安岡章太郎と酒

私が好きな作家のひとり、安岡章太郎。


初めて、安岡章太郎を知ったのは小学生の頃。


私の記憶が確かなら、富山の酒造メーカーのCMに出ていらしたはず。


執筆中の光景や、構想を練ってか　難しい顔をした様子、仲間達との談笑風景など、酒造メーカーのテーマソングにのせた短いドキュメントもどきのCMだったのを覚えてる。



最後に安岡章太郎が、もの凄い優しい笑顔で　グラスのお酒を呑むのだけど、それはそれは美味しそうに呑まれるのよ。


もちろん、酒の味など分からないお子様の私。


でも、あの透明な飲み物は　きっと甘くて今まで飲んだ事の無い味なんだろうなって思ったわ。


それと同時に、こんな美味そうに酒を呑む「おじちゃん」にすごく興味が湧いたの。



それから何年かして、子供でも理解可能な「サアカスの馬」から読み始め、いろいろ読みあさったっけ。




特に初期の頃の作品が好き。


あの、なんとも言えない匂い立つ文章。　好きだわ。



そして、あの呑みっぷりも、好きだったわ。


また、「海辺の光景」でも読み返してみようかしら。






そう言えば、直木賞と芥川賞の受賞作が決まったわね。


活字離れに歯止めをかけるべく、話題作りに必死になってるのが見え隠れしてる・・・と思うのは私だけかしら？