本日もご訪問下さり誠にありがとうございます。
今年度も多くの方に視察にお越しいただきました。
昨年6月26日27日に開催された一般社団法人日本ウッドデザイン協会様の『木の魅力、京都の深みに触れる2日間』京都視察会で北山杉の里中川をガイドさせていただきました。
1日目に京都大学百周年記念館で行われた講演会及び京都市木材関係者との交流会では京都の木材の取り組みとして、京都市産業観光局農林推進室 林業振興課 木の文化推進担当課長 林達朗氏より北山杉利用推進プロジェクトの御紹介をいただきPR BOOKを配布しました。
京都で木材利用に取り組んでいる魅力あるメンバーを紹介する京都市の林課長。
北山杉の魅力が詰まっているPR BOOK。
2日目の27日には、株式会社奥谷組展示資料館見学と京都市茶室見学で京都の木の文化を理解していただきました。
高度な技術と美意識を誇る日本の社寺建築専門の奥谷組。展示資料館にて代表取締役社長の千田真由美氏が社寺建築の技術について解説しました。
国内外の来賓らを受け入れる「正庁の間」の控室として設けられた「茶室」を株式会社千本銘木商会 専務取締役 中川典子氏が解説。北山杉の魅力から茶室に使われている工匠の技、茶の湯のマナーなどを交え茶室の魅力を伝えました。
いよいよ北山杉の里・中川地区の見学。
京都北山杉の里総合ンターにて昼食をとった後、「中川地区の歴史と北山林業」についての座学を行いました。
➤枝打ち実演
続いて枝打ち作業見学です。
北山杉利用推進プロジェクトのメンバーでもある、京北銘木生産協同組合の一瀬章弘理事による枝打ち実演を行いました。
現在、枝打ちを行える熟練の職人は10名程度と後継者不足になっています。 ハシゴを使わずスイスイと木に登る熟練の技に、見学者からは驚きのどよめきが上がりました
今回は低い木での実演でしたが、高い木になると一日中そこで過ごすことになります。
知識として知っていることも実際見学していただくことで、北山林業の成り立ちと現状を感じていただいたと思います。
枝打ち見学を終えて、続いて磨き丸太体験と倉庫の見学を行いました。
➤皮剥き体験
まずは皮むきの体験から!
北山丸太の伐採から磨き作業までの工程を説明しました。
皮剥きの実演。
ひとりひとり体験していただきました。昔は木肌を傷つけないように「へら」で皮むきをしていたので、今回はへらでの皮むき体験。
きれいに皮がむけたときにホッとすると同時に「きれい!」という声があがりました
➤丸太磨き体験
続いて丸太の磨き体験です。
「菩提の滝」で採取した砂で磨きを体験していただきました。
砂で磨くことで光沢の美しい北山丸太が出来あがります。「スクラブ洗顔みたい♪」
この砂が傷つけない絶妙な粒子だそうで…。昔の人の知恵に感心。
本来は秋から冬(9月~11月)にかけて伐採し皮をむき、そのあと一か月の天然乾燥の後、1月から3月に磨きをかけさらに半年以上倉庫内で乾燥させる北山丸太。美しく仕上げる作業における自然環境の条件などの解説をし、このように手をかけて作られる北山丸太の価値がどのように評価されていたかご説明しました。
近年は、機械化が進み専用の高圧の洗浄水圧機で仕上げますが、参加者からは「雪の降る時期にこの作業は厳しそう」と声があがっていました。
➤倉庫内見学
続いて盛り上がったのは展示倉庫内でした。
様々な形の磨き丸太を見学し、丸太の価格の質問や変形の磨き丸太などの用途についての質問がありました。
やはり建築の現場の方々の集まり、今後北山杉の活用方法や価格についてなどのご意見がありました。
組み立て式茶室にも注目が集まりました。
➤中川地区の見学
続いて徒歩で中川地区の見学を行いました。
まずは北山杉が京都府の木に選定された事を記念する石碑の見学からスタートしました。
続いて中川八幡境内にある600年のシロスギの御神木を見学しました。
次に大台杉の見学です。
中尾山 宗蓮寺の横を通り、樹齢400年といわれる大台杉まで歩きました。
山に沿って歩いていくと中川地区の美しい景観が一望でき、凛とした北山杉の姿を楽しんでいただくことができます。
大台杉は「台杉仕立て」という萌芽更新育林技術です。苗不足の解消法として編み出された技術ですが、現在では海外からもサスティナブルな育林技術として注目を集めています。
一社)日本ウッドデザイン協会様では、木を使い、木の良さや価値をデザインの力で再構築することを目的とした新たな時代の価値づくりを「ウッドデザイン」と定義し表彰を行っています。
北山杉の里中川での北山林業の視察を通じ、「台杉仕立て」という世界でたった一つのユニークな「林業のウッドデザイン」を後世に伝えていただくためにぜひ北山丸太を活用していただきたいです。
ご来京ありがとうございました
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