月明かりの下の独り言

こちらに舞い戻って参りました。
こちらで、ちょっくら暑苦しく真面目な話題に、取り組んでいきたいと思います。

深くて暗~い、奈落の存在

2008-02-10 | つぶやく
あちらのブログで書いたとおり、ジェンダー論になるとどうしてもここでいつも書いていることとは矛盾した自分が出てきてしまう。

それは何かというと、まったくもって冷静な議論が出来なくなってしまうと言うこと。

女性として、それほどストレスを感じるような生き方をしてきたとは思わないけれど、それでもしばしば感じてしまう、オトコとオンナの、深くて暗~い、分かり合えない溝の存在。

少子化問題を議論していると、時々私はスパークしてしまう。
今回も、親友の結婚式のあと、4次会までひたすら飲み続け、元同級生たち相手に、スパークしてしまった。
泥酔していたからよく覚えていないけれども、やっぱり子どもを生み育てる、ということに関わって、私は久々にテーブルを叩きながら、同級生だった30代男子たちを前に、「オトコはアホだ、バカだ」と口汚くののしっていたらしい。
オトコばかりの研究室のメンバーとも、時々やらかしてしまう。

今回、30代男子ばかりの飲み会でスパークしてしまったのは、その前の結婚式のスピーチにどうやら端を発しているらしい。
酔っぱらいとはいえ、「内助の功」だとか、「外では夫を立て」だとか、「早くジュニアを」だとか・・・。


私は新婦の友人として、その人のあとにスピーチをすることになっていたため、ちょっとばかりイライラしながらそれを聴いていた。
その人ほどではないけれども、アルコール濃度はかなり高くなっていた。
スピーチは緊張するけれども、研究者の悪いくせで、どちらかというと「私の話を聞け!!」ってな感じで、話はいつも長くなる。
だから、前の人のスピーチがだらだらと長かったことにも、イライラしていたのかもしれない。

結婚式自体はとてもよかったし、30代女子の親友も、それなりの年齢の落ち着きと、花嫁の初々しさを、バランス良く醸しだし、とてもステキだった。
ちょっと嘘ついてる気にならないかと、言ってしまったほどに。
20代男子である若い新郎も、お肌のすべすべが実にうまらやしく可愛らしく、二人がつきあい始めた時から知っている私は、ほんとに嬉しかった。

とにもかくにも、そうやって30代男子との大げんかがあとを引いて、こちらのブログもちょっと書きづらかったのさ。

だって、きちんと議論しようよなんて、散々書いてるのに、議論できてない自分、この問題だと、冷静さをどこかに置いてきてしまう自分の矛盾に、少々ばつが悪かったから。

だけど、やっぱり思う。
この問題に関しては、どうしても、オトコとオンナの間にぱっくりと口をあける深~い奈落、もしくはどんと立ちはだかる高~い「バカの壁」。

やっぱり、分かり合えないことって、どれだけ話し合っても歩み寄れないことってあるのかなと、久しぶりにもの凄い孤独を感じてしまった。


30代男子が疲れていることはわかってる。
自分自身、30代女子として、団塊ジュニア世代として、ぎゅうぎゅう詰めの教室に、厳しい受験戦争、ようやく大学を卒業するあたりで迎えた就職氷河期。
疲れ切ってるんだ。
社会の歯車に、それこそものすごい努力をして、歯車の一つになったけれども、バブリーな時期に就職したちょっと上の世代の人たちと、学習指導要領が変わったり、高校生の時からPHSや携帯を持ち慣れ、学校の授業でもPCを教えてもらっていたような、なんとなく感覚が違う若い世代の人たちに挟まれて、なんとなく置いて行かれている感覚。

それはわかってはいるんだけど、どうしても、無気力無責任さを強く感じてしまう。
飲み会で話をしていて、いつものことだけどあまり面白くない。
前にここで少し書いたっけ?
阿部謹也さんが言うところの「世間」に、より馴染んでしまっている彼ら。
「世間」のしがらみに、「常識」に、簡単に囚われてしまう彼ら。
ストレスを感じてはいるんだろうけど、それに対して「自分たちの責任ではない」
と言ってしまう。
みんながみんな、そうじゃないのかもしれないけどね。
すくなくとも、私の同級生たちには、そんなことを感じてしまう。


確かにね、私たちの責任ではないかもしれないけれど、これからの社会は私たちの世代が作っていくものじゃないの?

