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新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃん姉妹とお父さんの日々。

『昭和の大阪 昭和20〜50年』(産経新聞社)

2021年04月22日 | 大阪
(Gさんへの私信より)もう四月も半ばを過ぎました。東京は真夏日を記録したとのことで、もう夏まであっという間ですね。先日はおはがきありがとうございました。昨秋、ホームに入る旨のメールをいただいた後、しばらくご連絡がなかったので心配しておりました。最新の施設とのことで、まずは安心いたしました。しかし以前はIPadを使いこなしていたのに、インターネットとつながらない環境は、何かとご不便ですね。何か無聊を . . . 本文を読む

ワンス・アポン・ア・タイム大阪

2019年10月18日 | 大阪
 昨日はハードだった。ある劇場で、マチネとソワレ(夜公演)を続けて見たので、毎日更新していたブログも2ヵ月ぶりにお休みである。  朝、マチネのお客さんが来るまで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』19回目を観て、昼食をご一緒して、ソワレのお客さんをお迎えして、芝居が跳ねた後、食事に行き、お礼にストリップに連れて行ってもらった(その方は女性である)。  ストリップは初めてだったが、踊り子さんは全 . . . 本文を読む

難波宮と古代ヤマト 永続敗戦レジームの始まり

2019年08月31日 | 大阪
 読書と旅は似ている。古い自分の殻、凝り固まった考えや物の見方が打ち壊される、未知との遭遇、新しい世界の広がりが、読書や旅の最大の楽しみではないだろうか。  栄原永速男編『館長と学ぼう 大阪の新しい歴史 I』も、私にとって、そんな新しい知見をもたらしてくれた本だった。栄原さんは、最近、何度か話題に出てくる大阪歴史博物館の館長さんだ。  前期難波宮は、完成に際して、「その姿はことばにできないほど . . . 本文を読む

「大阪都」の宿命

2019年08月30日 | 大阪
 「大阪の橋」から、大阪ばなしが続いている。二、三回のつもりだったが、話があちこち飛んでしまった。これも「大坂幕府構想」のインパクトが大きい。大久保利通の「難波遷都論」は知っていたが、まさか家康がそんなことを考えていたなんて。長生きはするものだ。 大坂冬の陣に先立つ近畿圏の築城ラッシュも、今までとは違う見方もできるようになるかもしれない。なぜわざわざ丹波亀山や篠山に城を造るのか。そこまでしなくても . . . 本文を読む

難波宮があった時代

2019年08月29日 | 大阪
 「おい、ナンバギュウって知っているか」 入院中、見舞いにきた愚父に、そんなことを聞かれた。 「難波牛? 和牛の新しいブランドかな」 「ギュウじゃねえ。宮殿のキュウだ」 「ああ、難波宮(なにわのみや)か」 「大阪にも都なんかがあったんだな。知らなかったぜ」 愚父はしきりに感心していた。高額療養費の申請でお世話になった総務のMくんと待ち合わせたとき、道に迷い、うろうろしているうちに、偶然、「史跡 難 . . . 本文を読む

幻の「大坂幕府構想」

2019年08月28日 | 大阪
 藤堂高虎を総責任者とした徳川大坂城は、豊臣大坂城の石垣と堀を完全に破却して、その上から覆いかぶせるように、約1メートルから10メートルの盛り土をしている。つまり、基礎工事を一からやり直しているのだ。より高く石垣を積んだので、豊臣大坂城の遺構は完全に地中に埋もれた。天守など建物も構造を踏襲せずに独自のものに造り替えることになった。 こうして、「錦城」(きんじょう)ともいわれた天下の名城が完成する。 . . . 本文を読む

大阪城の謎

2019年08月27日 | 大阪
 入院中、病室からは大阪城を眺めることができた。ある日、昼食をとっていたら、担当の看護師さんが聞いてきた。 「大阪城って、織田信長が死んだ場所でしたっけ?」 いつも面白いことをいう人なのである。このまま、お利口さんにはならないでほしいと思う。しかし、あまりにものを知らなすぎると、恥ずかしい思いをすることもあるだろう。「信長が死んだのは、京都の本能寺だよ」と教えると、本能寺の名は聞いたことがあったよ . . . 本文を読む

なにわが滅ぶとき、歴史は旋回する

2019年08月26日 | 大阪
 なにわを制するものは、やまとを制する。第二次神武東征の勝利も、第二次安倍政権の誕生も、このなにわの地を制すること無くしてありえなかった。 「神無月 ニーチェの影を 引きずりて」 大阪に移り住んで間もないころ、大阪天満宮を訪ねたときに詠んだ句である。天満宮の境内に、神武ゆかりの「難波之碕」(なにわのみさき)の碑を見つけ、このあたりは、古代にはチヌの海に面したベイエリアだったことを知った。神武の勝利 . . . 本文を読む

大阪の可能性 ふたたび

2019年08月25日 | 大阪
 かつては、「商人(あきんど)の町」が大阪のキャッチフレーズだった。しかし、バブル崩壊以降は、この「商人の町」のメッキもすっかり剥がれてしまった。  「商人の町」あるいは「町人の町」というのは、宮本又次や司馬遼太郎が編み出したファンタジーにすぎない。司馬が産経の元記者らしく、いかに数字を操作してまで「町人の町」という虚像を作り出したかについては、藪田貫『武士の町大坂』に詳しい。  司馬はマルク . . . 本文を読む

チヌの海

2019年08月24日 | 大阪
 関西では、クロダイ(黒鯛)のことを「チヌダイ」という。 漢字で書くと、「茅渟鯛」である。大阪湾の古称である「茅渟の海」で多く獲れたのが、語源だろうといわれている。 クロダイは、なんでも食べてしまう雑食性の魚だ。中国では「汚物を食らう魚」「死人を食らう魚」ときらわれたり、いやしまれてきたという。 「チヌ」の語源も、あまり縁起のいいものとはいえない。日本書紀では、「血沼海」という漢字が当てられている . . . 本文を読む