
「新章 神様のカルテ」
栗原先生は信州大学の医学部で勤務して2年が経っています。
なんと、小春ちゃんという娘が産まれ、ハルさんはいったん仕事は休業し、たまに東京に写真集の打ち合わせに行く程度で、専業主婦になっています。
同じアパートに暮らし続けているので、周りの人達(と言っても2名の男性ですが)に助けてもらったりして、小春ちゃんも楽しくスクスク育っている様子。
うむう・・・
この「神様のカルテ」シリーズ、大好きだったんですけれど、一つとても気がかりだったことがあって、それは子供がいない夫婦だからこそ、お互いの好きな事をやって、たまに会う良い関係でいられた。はて、子供が出来たらどうするのだろうか?
いや、この新章で夏川さんが言いたかったことは、そんなことでは全然ないのは解ってるんですよ。
本作のキモの大学病院の実情と事情、パンをどうするか?等については、とても興味深く読ませていただきました。
ただ、勝手に私が、その夫婦関係および子供が出来たらどうするんだ?問題にこだわりというか、気になって読んだので・・・
やっぱりか・・・。
というのが正直な気持ちで、本当にごめんなさい、勝手にガッカリしちゃいました。
結局ハルさんが殆ど一人で子育てしてますよね・・・
当然ですよ、夫はこんな多忙な医師のお仕事されてるんだもの、家の事なんて子供の事とか、やる時間なんて無いんです。
そのあたり、重々解った上で妊娠して、出産したに違いありません。
この二人に限って、無計画に出来ちゃった、わけではないのでしょうし。
丁度仕事のキレが良いとか、やむを得ない、とか、色々考えた上、覚悟してだったと思います。
でもなあ・・・モヤモヤします・・・。
ハルさんは、あいかわらず美しくどんな時もニコニコ微笑んでいるんですよね・・・
戦場の病院から戻れば、カワイイ娘とこういう妻が待っている。
この本よりも先に、夏川さんの新刊の「勿忘草の咲く町で~安曇野診療記~」を読んだのですが、そちらの方が、のびのび書けてる感じがして、内容的にも終末医療をテーマにしていたりと私は断然好きです。
仕事に集中するイチさんと病院内の問題を描くにあたって、妻子をどう描くかは、かなりの足かせになっちゃってるんじゃないかしら・・・。
あのまま、子供無しの夫婦という設定じゃダメだったのかな・・・?とか、色々勝手に考えてしまうのでした。3つ★
新章 神様のカルテ – 2019/1/31 夏川草介
(内容・あらすじ)amazonより
信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。
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「神様のカルテ0」

有明
彼岸過ぎまで
神様のカルテ
冬山記
の4章「神様のカルテ」の前のお話です。
最初の賞は、医師国家試験の頃のイチとその仲間たちの様子などが描かれています。
栗原が本庄病院の面接の際、24時間受付の看板に対してどう思うかを聞かれ、あの看板に惹かれてこの病院で勉強したいと思ったと、『医療の基本だと思います』と言うんですね。立派だわー。
冬山記では、ハルさんが子供のころに両親を失い、孤独を良く知っており、有名な山登りの女性であること、冷静沈着かつ、人並外れた肉体の持ち主であることが解ります。もうイチ先生とは知り合っており、いい関係であり、山を下りて彼と会うのを楽しみにしていることが書かれています。
神様のカルテ0 2015/2/24
医師国家試験直前の一止とその仲間たちの友情、本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と敵対する事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医となり本庄病院で働くことになった一止の医師としての葛藤と、山岳写真家である一止の妻・榛名の信念が描かれます。
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「神様のカルテ3」
数年前、書きそびれてしまったまま、下書きに入っていた「神様のカルテ3」を少しだけ・・・・ 自分が読んだのは、2013-07-16 前後だったみたいです。
薄くなった記憶をたどって、ネットであらすじを再読し、とりあえず思い出した限りで・・・
