先日の嵐の様な暴風雨で
ダメになってしまったのもあったけど
それでも頑張って咲き始めたチューリップ
暖かな日差しを浴びて元気に咲く姿を見てたら
きいちゃんの『ウーリップ』を思い出した
* * * * * * * * * * * * * * *
浅い眠りの中で、きぃちゃんの夢を見た。
ここ何年も思い出すこともなかったのに・・・
昨夜、丸いお月様に寄り添うようにしてチョコンと座ってる星を
ずっと見てたせいかな。
きぃちゃんは、私がこっちに越してきて初めてできた友達だった。
転校生だった私は、学校の友達に馴染めなくて毎日、きぃちゃんと遊んでた。
きぃちゃんは、私より4つ年上のお姉さんだったけど、学校へは行ってなかった。
きぃちゃんの家に遊びに行くとめずらしいものばかりあった。
きぃちゃんはバンビの絵の入った、変わった折り紙をいっぱい持っていた。
でも、きぃちゃんはそれを、半分に折る事もなかなかできなかった。
きぃちゃんは、24色もある色鉛筆を持ってた。
でも、きぃちゃんは、絵も字も書けなかった。
きぃちゃんの家には
我が家にあるような、所々剥げかかった安っぽいのじゃなく
ウォルナットの重々しいピアノがあった。
でも、きぃちゃんは片手で「ドレミファソラシド」と弾くだけだった。
きぃちゃんは、「むきちゃん」と私を呼んでいた。
そしていつも私の後を急ぐようにしてついて来た。
いつしか、学校の友達とばかり遊ぶようになって、
きぃちゃんが、お母さんの実家に引っ越したって聞いても、なんとも思わなかった。
きぃちゃんに会ったのは、それからしばらくしての
暑い日だった。両親に連れられて・・・
長い坂道を登りつめたところにきぃちゃんの
おじいちゃんの家はあった。木造の重々しい家。
入るとつんとお線香の匂いがして
四角い写真の中のきぃちゃんがそこにはいた。
顔をくしゃくしゃにして笑ってるきぃちゃんが・・・
昨夜は夢の中で、そんなきぃちゃんが、不器用な手で、お手玉を一つ
拾っては空に向かって放ってた。「むきちゃん」って呼びながら・・・
きぃちゃん元気かな?今度逢いに行こう。
きぃちゃんがたった1つ
知っていた「ウーリップ」の花 見つかるといいな。