少子化をもたらしている社会構造。
これは私たちのせいじゃないかもしれないけれど、だけどそれを変えて行かなくちゃ、結局我々女性は子どもを産むこと、育てることに、とてもストレスを感じてしまう。
女性は、いろいろ我慢しながら、戦いながら、それと否応なしに向かい合わなくちゃいけない。
我々の親世代のように、女性はもうそれほど我慢をしないんだ。
だけど、子どもも欲しいんだ。
家庭も、持ちたいんだ。
仕事も、したいんだ。
社会に、どんどん出ていきたいんだ。
枠に、囚われたくないんだ。

女性に限らず、人間が、自分の人生においてどんな選択肢をもできるような、そんな社会にしたい。

だけど、それを男性に訴えたら、「僕たちに何がして欲しいの?」

なぜ、一緒に考えてくれないのか。
いつも、そこで、私はスパークしてしまう。


ほんのちょっと「世間」からはみ出そうとすると、もの凄い数の抵抗勢力が待っている。
それはもしかしたら、オトコだけではないかもしれないけれど、オンナもそこには入っているかもしれないけれど。
はみ出そうとする自分の方が、おかしいのかと、時々私も感じてしまう。
抵抗勢力と戦うだけで疲れ切ってしまい、結局は「世間」が望むような立場、役割に収まってしまう人は、きっとたくさんいる。


飲み会の席で、真面目な話をぶっこいて、うっとおしいと思われるのは、空気が読めないと思われるのは、私は平気。
そんなオンナはかわいくない?
それでも、結構。
そんな私は、上野千鶴子が大好きさ。

あぁ、思い出したらまたスパークしそう。
今日は、愚痴ぶちまけブログでした。






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6 コメント

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遅ればせながら (やな)
2008-02-11 03:09:39
どもども!
blogを紹介していただいてから
だいぶ経ってからですが、
初閲覧&初コメントです!

ぼくには、なぜか
男女の分かり合えない壁ってのが、
実感としてピンと来ないんですよねー。

それは多分
母親が、共働きで
父親から家事も育児も任されっぱなしで
「女はいっつも損!」って言ってて
仕事を含む家庭上での
母親の苦労を嫌ってほど
見てきたので
自分は繰り返したくないし
女性の苦労を分かって
協力したいなと思うからかなー?
ジェンダー観って
個人の育った家庭、
両親がどうだったかが大きいかもしれないですね。

母親の苦労とか
実家が農家で、男とか女の役割に対して
超保守的なところとか
見てると
やっぱり社会の仕組みの変化に
人間の考え方は追いつかないんだなーと
思ってました。

逆に、自分たちの世代を見たときに
何となくだけど
女性より元気がないって感じがして
女性におされてるような
そんな気もするんですけどねー(笑)
一度、同世代とも
家族観とか夫婦観とか
話し合ってみたいなー


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人生の同行者 ()
2008-02-19 10:31:52
日曜日にBShiで、小田実さんのドキュメンタリー「遺す言葉」観ました。
病床でペンを持つ力ももう無くて、かすかな声しか出せないような状態で、最後まで口述を続けている姿に胸が詰まりました。
奥さんが、言いたいことを感じ取って、おぎないながら、聞き返したり静かに先をうながしたりして、テープにとって筆記。
はじめて見ました、素敵な奥さん。
そのシーンが頭から離れないです。 
お葬式のときも崩れることがまったくなかった。
小田さんは奥さんのことを「人生の同行者」と呼んでたんですよね。ことさらにそんなふうに言わなくても、「妻」でいいとも思うんだけど。あえてそう呼んだ。これも小田さんの流儀なんですね。
女性は大きい。強い。こんなぎりぎりのところで大きく相手を包み込めるなんて。
そんなことを思った次第です。

