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「ロマンス」感想 柳広司

2011-06-23 | 小説・漫画他

昭和初期、戦前の頃の日本を舞台にしたお話。
私は、柳さんといえば「ジョーカーゲーム」の印象が強いです。というか、「ジョーカーゲーム」と「ダブルジョーカー」の2冊しか読んだ事が無いです・・。
よって、この「ロマンス」が3冊目なのですが、同じ様な雰囲気を持つ小説だったので、とても読みやすく、この世界にすっと入って行けました。3つ★

この頃の、日本の特権階級の人の退廃的な感じなどが、鼻につきつつも、魅力的に描かれています。主人公の清彬のロシア人の血が混じった美しいルックスや、ダンディなファッションや、幼い頃過ごしたフランスでの暮らしぶりや、実は銃撃ちの才能もあるところなどは、漫画の様でもあります。そして彼の親友の多岐川嘉人。彼も長身で美しい色黒の軍人で、2人並んで歩くと息を呑む・・というのが、笑っちゃいつつも、素敵だろうなぁ~とため息が出ます。

三島由紀夫の「豊穣の海」の「春の雪」を連想させられる処もあったかな。
あの時代、お金やら何やらで、華族になれた・・・というのは、知らなかったです。にわか華族と、ずっと昔からの生粋の華族の差とかが、興味深く面白く読めました。
ミステリーの謎解きは、最後にそうだったのか・・・と解ります

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
実はお嬢様は、兄の事を慕っていたんですね。それで、兄を陥れようとする人間を殺した、という事だったのは、全く想像もつかない展開でした。とはいえ、やられた!感は、何故かあんまり無かったかも...以上

内容(「BOOK」データベースより)
ロシア人の血を引く子爵・麻倉清彬は、殺人容疑をかけられた親友・多岐川嘉人に上野のカフェーに呼び出される。それが全ての事件のはじまりだった。華族社会で起きた殺人事件と共産主義活動家の摘発。そして、禁断の恋…。退廃と享楽に彩られた帝都の華族社会で混血の子爵・麻倉清彬が辿りついた衝撃の真実。

ダブル・ジョーカー
ジョーカー・ゲーム

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