珈琲おいしい

日々の日記の予定だったけど最近ゲームコラム風。いまとなってはレゲーレビューブログかな。

どんどんミニマム化 【素人】

2006-06-10 17:48:14 | 素人視点のゲーム業界
どうみても長文です。ご注意ください。
また取り上げた記事は引用先「IDA-10」さんが書き直された
記事の引用で構成しています。
~~~~~~

ゲームの開発をされている方の生の声というものも
近頃はブログやソーシャルネットワーキングサービスなどで
多く見かける事が多くなってきました。

今日は『GAME NEVER SLEEPS』というゲーム開発をされている『IDA-10』さんの
記事から興味の引かれるコメントがありましたので、それをふまえて
『珈琲おいしい』的に解釈してみました。

"開発者は岩田発言に釣られるな"という記事。

『岩田発言』とはいわずと知れた『任天堂社長 岩田聡』氏の
大変魅力的な発言を指しますが、『IDA-10』さんはこう述べられています。

>売れた商品のコンセプトを考慮せずに、形だけを真似た粗悪な後追い商品が
>溢れると予想できます。事実、ゲーム開発の現場で、ろくに自分の作ろうと
>しているものも考慮せずに「これからはあんな感じでしょ?」と発言する
>人を見聞きしています。

ゲーム会社の生の声ということですね。
想定の範囲内ですが、事実を確認してしまうことで
あぁやっぱりそうなんだ・・・と、ガッカリもしてしまうのですが。

こう続きます。

>しかし、任天堂が掲げている理念を理解せず、表面や言葉だけをなぞった
>中身のないゲームを制作していては、せっかくゲームに興味をもってくだ
>さったお客様を、がっかりさせてしまうことになるでしょう。

何に関してもそうですが、企画の段階で
『自分』は、何を世の中に表現したい。や
『ユーザー』に楽しんでもらうには何が必要か等といった、
本来『クリエイター』が持っているべき素養をもつ人が少ない。
または少ない、その素養を生かすポジションに立てない

というのが現状なのでしょう。


>ゲームが大好きな私は、「ゲーム人口の拡大」「まったく新しい体験」の
>御旗の元に、プレイステーション全盛期のようにただ奇抜だったり、
>"Touch Generations"の形だけを真似てただ脳を鍛えたりするゲームを作る
>のではなく、もちろん、私のようなゲームマニアのためだけに作るのでも
>なく、自分がゲームをプレイするようになったきっかけを忘れないで、皆が
>惹きつけられる、楽しいゲームを作りたいと気を引き締めてゲーム制作を
>続ける所存です。

以上のように締められています。
『IDA-10』さんのような気持ちを持って、お仕事を続けて下さることは、
自分のような一般ユーザーには大変嬉しい事実であり、今後も引き続き
応援しますよ!と思う事が出来るのですが。


しかし、懸念もあるのです。
それは『ゲーム開発』が1つの『産業』となってきているところ。

『産業』とはご存知の通り、商品、サービスの提供を行う経済活動ですが
本来、『ゲーム開発』というのは、あえて例えるのであれば
『エンターテイメント』性の高い、ヒトが楽しむ上での高度な
視野が必要となるジャンルである。

という部分です。

「ユーザーに驚いてもらいたい」、「感動してもらいたい」といった
『エンターテイナー』的なサービス精神は今は見かけることができず、

「一定のファンは買い続ける」や「今はこのジャンルならウケる」
といった、『二番煎じ』や『模倣品』、『類似品』が数多く見受けられるように
なってきました。
しかし、そういった商品はえてしてヒット製品とはなりえないという事と、
さらには『自分』の、『自社』の値打ち、魅力を下げていく。
ということには、気が付いていないようです。

なぜ、任天堂セミナー受講者の作品(詳細は過去ログ参照)
『ネコソギトルネード』『くるけし!』
『bioum(ビオウム)』『チーとフーのおいしいえほん』が
あれほど光って見えたのでしょうか。

「このジャンルをつくれば、今の時代の流行りに乗れる!」とか
「そんな小粒なアイディアは採用出来ない。」

それが現状なのでしょう。
それに比べ『任天堂セミナー』の四作品は、自由な発想でのびのび
制作された、というイメージが強く感じられました。
制作する上で余計なフタやカベに邪魔されること無く自由な発想をさらに
伸ばした作品。となっていたのではないでしょうか。

それはすなわち、これは面白い!と思えるゲームの発想をもつ人間を
どれだけ企業側がフォローしていけるか。
また『ダイヤの原石』ともなるであろうアイデアがあったとしても
それをどれだけ拾い集めることが出来るか。
という、企業努力の部分。

社の方針としてそれを実践できているのは『任天堂』だけじゃないのか
とも思ってしまいます。

