
ひとり日和/青山 七恵 村上龍と、石原慎太郎の2人の選考委員が絶賛したそうで、2007年の第136回芥川賞作品。
割と面白かったです。4つ☆
世間では、評判がハッキリ分かれちゃってるみたいですが、私はこういう文体とかジャンルとかは、とっつき易くて、サラサラと読みやすかったです。全体的に、ほのぼの~と、読めちゃいました。
20歳のフリーターと、71歳のおばあさんのこの2人暮らしぶりを軸にして、2人それぞれに関わり合いのある人達(中国に行ったお母さん、おばあさんの彼氏?など)が脇役に登場し、物語が四季を追って進んで行くのだけれど、なかなかテンポもよく、ところどころ、はっとする文章やセリフも有りました。
主人公の知寿のおばあさんへの態度とか心理が、ちょっと意地悪だな~~って部分もあったけど、彼氏(2人とも、ちょっと似たタイプだなあ・・)との恋愛模様の部分は、解るな~って部分もあったし・・・。
そして、吟子さんっておばあさんが、良い感じの人で、好感持てました♪
「重大なものじゃないものを、こっそり盗む」という部分が、この小説に出て来ているのだけれど、ちょっとビックリというか、こういう趣味の人がいたのかー!と、すごいインパクトが私にはありました。なぜなら、私も子供の頃とか、物が何故か無くなってしまうことがあって(どうしても理由が解らない)、もしや、こういう性癖の人が回りに存在してたんだろうか?なんて思っちゃったりして。この本読むまでは、こういう性癖の人がいるってことを想像だにしたことがなかったんです。そういえば、青山さんの「窓の灯」でも、「のぞき」が一つのテーマになっていましたし、両方とも、犯罪スレスレの趣味?が登場してます。
★以下ネタバレ 文字反転して下さい★
最後に、ずら~~っと並んだ猫の額縁の裏に、その思い出の靴箱に保管していた物を入れて去っていくシーンが、小説というより、映画的?な印象を受け、あっ!と言う展開で、好きでした。フリーターだった主人公が、ラストで、正社員になって真面目に、そして同僚などと順調に日々の暮らしを送っている様子と、そして吟子さんの家を電車の中から見るシーンも映像が浮かぶ感じで、なかなか良かったです^^以上
ひとり日和/青山 七恵(1983年産まれ)
(内容・あらすじ)
20歳のフリーターの知寿が、東京で居候することになったのは、 母の知り合いである71歳・吟子さんの家。駅のホームが見える小さな平屋で暮らし始め、朝はキオスクで働き、夜はコンパニオンのバイトをしながら、駅で、ちょっと好きな男の子が出来る。

二時間ドラマになりそう~
こちらこそ、ありがとうございました!
確かに、私もそれ思いました。
主役は誰だろう・・・。なんとなく、今勢いのある女優さんって事で、上野樹里ちゃんとかがなりそうだな・・・ おばあさんは、吉行和子さんとか?う~ん、「シャルウィーダンス」で優しい先生やってた人なんかが良いな
でも…
あの性癖出したら、まずいかも?!ww
TBしてみたんですが…うまくできたかな?(o^-^o)
印象を勝手に持っていました。
実は読んでいないのですが、石原氏が「良いね」と言っていた記憶があります。
日常の中の「ちょっとした事」
「何気なく」
というのにも惹かれます
ちょっと、スパムとか一気に増えちゃったので、一時的に
承認後表示スタイルに変えさせて頂いちゃったんです・・・
すいません! ちゃんとTBもコメントも頂いております
あの性癖、マズイっすかね?じゃ、2時間ドラマじゃなくて、映画かな~
いつか機会があったら、存在する音楽さんも
お読みになってみて下さい。
なかなか忙しくて、本を読む時間は取れないかと思いますが・・・
>なかなかテンポもよく、ところどころ、はっとする文章やセリフも有りました。
とおっしゃっていたのも分かったんだけど、私はいまいちかなって思いました。
私が歳とったんだと思います。
若いって事にあんま価値が感じられない。
こういうぼんやりした若さはね・・・うーん、別にぴちぴちしろっていうんじゃないけど、下手でもいいから、書かざるを得んのだ、という意気込みを見せてくれないと、付き合いたくないっていうかんじかなぁ。
私はこのおばあさんとの交流がもっと意表をつくしつこさとさらっとした乾燥感があったら面白いかなって思います。
おばあさんの彼氏のやりとりも私が編集者ならもう少しひねらせる。
他の若い人、自分と同年代の人にしか興味がなさそうだし。
主人公の彼は、もう一人くらい出しても良かったかな。
芥川賞の規定から外れるけど。
続かない、自然発生して自然消滅してく彼氏で、少しくせのある男の子とか。
25年も旦那様と一緒なんですか、ふーむ。
人生の半分以上も添い遂げるなんて不思議ですね。
私は、そう、今、全く、人生の半分、ダーリンと一緒ですね。
不思議。
私もひとり日和を過ごすタイプなのに。
これね、、実は、昨日、牧場主さん好みじゃないような気がする・・・と、一度書いて、やっぱり削除しちゃったんです
だから、感想お聞きして、やっぱり!って思いました。
>別にぴちぴちしろっていうんじゃないけど、下手でもいいから、書かざるを得んのだ、という意気込みを見せてくれないと
牧場主さんらしいな、って思いました。書くこと、小説への「情熱」や、取り組み方が、文章に感じられるか否かって事は、牧場主さんにとって、割と重要なのですよね・・・?
