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ネタバレ「嫌いなら呼ぶなよ」綿矢りさ

2023-02-23 | 小説・漫画他
「眼帯のミニーマウス」「神田夕」「嫌いなら呼ぶなよ」「老は害で若も輩」の4つの物語を収めた短編集。

以前より幾つか綿矢りささんの本を読んで、え?!そんな事する??って、主人公がとる行動に驚く事があったけど、今回もそういう考えつかないトンデモな事があったわ。3つ★

★注意 以下ネタバレであらすじ、感想書いています★

「眼帯のミニーマウス」
幼い頃ミニーちゃんみたいなフリフリの洋服を母に作ってもらって楽しく着ていたけれど、危ない事件に巻き込まれそうになってやめてから黒系ゴスロリに走り、整形方面に興味が行くようになって、現在会社のOL。整形していることを打ち明けたら同僚女性社員から色々遠慮ないツッコミや質問を受ける様になり、整形してないのに、した後の様に包帯でぐるぐるにして出社する。
密かに良いなと思ってる上司に「面白い」と思われたみたいでデートに誘ってみる。

「神田夕」
you-tubeでお気に入りの男性が自分の働いている店の系列店に来る事があると知っていたが、ある日そのチャンスが巡って来る。実はそのyou-tubeのヘビーユーザであり一番にコメントをつけたり、感想を手紙で送ったり、辛辣な感想を言ったりしているのだが・・・。
外見はふんわりして白っぽく癒し系と言われるが、実際の行動は全くそのイメージとは違う事をしているのよね。 
なんと彼が店外のトイレに行った時に、かばんに火をつけるって・・・。とっさに彼がおしっこで火を消す。事件にはならなかったけど怖くなってお店を辞めてしまう。そして、その時の彼のおしっこの色で、げんなりして彼への熱が冷めた。

「嫌いなら呼ぶなよ」
最初内容や登場人物のが関係や立場が解りにくくて混乱しました。
楓っていう妻を持つ浮気な夫が主人公。妻の友人宅におよばれして、なんとみんなから責められるというお話。

「老は害で若も輩」
作家で最年少芥川賞を受賞した綿矢さんという本人の様な立ち位置の37歳の小説家、彼女にインタビューをした42歳のライターさん、この対談を記事に載せる編集者?本の製作担当者20代後半。
最初綿矢さんとライターさんが喧嘩になるんだけど、途中で矛先が編集者の男性の方に行っちゃってワタワタな状態に。最後は編集男性の怒りでキレた文章が(滅茶苦茶 笑)

なんというか・・・すごい攻めてるな?というか・・・
こういう内容を書くと作家本人もそういう思考の人なんじゃないか?って思われるリスクがあるのにもかかわらず、勇気があるというか、肝が据わってるな、と思いました。
正直、読んでいて良い気持ちはしないし、嫌な奴だなあ・・・と思う人が多い。でも先が気になるから読んでしまうんだけれどもね。

この本を読む前に読んでいたのが、去年芥川賞を受賞した高瀬隼子さんの「うるさいこの音の全部」(雑誌の「文學界 23年2月号掲載) って小説だったのですが、それを読んだ時も、勇気あるな、覚悟を決めたんだな、って思ったんです。
小説だからフィクションだって解ってはいても、同一化の様に思い込んでしまう読者も多いと思うのよね。綿矢さんも高瀬さんもキツそうだったり意地悪そうなな人には全然見えないから、内容とのギャップに意外性があるわ。

嫌いなら呼ぶなよ  綿矢りさ (2022/7/26)

綿矢りさ 
私をくいとめて
勝手にふるえてろ
「かわいそうだね?」
「ひらいて」
「蹴りたい背中」芥川賞作品 感想
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2 コメント

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Unknown (わぐま)
2023-02-24 11:47:32
こんにちは^^
この本、共感がゼロですよね。
この主人公たちが、身近にいたら絶対に近付かない(笑) でも、何があっても自分の道を貫いている姿は好きだったなぁ
こーいう人、嫌いじゃないです。

高瀬さんの「うるさいこの音の全部」は、初耳です。雑誌の一部っぽいから知らないのかな。高瀬さんの描く世界観も、こーいう「己の道」を貫いている人が多いですよね。
綿矢さんも高瀬さんも、芯のある人なんでしょうね。
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わぐまさん☆ (latifa)
2023-02-25 08:41:28
わぐまさん、こんにちは!

主人公たちの中で、居酒屋でバイトしてる子なんて一見普通の穏やかな子にしか見えないから、彼女のヤバイ部分には気がつかずに深く親しくなっちゃうかも

高瀬さんの「うるさいこの音の全部」は、雑誌に載っていた小説なのです。
「文學界」 23年2月号掲載でした。
彼女のまだ本になっていない、過去の雑誌に載っている作品も、ちょこちょこ読んでいる処です。

現在、図書館にリクエストしていた本が全然届かなくて、読む本が無い状態なので。
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