おおまかなところを・・・
新しくやってきた小幡先生(女医さん)は仕事ができる優秀な医師だった。
でも、彼女はやる気のない患者さん(アルコール依存症だったり・・)には真摯に向き合わないのだった。
彼女は最新の治療や勉強には非常に熱心だったが、それというのも、かつて彼女の夫が難しい癌になった際に、その治療法に勉強不足だったため、救えなかった過去があった。
栗原はとある患者の治療に関して、やむを得ないが判断を間違ってしまう(ミスというには厳しすぎる、やむを得ないというか、しょうがなかった)
でも、その患者さんは栗原先生を信じたので、結果どうであれクレームを言うということを一切しないのでした。
この一件や小幡先生との出会いから、もっと勉強を積まなければならないと決意し、大学病院に行くことにした栗原なのでした。
だいたい、こういう感じだったと思います。
神様のカルテ 3 夏川草介 (2012/8/8)
内容紹介 amazonより
栗原一止は、信州にある「24時間365日対応」の本庄病院で働く内科医である。医師不足による激務で忙殺される日々は、妻・ハルの支えなくしては成り立たない。昨年度末、信濃大学医局からの誘いを断り、本庄病院残留を決めた一止だったが、初夏には恩師である古狐先生をガンで失ってしまう。落ち込んでいても患者の数が減るわけではない。夏、新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、経験も腕も確かで研究熱心。一止も学ぶべき点の多い医師だ。
しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、急患であっても受診しないのだった。抗議する一止に、小幡先生は「あの板垣先生が一目置いているっていうから、どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」と言い放つ。彼女の覚悟を知った一止は、自分の医師としてのスキルに疑問を持ち始める。そして、より良い医者となるために、本庄病院を離れる決意をするのだった
夏川草介
「勿忘草の咲く町で~安曇野診療記~」
神様のカルテ2
神様のカルテ
大学病院でのイチ先生もめちゃくちゃ忙しそうでしたねー。
大学病院だからこそ医師一人一人がしっかりと意見を持っていて、でもどれが合っている間違っているという問題ではなくて、難しいなと感じました。
確かに2人はそれぞれに生きがいを持っているから、子どもはいないままなのかなと思っていたのでちょっと意外でした。
小春ちゃん可愛かったです。
ハードな仕事ぶり、いつもですが大変だな・・・すごいな・・と思って読んでいます。おちおち風邪も引けないですよね、コロナの時代になって、イチ先生や夏川先生の勤務もよりハードになっているんだろうな・・・と推察・・・
頭が下がる思いです。
内容はいつもながら、読み応えがあって、わかりやすく面白く読ませてもらいました。
個人的な私の勝手な思い入れ?で、なんだかケチをつけるような感想になっちゃって、申し訳ない・・・
最初が良すぎてその後は右肩下がりの感あり、映画もイマイチで0以降は読んでなくて…。
でもきっとそのうち読むと思うのでその時はお邪魔しますね^^
映画は桜井君でしたっけ・・・全然違う、っていうのがあって、私はダメでした。2もあったんでしたっけ・・? 2は未見ですが。
本は0の後、4は出てないみたいで、ぴゅーっと飛んで「新章」になってるみたいです。
>信州大学付属病院も相澤病院も
うわー、こにさん行かれたことがあるんですね。いいなあー。
今回、福士蒼汰さんのドラマが無かったらやっぱり読んでなかったと思います(笑)
仕事と子育て
難しい問題ですよね。
ハルさん、ぼちぼち仕事に復帰するようなのでどんな展開になるのか、そちらも期待大です。
男爵さんが大活躍されるとか!?
映画版は、イメージ違い過ぎますよね。
そうなんですよー、基本的にこの夏川さんの小説、医療シリーズが好きなので、なんか文句じみたことは言いたくないのですが(言っちゃったけど・・)
ご本人も最初書いた時に、まさかこんな人気になって、続編がずっと書かれる様になるとは想定していなかったのではないかしら・・・
ずっと話が続いていくと、やっぱり妻はどうする? 子供はどうする?
って問題が立ちはだかって来ると思うのよね・・・