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「ノエル― a story of stories―」道尾秀介 感想

2013-03-29 | 小説・漫画他

クリスマスのお話が、やっと今頃回って来ました。
とても暖かい気持ちになる、良い小説です。4つ★
「光の箱」「暗がりの子供」「物語の夕暮れ」「四つのエピローグ」の短編が入っていて、登場人物など、ちょこちょこと繋がっています。

道尾さんといえば、キツイ内容も多いんだけど、本作では、彼の人への優しさって処にスポットが当たってる系でした。
中でも、カブトムシと蛍の創作童話は、すごいなーって思いました。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
元々カブトムシが持っていたランプ箱を、ホタルが盗んで・・・。ホタルから、そのランプ箱を半分取った医者ヤモリ(イモリだったかな)が、カブトムシに戻そうとすると、カブトムシが、それを小さくして空高くから蒔いて、地上みんなに降り注ぐ様にしたら、世界が少しだけ明るくなった。という展開なんかは、素晴らしいなぁ~と感心してしまいました。
先生になっても、特に誰からも「先生に出会って人生が変わりました」などという手紙は届かなかった・・・と思っていた老人だったが、実際は、かつての家に今住んでいる童話作家は、老人の教え子で、彼がいたから作家になっていたんですよね。
そして、自殺しようとしていたおじいさんは、2章目に出て来た少女が鳥を追って多分老人の家に行き着いたかどうかして、死に損なったんでしょうね^^
以上

このところ、道尾作品では子供が主人公のお話を立て続けに読んで来たので、ご老人目線でのパートが新鮮に感じられました。
孤独な子供を描くのが非常に上手いのは、もう解っているので、今度は違う年代の登場人物の小説を是非もっと読んでみたいです!

ノエル ― a story of stories―(2012/9/21)
物語をつくってごらん。きっと、自分の望む世界が開けるから――理不尽な暴力を躱(かわ)すために、絵本作りを始めた中学生の男女。妹の誕生と祖母の病で不安に陥り、絵本に救いをもとめる少女。最愛の妻を亡くし、生き甲斐を見失った老境の元教師。それぞれの切ない人生を「物語」が変えていく……どうしようもない現実に舞い降りた、奇跡のようなチェーン・ストーリー。(「BOOK」データベースより)

「光」
水の柩
カササギたちの四季
月と蟹
「プロムナード」「背の目」
「片眼の猿」「シャドウ」
「月の恋人」「ラットマン」
「カラスの親指」「ソロモンの犬」
「光媒の花」
「鬼の跫音」
「龍神の雨」「向日葵の咲かない夏」感想
「球体の蛇」「花と流れ星」

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