ポコアポコヤ

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「誰かと暮らすということ」伊藤たかみ 感想

2012-11-20 | 小説・漫画他

伊藤たかみさんの本を読むのは久しぶりですが、この本は凄く良かったです。
今まで読んだ伊藤さんの本の中で一番好きです。4つ星半~5つ星

・セージと虫
・子供ちゃん
・やや
・サッチの風
・イモムシ色
・アンドレ
・サラバ下井草
・誰かと暮らすということ

という短編が入っていますが、虫壁知加子と安藤正次こと、虫・セージの2人のお話が幾つか入っていて、グレープというレンタルDVDショップがどの話にも少しからんでくる仕組みになっています。

・セージと虫
人づきあいが苦手な虫・セージは同じ会社の同期。
虫は愚痴をパソコンにうちまくってプリントアウトして保存しています(笑)このたまりたまった箱を、どこかに捨てに行く・・・。

・子供ちゃん
子供ちゃんというのは、流産してしまった子供のこと。
一斉メールで妊娠そして流産したことを友人に知らせるなんて、、、というショックな気持ちは良くわかる。でも旦那の太一は星のかたちの人参の入った料理を作ってくれたりする優しい人だ。
波子はずっと流産のことを引きずりながら、グレープで働いている。
店には、色々なお客さんがやって来る。

・やや
セージの妹が妊娠した。
セージの両親の様子が解る。家を捨てた母、父はというと脳溢血後、エロになってしまい・・・。
はしかになって会社を休んでいる虫の部屋を訪ね、そのまま流れで泊まってしまう。
夜寝る時に手で2匹の狐が会話しているように動かしたり、カタツムリ・蟹に変貌させるセージがツボ!!こういう人大好き。

・サッチの風
グレープの経営者健一と妻のお話。
経営が傾き、お店をたたむ潮時・・。過去に遡り、2人の馴れ初めが語られる。これからもサッチと生きていけば、きっと人生何とかなるさ、というお話。
とっても良いお話だったなぁ~

・イモムシ色
セージは良く虫のことを見ているなぁ!彼女の服の色の好みとか。。
「それまでに何とか告白する」
「告白するの。好きだって。お前に。イモムシの」
キャー!!!言ったねセージ!!
サッチの風の健一といいう、言うときゃ、言うんだな!

・アンドレ
出世は望めないサラリーマンの正樹は、一児の父だ。
学生時代に愛されていた豚カレー屋を継ぐのはどうだろうか?と考えたりもしている・・。
彼がランチを取る、とある図書館の食堂で、アンドレと彼が名付けるホームレスをいつも見かける。
この正樹!いい人だぁ~なんて優しい人なんだ。伊藤たかみさんって、根が凄く優しい人なんだろうなぁ~と感じる。

・サラバ下井草
セージの携帯をこっそり見てしまった事がきっかけで喧嘩になってしまった2人。
しかしながら、出張先の熊本からセージが送ってくれた画像とメッセージは・・。

・誰かと暮らすということ
離婚したばかりの鏡子。彼女の新居は、虫・セージが暮らしていたその部屋。
どうやら、波子はまた子供ちゃんを授かった様ですね!良かった!!

と、伊藤さんの小説を読むと、どうしても前妻の角田光代さんとのことを、つい考えてしまったりします。なんでも2006年に結婚して、2008年末に離婚らしいです。
2人が結婚していたと知った時は、驚きましたが、離婚が早かったですね・・。
でも、この本に収められているお話が書かれたのは、2人がまだ結婚していた2007年~2008年なんですよね。(最終話だけは、2009年なので、離婚後かも)

偶然かもしれませんが、なにげにこの本と、角田さんの書く小説と、なにか・・なんだろう?似た匂いというか風情が感じられる様な・・・。
角田さんは、11歳年下のバンドマンと再婚されましたが、伊藤さんは今どんな女性とおつき合いされているのかな・・・。角田さんと伊藤さん、こういう本を読むと、とっても相性良さそうだったのにな・・・。もしかして「子供ちゃん」みたいな事があって、離れてしまったりしたのかな・・。(私の勝手な想像)

あ、でもネットで見たところ、伊藤さんは角田さんとは再婚で、最初のご結婚で子供さんも一人いらしゃるとか。凄いな~恋多き男子なんだなー。
でも、モテそうだな~って思います。

誰かと暮らすということ 伊藤たかみ / 2009年10月30日

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4 コメント

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装丁 (存在する音楽)
2013-02-17 16:13:38
latifaさん こんにちは。
中江有里さんが解説を書きました
とネット上で表現されていたので
ちょっと見てみると こちらにたどり着きました。
さすがですー

でも最近発売された文庫本を見ると装丁が変わったようで、新しいのよりもこちらのデザインの方が良いなーと思いました。
まだ読んでませんけれど(笑)
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2013-02-18 11:04:19
こんにちは!
存在する音楽さん
おおお~あの中江さんが?
そうかー、最近発売になったらしい、文庫版の解説を彼女が書かれていたんですね。
今度その部分を立ち読みしてみます。
彼女自身も小説を書いていらっしゃるんですもんね。才色兼備ですごいわー

内容、なかなか良いんです!
存在する音楽さんにも是非読んで頂きたいな~。
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久しぶりの小説 (存在する音楽)
2013-05-08 06:55:41
latifa さん おはようございます
春でも寒い日々ですね
遂に読みました。昨夜、教授のplaying the orchestra 2013の行き帰りに読みかけだったのを一気に読み終わりました。
やはり、こちらのblogで読んだ本を思い起こすというのも良いなーと思いました。忘れかけている内容も整理でたり(笑)、そうそうそうっと共感したり、そういう見方もあるのかーと思ったり。
小説の内容に夢中になっていて、中江さんの解説のことをすっかり忘れていました。最後に出てきて、そうだった。latifaさんに中江さんのことblogで伝えたなーと思い出しました。
小説も色んな人のものを読んでみたいのですが、なかなか時間が・・・・この作品もなかなか良かったですね。彼の小説また読んでみたいと思いました。
返信する
存在する音楽さん☆ (latifa)
2013-05-09 11:07:39
こんにちは!存在する音楽さん
GWも終わって、ほっとするやら、また通常モードの毎日が戻って来ました。

あ、この本、読まれたんですね
そうでした!中江さんのこと、お話して下さったこと覚えていましたよ♪
それなのに、お聞きした時は毎日多忙な時期で、つい文庫の最後のところ、立ち読みするの忘れてました・・・
今度見て来ます!
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