ぬいぐるみ犬とお散歩 〜 ポーリッシュ・ローランド・シープドッグ

私の家族の4本足メンバー。食いしん坊の可愛い悪魔。のど元を過ぎると忘れがちなアレソレを日記に残します。

犬はあなたをこう見ている

2021年12月28日 22時12分00秒 | 犬の本


 
久々、犬の本の感想です。

犬はあなたをこう見ている
ジョン・ブラッドショー
河出文庫



以下の3つが特に面白かったです。
・犬の感情にはどれくらいのバリエーションがあるか
・犬が人と遊ぶ時と犬同士で遊ぶ時に、違いはあるか
・チンパンジーとボノボ


犬の感情にはどれくらいのバリエーションがあるか
嫉妬、罪悪感、優越感、羞恥心 などの複雑な感情が犬にはあるか、という話でした。
嫉妬はする、というのが、今の学者達の共通見解らしいです。

しかし、罪悪感は持っておらず、(人間にとって)悪いことをした後に気まずそうな表情をしているのは、単に飼い主をなだめるためだ…と著者は言うのです。

私はここで、ハッとしました。
えっ、人間の罪悪感も、それと同じでは
あれ、もしかして私だけ? どうしよう、私って犬並み?

キリスト教圏の住人は、神に対する罪悪感…みたいな、ちょっと高次元のモラルを持ってるんじゃないか、と思ったのでした。

犬が人と遊ぶ時と犬同士で遊ぶ時に、違いはあるか
結論から言うと、犬が遊ぶときの態度は、相手が人間か犬かで違うそうです。

おもちゃで遊ばせると、相手が犬の時は、一旦はおもちゃを自分のものにしてしまうそうです。そのあと、改めて犬同士で遊ぶこともあるんだとか。
でも相手が人間の時は、おもちゃの所有権にはこだわりを見せず、あたかも遊びが長く続くこと自体に重きを置いているように見えるそうです。

やっぱり、犬が求めてきた時は、遊んであげないとダメですね

チンパンジーとボノボ
もはや犬と無関係ですが…DNAが似ていても犬とオオカミがいかに違うかの類例として、チンパンジーとボノボがいかに違うかについて述べていました。

猿の仲間でも、チンパンジーは、他の種類の猿を襲って食べることもあるし、よそ者に対して非常に攻撃的で、チャンスを狙って殺すことすらある。
ボノボは他の動物を襲うところは滅多に見られない。

人間には、チンパンジータイプとボノボタイプがいるんでは、と思ってしまいました。


久々に、とっても面白い犬本でした

 


動物が幸せを感じるとき☆☆☆☆☆

2019年05月13日 21時54分04秒 | 犬の本


動物が幸せを感じるとき
テンプル・グランディン

英題がいいですね。
Animals make us human だなんて

かねてから色んな本を読んで「こうじゃないか?」と思っていたことが書かれていて、ちょっと興奮しました(笑)。そこから作者ならではの着眼点で犬の行動が分析されていて、久々に、「おっ、これは」と思う内容でした。
犬の本質は「子供のままであること」。オオカミは基本的に群れず、人間が群と思っているのは、オオカミの家族。
犬の脳は、オオカミより小さい。(これは私も他の本で読んで知っていましたが、家畜全般に言われていることで、ちなみに人間の脳も、野蛮だった頃に比べて小さいらしい。)
犬は家畜化の過程でオオカミのカーミングシグナル群を部分的になくしてしまっている。このため、成犬と言えども複数の犬間で意思疎通がうまくいかないことが多い。よって、犬同士だけでリレーションシップを維持することは難しく、人間の介入があった方が良い。
犬の中でも、見た目がオオカミに似た犬種(ピットブル、ハスキーなど)の方が、カーミングシグナルを維持している傾向がある。これは、見た目が性質をリードするというわけではないが、淘汰された遺伝子にたまたま見た目の特徴が同居していたものと考えられる。
シーザー・ミランが犬の群を引き取って維持し、犬の階級について述べているが、自然界のオオカミには階級は無い。動物園などの限られたスペースで家畜間でなんとかやっていくために編み出された階級である。過去に科学者が犬の階級について報告した例も、囲いに入れられた動物に見られる階級を観察したものであったことが分かっている。(テンプルは、囲い内の階級の頂点には人間が座り統治するべき、というシーザーミランの案に、賛成している。まあ、自分の飼い犬を囲いの中の家畜とみなすか、家族の中の永遠の子供とみなすかは、その人の趣味です。)

