黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

お灸の使い道 虫さされに(注意も必要)

2010-11-20 10:51:15 | 施術の説明 お灸
これまで変わったお灸の使い方を紹介してきました。
棒灸を使用した「水虫治療」や「切り傷の止血」など。(リンククリックで記事に飛びます)

ちょっと時期的にはもう遅いのですが、もう一つ変わった使い道として「虫さされ」があります。
よく行うのは蚊に刺された部位への施灸。刺されたところが痒くなったら刺されたところに糸状灸か半米粒大のお灸を行います。壮数は2~3壮程度で十分です。ビックリすることに即座にかゆみが取れます。
効果的には刺されてからの時間が短いほうがよく効くようです。
歳をとったせいでしょうか?以前に比べると蚊に刺された後炎症が長引くようになってきました。でもお灸で痒みは簡単に取れるんです。
虫さされの薬を塗っても痒みが止まりにくい方にはお灸はおすすめできます。

せんねん灸等の台座灸や筒状灸(円筒灸)でも効果がありますが、
注意が必要です

すでに虫さされをした周囲が丘状に盛り上がったような場合は、あまり強い熱を与えすぎないようにしてください。火傷します。
せんねん灸等の台座灸や筒状灸(円筒灸)は糸状灸や半兵粒大のお灸比べ熱のかかる長くなっています。熱を感じたら途中で取るぐらいの方がイイです。
普段なら問題のない熱量でも炎症が起きて盛り上がっているような部位では熱が多くなりすぎちゃうんですね。
実は自分でやって、それは酷い火傷になっちゃいました。

蚊に刺されて2日目、薬は塗ってもなかなか痒みが収まらず、お灸をしたんですね。いつもなら半米粒大の施灸をするのですが、その日は外出先だったのもあってつい手持ちの台座灸(強)を据えたのですがこれが大失敗。
いつものように最後まで焼ききったら痒みは消失。「台座灸でも結構イケルじゃん」なんて思っていたら次の日に台座の形に火傷による水泡が・・・。
しかも台座の形が多角形のやつだったので、不思議な形に痕が残ってしまいました。

予想外の火傷が物凄く悔しくてその後蚊に刺される度に追試をしていました。結果としてですが炎症がひどくなって丘状に腫れる前までなら台座灸を据えても火傷になることはないことがわかりました。
また、丘状に腫れても、途中で取り去るなど熱量を加減すれば、痒みをとりながら火傷をしないということもわかりました。
なにより、糸状灸や半米粒大のお灸では火傷にならないこともわかりました。

考察:
炎症を起こした部位にはリンパ液等が集まり皮下に水分が集まった状態です。こういう部位では「お灸の熱が伝わりにくく逃げにくい」。(血流と違い炎症部位のリンパの循環は盛んでは有りません)
このため長時間熱を加えるとリンパが過剰に加熱され施灸部位が"煮える"ようになってしまうと考えています。
施灸時の注意点で「浮腫には刺激量を控える」というのが有ります。正しくこのとおりということです。
「体験に勝る勉強は無し」とは言いますが、あんな火傷はもう二度とごめんです。なんせ形が6角形ですから。

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