新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

歴史の語り部?

2024年02月15日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
公開は未定ですが、書きかけている文章が、なかなか進みません。ブログを更新してから着手するのですが、そのころにはへべれけで。同じところをぐるぐる回っています。だから今夜は一年前の記事にリンクしてサクッと終わりますよ。いち労働者、会社員にすぎない私が、大和屋女将の上方文化芸能協会とご縁ができたのは、ほんの偶然でした。おかげで各界の名だたる方々のご交誼をいただくことができました。出会いがもう十年早かった . . . 本文を読む

源氏物語再び

2024年01月08日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
本屋に田辺聖子の『新源氏物語』が並んでいました。なるほど、大河ドラマ『光る君へ』が始まったのですね。貴族社会では低い身分だった安倍晴明が天皇ともパイプのあるフィクサーだとか、藤原道長と紫式部が幼なじみだったとか、史実にない、ありえない設定てんこもりのようですね。飾られた漢画が清代のものという、調度品のミスをツッコんでいる人もいました。史実を無視した荒唐無稽なストーリーが許されるなら、いっそのこと、 . . . 本文を読む

落語はいいですよ

2023年12月19日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
母さん、母さん、どこへ行た。紅い金魚と遊びませう。母さん、帰らぬ。さびしいな。金魚を一匹突き殺す。まだまだ帰らぬ。くやしいな。金魚を二匹絞め殺す。なぜなぜ帰らぬ。ひもじいな。金魚を三匹捻ぢ殺す。(北原白秋「金魚」)12月10日の日曜日に、桂文枝と笑福亭鶴瓶師匠の「二人会」が池田市民文化会館アゼリアホールにて開催されました。五月山の帰り、池田駅でチラシをもらって、行こうかどうか迷っていました。NHK . . . 本文を読む

フェミニズムの視点から見た源氏物語 人形(ひとがた)とドール

2023年12月02日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
以前、「夢見るシャンソン人形」というエントリーをアップしました。これは、いまひそかに応援する絵師さんについての、前振りのような文章でした。「これからは源氏をお願いします」世間が源氏千年紀で盛り上がっていた15年前の秋、金主様にそういわれて、はじめは何をいわれているのか、理解できませんでした。「ガンジーですか?」ライターとしての私は何でも屋ですが、まさか私に「源氏物語」の仕事を依頼する人がいるとは、 . . . 本文を読む

光源氏のロイヤル托卵 

2023年11月30日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
源氏物語には、どんなイメージをお持ちですか?「プレイボーイ一代記」というのが、一般的な理解ではないでしょうか。これは、『マリア様がみてる』の主人公、福沢祐巳のせりふです。しかし、「源氏物語」は「プレイボーイ一代記」ではなく、実際には、源氏の父・桐壺帝、源氏、その子の薫(実は不義の子)、孫の匂宮(におうみや)の四代、七十年あまりの長編物語です。このブログをご覧の人なら、「犬君(いぬき)が雀を逃しつる . . . 本文を読む

才子について

2023年10月22日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
摩耶山の上野道のロープウェー「虹の駅」と峠茶屋跡の間にある廃墟。『雨月物語』の「浅茅が宿」をちょっと思い出します。摩耶山から帰った夜、その日あったイベントにお誘いいただいた方に差し上げたお詫びのメール。///このたびはせっかくお誘いいただきながら、メールの確認が本日明け方となり、ご連絡差し上げることができず、大変失礼いたしました。今年は亡母の25周忌なのですが、供養らしいことはしてやれていません。 . . . 本文を読む

石神井川の風景 あるいはズッキーニとナス

2023年10月03日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
広重の『名所江戸百景』より、「王子音無川堰棣 世俗大瀧ト唱」(おうじおとなしがわえんたい せぞくおおたきととなう)です。タイトル、長いですね。堰棣(えんたい/いせき)とは、取水用のダムのことです。現代語に訳すと、「王子の音無川のダム 世の人びとは大瀧といっている」という感じでしょうか。広重や板元が、こういう長たらしいタイトルを付けるときは、たいてい裏があります。いま、私が連載しているのは、その謎を . . . 本文を読む

谷崎源氏を読むために 芦屋市谷崎潤一郎記念館「〈谷崎源氏〉三つの変奏」を訪ねて

2023年07月07日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
 今日は過去に私が編集する小冊子に掲載した記事の再録です。2015年12月、故・岡田嘉夫画伯のご紹介で、芦屋市谷崎潤一郎記念館の特別展「〈谷崎源氏〉三つの変奏」を訪ねた際のレポートです(一部加筆修正しています)。この記事の再録にあたり、新たに「源氏物語・古典」というカテゴリを作成し、源氏物語など古典作品に関するエントリーをまとめました。///////////////////はじめに 先般、岡田嘉夫 . . . 本文を読む

北斎とシーボルト事件

2023年06月10日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
2014年に書いた、北斎とゴッホに関するテクストに付随する、メモのリバイバルです。/// 今年2014年は《富嶽三十六景》と並ぶ北斎の代表作・《北斎漫画》の刊行から200年。文化11年(1814)に刊行が始まり、全15編が完結したのは、実に北斎死後の明治11年(1878年)。人物・動植物・建造物・日用品・風俗・宗教・神仏など、まさに絵の百科事典である。 日本から輸入された陶磁器の緩衝材に使われてい . . . 本文を読む

北斎とゴッホ 星への旅

2023年06月09日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
「ゴッホ・ア・ライブ」が消化不良に終わったので、過去に書いた記事をサルベージ。以下は、2014年、私が編集する小冊子に掲載した「北斎 遥かなる青──ゴッホとともに富嶽三十六景を旅する」のあとがきに加筆修正したもの。///////『ゴッホの手紙』で、ゴッホが熱く語る「日本人」とは、北斎その人ではなかっただろうか。ゴッホは日本の芸術についてこんな言葉を残している。日本の芸術を研究してみると、あきらかに . . . 本文を読む