やっぱりね〜、って感じです。

驚いたのは、
トイプードル、ラブラドールレトリーバー などは特にカーミングシグナルをロストしており、同犬種だけにしておくと、凄まじい争いに発展することがあった。

これ、意外ですよね。
人間とは一番仲良くやってる犬種だから
逆に、家畜化も一層進んでいて、犬間ではあんまり仲良くやっていけないことがあるのですね。

これを読んで思ったのですが、ドッグランで他の犬と仲良く遊ばなくても、無理強いしちゃいかんですね それだけ人間に傾倒してくれてるってことですもんね。
それに、慣れの問題と思い込んで「犬を嫌がる犬」に犬づきあいを任せて放っておくのは、危険そうですね。カーミングシグナルを出したり読んだりできなくなっている子かもしれないから。

そして…垂れ耳、ブチ模様、ロン毛、シッポくるり、といったネオテニーの特徴をことごとく備えたPONは、カーミングシグナルをけっこう喪失していそうです。




この本は、一章が犬、二章が猫、後半は牛とか他の家畜です。グランディンは、元々は牛など牧場の家畜が研究対象のようです。

で、第二章の猫が、これまためっちゃ面白かったです。
猫は、他の家畜に比べて、ほとんど野生と変わってない。そのへんのヤマネコと家猫で、遺伝的な違いはあまり無い。犬と違って、猫だけでも群を維持できる。
猫は、木から下りる方法は他の猫を見て後天的におぼえるので、他の猫にあまり会わないと、木から降りる方法をなかなか学ばない。
猫は、短期記憶が弱い。窓の外にいる猫を見て、同居している猫と喧嘩を始めることがあるが、窓の外の猫と横にいる猫の区別をうまくできていない。人間に対しても同様の反応を示すことがある。


グランディンは自閉症だそうで、「自閉症の脳を読み解く」という本も書いています。「動物が幸せを感じるとき」が面白かったので、この自閉症の脳についても読みました。こちらも本当に面白かったです

グランディンは、形質的に左脳が右脳より大きいのだそうです。考えてみれば言語中枢は左脳にあるので、「脳は左利き」っていう人が大多数なんでしょうね。(脳だから、見えないけど。)




大きな犬を楽しくしつける☆☆☆

2017年01月03日 19時42分07秒 | 犬の本


作者は1941年生まれ。

『近所の用水路に発生した蚊が原因でフィラリアになっていたことに、大人になって気付いた。
2〜3歳で腹水が溜まり死んでしまうのを見て、なぜ犬は短命なのかと、不思議に思っていた。今思えば、フィラリアの典型例だった。』

『釣りの好きな知人が、釣りの間は犬をフリーにして遊ばせていた。いつも呼べば戻ってきていたのに、野犬に誘われるように森に入ってしまい、それが愛犬を見た最後となった。』



こういう情報を知るのは、とても大事だと思います。
読んで良かったです。

『大きい犬は可愛さも大きい、床に爪痕がついて大変…』

大きい犬は可愛さも大きい、というのは、私も賛成です。
近所にオールドイングリッシュシープドッグがいますが、これがもうスーパーキュートでして…

『小さい→可愛い』という図式が浸透しているので、最初は自分の受けた印象に驚いたものです。

大きい犬の醸し出す『圧倒的な存在感×可愛さ』の相乗効果は、やはり大きい犬ならではうんPも大きいけどね(笑)


著者の犬は70の言葉を理解しているそうです。
数えてみると、ジョアは25のコマンドを理解しています。褒め言葉などを入れると、もっと多いのかもしれませんね

数の違いは、認識している名詞だと思います。
私も、自分の名前や夫の名前を覚えさせたいです
コマンドで夫を朝起こすようになってほしいなー

作者も、コマンドでおトイレできるよう教えたそうです。

今考えると、あんまりしつけの本には載っていないコマンドですね。
すごく便利なのに。

振り返ってみると、来てすぐからトイレシートでしてくれてはいましたが、成功率が100%近くになったのは1歳頃。1歳未満の間はちょいちょい、玄関のたたきや階段でなさっていました。