~~~語り~~~
ファミコン時代の『ナムコ』などはそろぞれのソフトに『ナンバー』が
振られ、毎度毎度に新しいジャンル、新しい視点のゲームが発売されて
いた記憶があります。面白かったよなぁ・・・。
~~~~~~~~

小粒なアイデアが拾われない。この背景には、
肥大化しすぎた『ゲーム産業』『ゲーム企業』というものが存在するのでしょう。
要するに自社の看板をブランドとした『殿様商売(*1)』の気質。
コレが打破できないことには、一般人に興味を抱かせる作品というものは
創れないだろうと思えます。

しかし、新しい発想という部分が光ったことでヒットを生んだ作品が
少なからずリリースされているとは思っています。

『真・三國無双』とか
三国志の武将をイメージを落とすことなくディフォルメし、さらには
爽快感を含ませることで爆発的なヒットを生んだ作品。
人気が出過ぎたせいなのか、いまはユーザーからの信頼を失っているようですが。

『もじぴったん』とか
新しいパズルの形を生んだ秀作。プレイすることで新しい語句を覚えるかも
という妄想を抱かせる作品。

『おいでよ どうぶつの森』とか
古くからのファンはひきつけられますが、それ以上に多くのユーザーに
受け入れられた作品。既存の概念からはこのゲームは生まれないでしょう。

『バイオハザード』とか
新しい発想、切り口で恐怖と隣り合わせであることと、撃破後の安堵感が
ハンパじゃない作品。発売当初は斬新すぎるアイデアでした。


本来は全く形の無いところから創ることでオリジナル(*2)を生み出せるはずの
『ゲーム』というジャンル。
今の企業は面倒な事が嫌いなのでしょう。
システムはほぼ一緒。だけどその先にある演出とストーリー、キャラクター
過剰なオマケ要素を取り替えればオーケー。というゲーム制作。
新しいジャンルを生み出せる人間はもう、素質的にも立場的にも数えるほどしか
いないのでしょうね。

冒頭の"開発者は岩田発言に釣られるな"という記事。
これは『IDA-10』さんの言われるように
「今後は脳をトレーニングするゲームがウケます」と言ってるのではなく
「開発者としてのプロ意識を再燃してください」と言っているという事を
理解していただければうれしいな。と思います。

『ゲーム企業』の枠にとどまる事自体が、新しい『ゲーム』制作の
妨げになるなんて、だれが思いつくでしょう!?
と言うことか。

以上が、もうすぐ三十路のゲームユーザーのたわ言でした。
本当にありがとうございます。

P.S.
「偉い人にはわからんのです」は廃れない名文句だなぁといつも思いますが。


*1 殿様商売
鷹揚(おうよう)に構えて商売上の工夫などもせず、利益にあまりこだわらない
商売のやり方を軽蔑していう語。
⇒個人的にはココでいう利益とは『ユーザー』の信頼を指しますよ。

*2 オリジナル
:まったくのオリジナルは生み出せない!という考え方もわかっています。
 それをふまえた上での記載です。


≪関連ページ≫
開発者は岩田発言に釣られるな(GAME NEVER SLEEPS)
⇒今回引用させていただいた記事
GAME NEVER SLEEPS
⇒ゲーム開発に携わる『IDA-10』さんのブログ。タイトルかっこええ。

≪当ブログ過去ログ≫
ネコソギトルネード【DS】 ⇒セミナー受講生作品第1弾
くるけし!【DS】 ⇒セミナー受講生作品第2弾
bioum(ビオウム)【DS】 ⇒セミナー受講生作品第3弾
チーとフーのおいしいえほん【DS】 ⇒セミナー受講生作品第4弾



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