「つくつく日記」

NGO代表、空手家、学校の講師とちょっと変わってる私の日々の雑感をお届けします。

男たちの大和 - YAMATO -

2005年12月25日 | 「Weblog」
久しぶりのブログです。忙しくて中々更新ができません。近々ACTIONスタッフのブログとして新たに開設しようと思っています。

さて、今日は映画の紹介です。

映画、「男たちの大和」を見ました。

通常の戦争映画と言えば、とにかく反戦イメージ一辺倒ですがこの映画はそうではありません。見る側にその判断が委ねられています。それまでの自分の生き方、社会や家族に対する考え方で映画の印象が違ってくると思います。

映画のストーリーは実話が元になっていて、戦闘シーンの描写もリアルでした。大和の艦長や第二艦隊司令長官の伊藤中将等、単体でも映画の主人公になりそうな人たちはあくまでもサポート役。

映画のメインは若い士官と下士官。映画を見る人は皆、大和の行く末を知っています。だからそこにはアメリカの戦争映画にあるようなスーパーヒーローはいません。

でも、彼らは現代の日本の礎のために若い命を捧げた英雄ということはこの映画を見て伝わってきました。特に高校生~大学生の世代に見て欲しい映画です。

多く書くとネタバレになるので書けないですが、この映画では戦争の悲惨さ、国を思う心、未来への希望等様々なものが見えてきます。日本の過去を振り返り、今の日本の礎に思いを馳せることは大切な事。

しかし、映画に出てくる若い兵士のように今も国を想い戦っている兵士が世界中にいます。少年兵もしかり。この話は過去のことではありません。現在もおなじ魂を持ったものが存在し、命をかけて戦っているのです。そして、戦争は悲惨です。

この事に思いを馳せなければ、この映画を見た意味が半減してしまう気がしました。

戦後60年。終戦時に20歳だった兵士は80歳になっています。日本の男性の平均年齢で行くと、兵士として戦った人たちはあと10年でほとんど日本からいなくなります。

「戦争体験」と「戦闘体験」は違います。空襲の記憶や、戦時下の生活の記憶を持っている方は65歳ぐらいからいるだろうと思います。しかし、実際に最前線で戦闘を体験した方は確実に減っています。

「戦争体験」を持っている方は、イラクの市民の気持ちがわかると思います。「戦闘体験」を持っている方は自衛隊員やアメリカ兵の気持ちがわかると思います。

しかし、その声は聞こえてきません。大きい声で言える社会状況ではないのかも知れません。今まで、日本はこれらの経験をきちんと次の世代に伝えないで来ました。その経験を風化させてはいけません。

この「男たちの大和」が若い世代が過去のことに興味を持ち、その経験を戦争世代から引き出してくれるきっかけになるかもしれないと思いました。

映画館で、私の前に戦争経験者の男性が座っており、時折涙を流されていました。私たちの世代が見て流す涙とは意味も質も違っているのだろう。それが何なのか。きちんと受け止める必要があると思います。

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