犬のしつけは、1日にしてならず。
犬って年々賢くなる、愛しい存在です








犬種比較のポイント

2016年01月10日 00時31分16秒 | 犬の本
犬を飼う前に参考にした、アメリカのサイトです。
dogtime.com

犬種の特徴を比較しています。評価の内容が当たっているかは各自の判断として、目の付け所が面白いです。

比較ポイントの抜粋
アパートで飼うのに向いているか
家族に対して愛情深いか
抜け毛の量 Amount Of Shedding
他の犬に対して友好的か
ヨダレが多いか Drooling Potential
トレーニングしやすいか
頭が良いか
パワフル Intensity
かじるのが好き Potential For Mouthiness
獲物を追う傾向 Prey Drive
神経質
孤独に耐えれるか
耐寒性
耐暑性
放浪癖 Wanderlust Potential


しつけやすさと、頭の良さを別々に評価しているところが、心得ています(笑)。
ポーリッシュちゃんは、今はどちらも4点(5点満点)ですが、昔見たときは、
しつけやすさ…5 (食欲があるのでしつけやすい、とのこと。)
頭の良さ…4
で微妙に違うので笑いました。
私はポーリッシュのそんなおっとりしたところが好きです

投票をもとに統計しているようです。
ポーリッシュローランドシープドッグのページ

普通、人間に都合が良ければ点を高くすると思いますが、このサイトは、言葉通りに点をつけています。例えば「抜け毛の量」は抜け毛が多い犬種だと点が高いです。おおらかな性格なら、「神経質」の点は低くなります。


ドゥードゥルとかも普通に表示されているところがさすがお国柄?
このサイトで初めてドゥードゥルの存在を知りました。
写真がちっとも可愛くないので、「なんでこんな犬作ったんだ…」と思っていましたが、なにげにご近所に実物がいました。性格が良くてルックスもスーパーキュートでした。


さて今日のジョア。
1時間超の、嗅ぎ放題のお散歩をしたのに、残りのエネルギーを使ってまだこんなことを…。

悪い犬であることを楽しんでいるご様子です。








犬と猫のための手作り食―ペットの健康のための賢い選択

2015年11月04日 00時28分25秒 | 犬の本
ドナルド・R. ストロンベック
光人社


レシピも豊富だよ!と書いてはあるのですが。
『特に記載がなければビタミン剤は不要』とありますが、全てのレシピにビタミン剤と記載されています(笑)。どんなビタミン剤なのかも不明です。
寛容な心なくしては読めない本。


この本で一番参考になったのは、犬とブドウの関係についてです。

世の中に「ブドウで中毒の可能性」「腎臓に害がある」という記載は多いですが、具体的な情報は少ないです。本書によると、
『腎臓近位尿細管上皮細胞が壊死した症例で、ブドウ、またはレーズンを食べたという報告がある』
具体例が3件挙げられていました。
『全ての個体で発生するわけではないと思われる』
『ブドウのどの部位に原因があるかは不明』

腎臓の細胞は一度壊れると再生しませんから、とりあえず避けておこうというのは賢明な判断です。
1度では症状が出なくても、少しずつ細胞が壊れてたら困ります。
私も腎臓の値は良くないので…親子(?)とも気を付けたいものです。

現時点で分からないことを、はっきり不明と書いてあるのも良いです。

中毒というのは、腎臓の解毒機能がなくなるために、血液中の老廃物を濾過できず中毒症状が出る、の意のようです。



『犬にはどうしてもイワシが必要です』と書いてあります。

人間用の栄養学の本に、『ビタミンDは皮膚に紫外線が当たると合成されます』とあったので、「もしや毛むくじゃらの犬猫は、ビタミンDが作れないのでイワシから採れってことでは?」と思い調べると、この推測は正解のようです。

ビタミンDを含む食品には、他に 豚レバー、白きくらげ、しめじ などキノコ類、鮭、サンマ などがあります。
ビタミンDは脂溶性で、多めに摂れば肝臓に蓄積されます。カルシウムの吸収に必要な栄養素です。

犬に必要なカルシウムは人間のウン倍だ、という話をよく目にしますが、ビタミンDが作れず吸収率が悪いのを補うためにカルシウムが沢山必要なのか?
野生(?犬は家畜なので野生はいないか?)の犬はどこからビタミンDを採っているのか?
謎は尽きません。



魚の話のついでに。
BARFという生食志向が流行っているようですが、魚の内臓は寄生虫が心配なので加熱します。



この本では、「ドッグフードメーカーは長期間の実餌試験をほとんど実施していない」という批判が何度か出てきます。

でも、同じフードを食べ続けて障害が出ないか確認する、それは動物実験ですよね。
実餌試験をしない理由も、動物愛護のためなのかも。