い意味で他職種の進捗状況が気になりますが、
大切なのは患者さん・利用者さんを中心に置いたかかわりができているかを再確認することです。
それが多職種で共有できたら素敵ですよね!(^^)/

ということで、目標再設定のときは、
「何がどこまでできているか、お互い確認しましょう!」ということです。

続く



目標設定っていうけれど 7:到達目標と継続目標

2014年10月13日 | リハビリテーションの話
こちらではとりあえず台風のピークは過ぎました(^^ゞ
他の地域で被害ができませんように・・・

さて、シリーズで「目標」を考えてきました。
数値・ADL、そしてその積み重ねが自宅での「生活基準」になるよ、
という話でした。

病院・施設においてもきちんと自宅を、
在宅でしたらどうしたら継続ができるかを、
目標を通して考えていけたらな、と^^;

ただ、医療おいても介護にしても、
今後は期限が課せられること大です。

医療は今までもそうでした。
介護は今後導入されてくることでしょう。

そうした時に、やはり期限のなかで目標を考えていかないといけません^^;

限られた時間の中で、どこまで身体機能やADLが回復できるのか、
という「到達基準」も考えておかないといけません^^;

この到達基準を考えるときに、誤差も考えておく必要があります。
だって、目標は未来であって、必ず実現できるとは限りません^^;
※もちろん実現できたことにはこしたことはない。

ということで、ADLの成功率だとか、実行率、介助量、
曜日(スタッフ配置ね)や時間帯、薬の影響、身体の回復状況、
諸々の要因要素が出てきます。

それを月一なら月一回、計画書などの更新に合わせてきちんと考えておきましょう、
ということなんです(^^ゞ

こうして徐々に長期目標が実現できるようかかわるわけです。
期限内に自宅で帰るために。在宅生活が継続できるように。

さて、もう一点。
この到達基準を考えながら、ある程度のADLが可能になったとします。
とすると、このADLがどうしたら継続できるのか、ということもポイントに上がってきます。

例えば、病棟で起き上がりが可能になったとします。
これが自宅で継続できるにはどうしたらよいでしょう?

今秋が深まっていますよね。
そうしたら、夏場はタオルケット一枚だったのに、
羽毛布団になり、毛布が増え、中敷きも一枚、電気毛布も・・・
などと「気候」も要素の一因になりますよね(^^ゞ

トイレ動作だってそうです。
夏場はステテコだったのが、冬場はそうはいきません。

こういうことを考えておくのが「継続目標」です。
犬の散歩、天気が雨天だったら?冬場は?本人さんのコンディションは?
な~んてことも考えておかないと、在宅へは帰れないし、継続できない、
なんてことも起きちゃうかもしれませんね^^;

ということで、前回、書きました。
目標=期間・期限+達成基準、
達成基準とは今回書いた「到達目標」と「継続目標」になります。

短期目標の中の到達目標、継続目標、それらが積み重なり長期目標となり、
その長期目標の中にもこの到達目標と継続目標がある、
という感じになると思います。

まだこの目標ネタ、続きます^^;
もうしばらくお付き合いください・・・(^^ゞ


目標設定っていうけれど 6:生活基準

2014年10月12日 | リハビリテーションの話
台風が何事もなく去っていきますように・・・

さて、前回・前々回で数値基準・ADL基準について書いてきた。
日ごとのリハ・ケアでの数値変化は提供者側が思っておきましょう、
その数値変化に伴って変化していくのがADL基準で、これを短期目標にかかわりましょう、
ざっくり言ってこんな感じで話が展開中(^^ゞ

さて、なかなか把握しづらいとは思いますが、
日ごとに患者さん・利用者さんの状態は変わっていきます。

もちろんADLも変化していきます。
一人で起き上がれなかったのが、いつの間にやら・・・^^;
ってのも良く経験しました。

この変化を感じた時に行うのがカンファレンスであったりするわけです。
もちろん、計画書の更新も定期的に決められています。

ようするに、
たくさんの患者さん・利用者さんを担当していたら、細かい変化には気づきにくいので、
計画書の変更時にちゃんとアセスメントしなおしましょう、という事でもあるかなと。

で、大事なのが、そのADLの変化点を積み上げて、何を考えていくか?なんです。
これこそが今回のテーマでもある、長期目標に当たる部分です。

タイトルにも書きましたが、「生活基準」です。
生活って、同じことの繰り返しのようではありますが、
なかなかどうして、季節や天候、曜日、いろんなこともありますよね。

そこに習慣や趣味が入ってくる。
普段我々が何気なくやっているけど、こういうスケジュールが毎日あるんですよね(^^ゞ

そうなんです、生活への基準って、このスケジュールが再現できるか?ということにかかっています。
ADL基準を積み重ねる事によって、何を実現するかというと、
このスケジュール・日課を再現できるようなセラピーが必要だ!
ということなんです(^^ゞ