だいぶこの小説の細かい部分は、もう忘れてっているのですが、駅のキオスクでバイトしてる私と、男の子が段々仲良くなって行く様子と、途中から別の女の子に、男の子の気持ちが傾いて行ってしまう処(主人公の女の子が、嫌な予感がしてる部分)とかを、今、思い出しました。
そういえば、この女の子って、ちょっと意地悪な部分のある主人公でしたよね。
何て言うか、うーん、いつの世も、しんどいことがあるわけで、どんなに文学なんてもういらないっていう世の中になったって、ある程度の割合で、いや、私は文学でしかこのモヤモヤをなんとか出来んがな、っていう思いを抱えた人っていうのはいると思ってるんですね。
私がそうなんです。
過去、命がけで、狂気と戦いながら書いて、でも、あまりぱっとせず、死んでいった作家がいます。
でも、今では絶版です。
そういう作家に比べ、出版社が宣伝してくれて、ほんとラッキーじゃないですか、それなのに、これかよ、っていう見方をついしてしまうんです。
まあ、暑苦しいんでしょうね・・・そういう思いは。
暑苦しくないから、売れる、というこの文学の世界が多分、嫌なんです。
作家がどうこうというより。
森見登美彦さん、今、売れっ子ですけど、この人、絶対、純粋に煮詰めたブンガクブンガクした本をホントは書きたいんだと思うんですよ、でも、パロディーみたいにずらしたものしか売れないと言われて、自分でも、よくソレは分かっている。
日和ってるこの日本にご大層なトラウマなんて今日日そんなにないですしね、あったって、手垢が付いてますしね。
だから、今、名前を売って、足場を固めて、いつか、と思っている、でも、売れたら、きっと、もう、渇望感はぼやけてしまっているだろう、っていう不安が匂ってきますね。
私は若者に迎合しようとする時期と意固地になって純文に走る時期とムラがあるんで、また別の時期に読んだら、latifaさんが
>この女の子って、ちょっと意地悪な部分のある主人公でしたよね
って言ってたとことか、そう、特におばあさんに対する気持ちとかね、面白いなって思えたんでしょう。
latifaさんは芯がぶれないように見えます。
何て言うか、私は今、更年期なんすかね?
私は、小説に対して特に思い入れがある人生を送って来ていないし・・・今現在もそうですし・・・
恥ずかしながら、適当なんですよ
だから、相手に(作家の人や、作品に)多いものを求めて無いので、全然私と牧場主さんとじゃ、小説に向き合う姿勢からして違って来ちゃってるんだもの、読んだ感想に差があるのは、当然っすよ
なんだか、こんな私なんかが、牧場主さんと、お話するのは、申し訳ない気持ちです・・・。
もっと、小説とかに思い入れの深い、もっと文学に目利きのある人間だったら良かったんですが、、
せっかくこういうお話しても、相手にならんくて、、すいません・・・。
>過去、命がけで、狂気と戦いながら書いて、でも、あまりぱっとせず、死んでいった作家がいます。
でも、今では絶版です。
げに悲しや・・ですね・・・
同様に、浮かばれず死んで行った絵描きさんや、音楽家、芸術家がいたんですよね・・・。