しかし小田さん75歳…早すぎましたね。言っても仕方の無いことですけど…。
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>やなくん (くぅ)
2008-02-19 18:00:16
コメント返し、遅くなってごめんね。

若い人たちが、そうやって変わっていってくれることが、希望なのかもしれないです。
私たち世代も、昔の世代とはずいぶん変わってきているとは思うんだけど、社会に出てしまうと、家庭を持ってしまうと、どうしても身動きできなくなっているというのが、実感かな。
我が家の宇宙人は、それでも頑張って私の好き放題に付き合ってくれてはいるけれども、宇宙人の実家は旧家ってことになってるから、長男の嫁としてほんとにやっていけるのか、不安なところは残っています。

生まれ育った環境が、大きく影響を与えているっていうのは、本で読んだり、実際になにかの活動に自発的に関わったりってこととちがって、無意識に身に付いていることだから、やなくんと逆パターンの刷り込みもまた、存在するんだろうな。
その逆パターンの人との対話が、難しいところです。
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>夏さん (くぅ)
2008-02-19 18:07:00
その番組、見たいんですが、なんとかBSもしくは地上波で再放送してくれないかなと、期待しています。

小田さんは、自分自身の中にある差別意識とか、日本人としての感覚、みたいなものにしつこくしつこく向き合おうとしてた人でしたよね。
私は、ちょっとストレスが掛かると、今回のブログ放置みたいに、なんとなく考えることからも遠ざかってしまおうとする。
小田さんの足元にも及ばないです。

奥さんの書いた本も、いつか読んでみたいなとおもっています。
強くありたい、最近とても思うことです。
先日の後輩の結婚式でも、夫婦は同じ目標をみて、横に並んで・・・と、スピーチで話していた方がいました。
私は、同じ目標を目指さなくてもいいのかなと思います。
小田さんところは、同じ目標だったのかな。
別々の方向を見ていても、それぞれが頑張っていることがエネルギーとなる。
そんな、強い結びつきのあるお二人だったんでしょうね。
そして、私も思います。
早すぎる死。
でも、小田さんが生きてきたこと、伝えたかったこと。
それを、私たちが発展的に継承していかなくては、いけませんよね。
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Jiiek_Hammerこと・・・ (濱岡 圭二)
2008-02-23 17:59:22
Jiiek_Hammerこと濱岡 圭二です。
こちらのあなたのほうが、実在の私にはしっくりするので、お便り(?)いたしました。
そう、壁はあります。 亀裂も。
ただ、私の場合は、オトコとオンナの間の壁だけではなく、ヒトとヒトとの関係のほうが問題ですが。
今にして思えば、その溝を埋めることなく他人と共に暮らせはしないと、ずっと一人であったような気がします。

これからも、更新楽しみにさせていただきます。
では。
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>Jiiek_Hammerさん (くぅ)
2008-02-24 09:49:38
コメントありがとうございます。
濱岡さん、とお呼びした方が良いのかな?

別人格とも思えるブログですが、自分自身としてはまったく違和感なくやっております(笑)
まさよし君を語るのも、小難しいことを考えるのも、根っこの部分は繋がっていますので。

人間同士、分かり合うことは本当は難しいことなんじゃないかと常々思っています。
それが分かると、案外楽チンだったりもしますが。
あきらめでは、ありませんよ。
バカの壁の存在は認めますが、それを乗り越える作業もけっこう楽しいものです。
夫婦というのは、幸せな誤解の積み重ねかなと、感じています。
だから、うちの夫は宇宙人、なんですね。

ただ、男と女の間のかべは、私にとっては最大の問題です。
どういう展望がそこにあるのか・・・。
女性の方が、こういった問題にかべを感じることが多いという構造自体が、すでに問題の一端を表していると思っています。
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