毎日の日課である犬の散歩ができるようになる、とか、
毎月ある自治会の集会に出席できるようになる、等、
その方にとっての日常生活・IADLにつながるもの、
これこそが長期目標になるのだと思うのです。

地域包括ケアシステムが動き出そうとしている現在、
この一連の流れを押さえながら特に急性期~回復期のセラピストの皆さんには、
目の前の方々にかかわっていただきたいな~、なんて在宅で働く一人として思ったりします^^;

ということで、目標=期間・期限(入院日数や単位制限など)+達成基準が大切になってきます。

達成基準については次回へ続きます(^^ゞ

目標設定っていうけれど 5:ADL基準

2014年10月11日 | リハビリテーションの話
台風が何事もありませんように・・・

さて、前回、目標設定:数値基準について書きました。
数値ってなかなか患者さん、利用者さんと共有は難しいよ、
それはリハ・ケア提供者側が思っておけばよくて、
その積み重ねが次のステップへつながるよ、という話をしました(^^ゞ

では、毎日の積み重ねがどこへつながるのか?
という話になります。

毎日提供しているセラピー・ケアがまず最初にどこにつながるかというと、
【病棟や施設内でのADL】です。

これこそが【短期目標】としてまず上がるだろうと思います。
例えば、寝返りが見守りでできるようになった、移乗が自立になった、
食事がスプーンで食べられるようになった、等です。

もちろん、これも日々の積み重ねで、いろいろクリアしていくこといなると思います。

ようするにこれがADL基準となり、
毎日の数値基準の結果、こういうADLの状態が変わっていく、
この変化の予測が【ADL基準】としての短期目標になると思います。

ただ、この【ADL基準】は最終形ではない、ということも押さえておきたいと思います。
だって、病棟内や施設内のADLが向上したって、家に帰れなくてはどうしようもないです^^;

これはスポーツ外傷の方でも一緒だと思います。
拘縮があるからセラピーを提供しているのか?
違いますよね^^;

競技復帰のはずです。

在宅へ帰る方も一緒。
病棟でトイレが自立してもそれが自宅で通用するか?
そういうことも考えなくてはなりません。

したがって、この【ADL基準】はあくまで通過点。
なので、目標としては「○○の実現、実施可能」なんてのが上がると思います。

このADLへの組み立てのために毎日のセラピー・ケアを提供しているとも言えますね。
では、このADL基準を積み重ねると、次はどのような目標が立つのでしょうか?

続く


目標設定っていうけれど 4:数値基準

2014年10月10日 | リハビリテーションの話
この「目標」シリーズは終わるまで書きたいなと思いますが、
実は長くなりそうなシリーズです^^;

前回、毎日提供する理学療法・作業療法・言語療法・ケアを積み重ねることによって、
身体機能の回復があり、それに伴って状態も変わっていくよ、
これが目標達成のステップになるよ、と書いたはず^^;

で、その毎日のセラピー・ケアを提供する中で、
やはり個別で大事にしたいのが「数値」ですよね(^^ゞ

例えば、麻痺の回復度(ステージね)とか、
筋力、関節可動域、感覚テスト、ADL評価(FIMなど点数化)、
そんな数値を大切にしているのもポイントですよね。

でも、この数値って、専門職であるがゆえにこだわりもあるし、
思いもあるし、それを大切にするもの否定しません^^;

ですが、この「数値」って、なかなか患者さん、利用者さんと共有しにくいな・・・、
なんて感じた事ありませんか?(^^ゞ

そうなんです、これって、共有は無理です(苦笑)

だって、関節が動かせる範囲が広がるようにしますって、
一般の方がわかってくれるのでしょうか?

筋力が3から4になるようにしますって、それって目標になるんでしょうか?

これが前回から言っている積み重ねなんです。
これはセラピスト・ケアサイドがわかっておけばいいことなんです、ステップとして。

関節可動域が広がり、筋力がUPしたから、次のステップへ進もう!
ということをこっそり思っておけば良いと思うんです。

筋力が向上したので次のステップへ進みましょう!
的な説明を受けたほうが、患者さん・利用者さん、やる気になるでしょう、きっと(笑)

ようするに拘縮があるからROMexをするのではに、ということ。
ましてや関節可動域10度UP!てのは絶対共有できません^^;

関節可動域が10度広がったら、ADLにどれだけ影響があるのか、
生活支援に役立つのか、そこを念頭に置きながら、日々の臨床の積み重ねの中で、
「ステップとしてセラピストが押さえておくこと」だと思っています(^^ゞ

これを「数値基準」と呼んではどうかと勝手に思っています(笑)
数値基準はあくまで提供者サイドの視点。
この積み重ねが患者さん・利用さんの状態を変化させる、
ということです。

続く