脳内メモ ver.G

書きたい事、書かせてください。最下層です。

力太郎

2008-04-30 01:16:39 | 脳内童話
むかーしむかしある所に、おじいさんとおばあさんがいました。

二人は昔、歩く電話帳と呼ばれ、公衆電話の中でずっと待機し、タウンページ的な物の変わりに、教えて欲しい電話番号を教えるという仕事をしていました。

しかし、時代は進み携帯電話が現われて、二人の仕事に変化が現われてしまいました。
二人も携帯電話を使い、よく使う電話番号は電話帳機能で保存をしておきました。
それに慣れてしまった二人は、携帯電話に入っている分しか電話番号を思い出せなくなりました。

携帯電話のせいで職を失ってしまった二人は、携帯電話を捨て、再び電話帳になるが為に、寝る間や風呂に入る間を惜しんで、ひたすら記憶との闘いを始めました。

それから数ヶ月、一通り記憶しきった所で、おばあさんがある事に気が付きました。
「私達、風呂に入っていないからとても臭い」という事に。
このままじゃ公衆電話などの密閉空間に入っていたら、自分の臭いでやられてしまいます。これは駄目だと思い、香水をふんだんに付け、垢すりマッサージに向かいました。

垢すりマッサージでは、垢が出る出る。自分の体積よりでかいんじゃないかな?という垢の量。そのお店での最高記録の垢の量。
この量はとてもじゃないけど捨てるにはもったいなさ過ぎるので、家に持って帰りました。

おじいさんとおばあさんは、自分達から発生した垢を眺めました。
「人、一人分ぐらいはありそうだねぇ…」とおじいさんはつぶやきました。
その発言に閃いた様子のおばあさん。駅構内のおにぎり屋で働いていた腕前を生かし、あっという前に垢を人型にしました。
そして垢太郎という名前をつけました。
とはいえ何か起きるわけではないので、今までの疲れを取る為、眠りに付きました。

その夜は、ひどい雷雨でした。
二人の家にも雷が落ちましたが、あまりの疲れで寝ている二人は気づくことはありませんでした。ただ、もう一人を除いては…。

二人が目覚めたのは一週間後。
外の空気を吸う為に、外に出た二人の目の前にあったのは、大量の携帯電話と、携帯電話から金属を取っている垢太郎でした。

急に人が出てきたのに驚いた垢太郎は、今までに取った金属を二人に投げつけ逃げてしまいました。
金属を街に行って売ってみると、残りの余生に困らないお金を手に入れる事が出来ました。
その資金を元手に、二人は垢すりマッサージ屋経営を始めました。
そう、第二の垢太郎を作り出す為に…。

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3 コメント

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Unknown (のっち)
2008-04-30 06:25:28
多分、垢太郎は、
スーパーロボット大戦の新作に敵役で
登場しますね。
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Unknown (じな)
2008-04-30 18:32:12
久しぶりに来たらすっげー電波だ!
いい電波を浴びて癒されました。

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Unknown (K.z)
2008-05-02 00:09:54
>のっちさん
出来ればスマブラで。

>じなさん
何ですかね、この文章の羅列。
読むのが怖い。
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