南米のワインで美味しいのはチリ産とアルゼンチン産でしょう。アルコールに弱い者がワインに就いて書くはおかしいのですが、両国の宣伝の為に思い出しながら一言。どう言う根拠があったのか知りませんが、「アルゼンチン・ワインは赤が、チリ・ワインは白が美味い」と良く聞かされました。然し、赤・白共アルゼンチンにもチリにも美味しいワインはあります。さて今日はアルゼンチン・ワインの紹介です。
1981年に初めてアルゼンチンに出張した頃はインフレにも拘わらず為替切り下げを全くしなかった為、ドルの価値が無く、出張手当は朝食(コンチネンタル)と昼食時のスープで無くなってしまう状況でしたので、出張期間が長くなると赤字額は個人補てんせねばならず、ワインなどとても飲める状況ではありませんでした。途中で呼び戻され帰国した際の部長会で、副社長から「ご苦労だが、もう一度行って呉れ」と言われた際に「こんなに赤字が出る様な出張手当では、お断りします」と拒否した場面もありました。副社長からは「君は酒を飲まなかった筈だが、それでも足りないか?」と言うので、「酒などトンデモナイ。出張手当は昼食の途中で無くなります」と応じると、人事部に掛け合って呉れたのですが、対応はありませんでした。人事部が「ヒトゴト部」と言われる所以です。
その頃、見つけたのがボトルと言い、ラベルと言い魅力的に見えたNavarro CorreasのColección privadaでした。何時か、このワインを試飲して見ようと思うほど魅力的なボトルでした。Y君の後任として駐在に切り替わった時には、必然的に為替の切り下げがなされたので、ドル価値も復元し、飲めるようになりましたが、その頃、気が付いたのはこのワイナリーはフランスのシャトー・ムートン・ロートシールトの真似をして、毎年ラベルを著名な画家の絵に替えていることでした。Colección privadaを未だ日本で見掛けた事がありませんが、このワインはカベルネ・ソービニオンとメルローを混ぜたものでした。
個人的に気に入って良く飲んでいたのはフランスのMoët et Chandonと提携していたProviar社のClos du Moulinでしたが、これも未だ日本では見つけていません。
Weinert社のワインがルフト・ハンザ航空のファースト・クラスで供される様になったとのニュースを耳にしたのも駐在中でした。Cavas de WeinertやCarrascalと言うワインがありました。
日本で一番手に入るのはTrapicheでしょうか。
日本酒も同じなのかも知れませんがワインは多種で、アルコールに弱い者としては数を飲めませんので、効率良く美味しいワインを見つけねばと考えガイドブックを探しました。その結果、Hachette社から出版されていたGuia de los Vinos Finos Argentinosと言う本を見つけ推薦されているワインを飲むようにしたのですが、勿論、上記のワインは何れも掲載されていました。また、スペイン語が得意でなかったのでアルゼンチンの英語新聞を購読していましたが、The Waorld of Wineと言うコラムがあり、切り抜きしていたものが出て来ました。Clos du Moulinに就いてはこうあります。
The Clos du Moulin is equally delicate but with an underlying strata of strength which makes it stand up to most foods.
Navarro CorreasのColección Privadaです。美味しいワインでしたが、もう何十年も飲んでいません。
アルゼンチン駐在中に好んで飲んだClos du Moulinですが、名前からフランス風ですね。
Weinert社のCarrascalです。
Trapicheのワインは近所のスーパーでも販売されていますが、これを見た事は未だありません。