「地図のない場所で眠りたい」 高野秀行、角幡唯介・共著 ☆☆
早大探検部の先輩・後輩の間柄である探検作家の対談集。
双方の作品ともそれぞれに好きなので、この二人の対談なら相当面白いだろうと期待して読んだが、意に反してそうでもなかった。
対談よりもむしろ最後で、それぞれが相手について評するあとがきの方が面白く感じた。
後半の方で「愛用の取材道具」が写真入りで紹介されていたが、高野氏の使うメモ帳、角幡氏の使うデジカメなど、自分が使っているのと同じで興味深かった。
(デジカメに落下防止用のショックコードを付けるあたり、さすが角幡氏は山屋だなと納得。)
「辺境中毒!」 高野秀行・著 ☆☆
前半は著者のこれまでの探検行での実体験をエッセイとして書いたものだが、著者お気に入りのミャンマーの話が興味の無い者にはちょっと退屈。
中盤は他のノンフィクション作家らとの対談で、特に女性作家との対談が面白かった。
後半は「辺境読書」と称して探検、冒険もののノンフィクションに対する著者の書評で、こういった本を嗜好する者にとっては今後読みたい本を探す時に参考になる。
「探検家、36歳の憂鬱」 角幡唯介・著 ☆☆☆☆☆
昨年、利尻で登山後の日程消化時に読もうと現地の本屋で買った「空白の五マイル」は久々に印象に残る一冊だったが、これはその著者の心象を綴ったもの。
で、最高に面白い!もちろん個人の好みもあるだろうが、ここまで自分の思うことを感じたままに正直に書くノンフィクション作家はそうそういないだろうし、だからこそとても共感を持てた。
まだ2016年が明けたばかりだが、早くも今年読んだ本の中で一番の面白かったと思えるし、自分の中でこの本を超えるお気に入りはしばらく出ないだろうと思った。
「雪男は向うからやって来た」 角幡唯介・著 ☆☆☆
著者が雪男探索隊に加わり、観察をしたノンフィクション。
実際には(やはり)雪男の決定的証拠は見つけられず、雪男発見のロマンを追い求める男たちの群像劇となっている。
特にあの小野田少尉を発見し、その後、雪男探索で命を落とした鈴木紀夫氏の生き様が興味深い。
角幡氏も言うように一般人には既に雪男のイメージが出来上がっていて、私の場合はネパールの寺院に保存されている頭皮から茶褐色のゴリラのイメージ、角幡氏の世代は白い毛に覆われた類人猿のイメージらしい。(ウルトラマンに出てきたウーみたいな感じか?)
人それぞれイメージが異なるが、実際には人間より大きいとは限らず、むしろ、見つかった足跡からするともっと小型の類人猿の可能性もあるとのことで、ちょっとがっかりもしたが納得もいった。
実は自分も1980年のヒマラヤ遠征の時に謎の足跡の写真を撮っている。
場所はインド・ガンゴトリ山群の4,500~4,900mの間。周辺は一面雪と岩だらけで食料となるものは無く、登山期間中は周辺で他の動物を一切見かけなかったし、氷河を20kmも奥に入った所で登山隊は我々だけだった。
当時は話のネタとして親しい友人だけに見せるに留めておいたが(角幡氏も言うように、そういう話をまともにすると周りから馬鹿にされるので)、たぶん押入れを捜せばその時のポジ・フィルムがあるはずなので、そのうちに誰かに検証してもらおう。
著者が雪男探索隊に加わり、観察をしたノンフィクション。
実際には(やはり)雪男の決定的証拠は見つけられず、雪男発見のロマンを追い求める男たちの群像劇となっている。
特にあの小野田少尉を発見し、その後、雪男探索で命を落とした鈴木紀夫氏の生き様が興味深い。
角幡氏も言うように一般人には既に雪男のイメージが出来上がっていて、私の場合はネパールの寺院に保存されている頭皮から茶褐色のゴリラのイメージ、角幡氏の世代は白い毛に覆われた類人猿のイメージらしい。(ウルトラマンに出てきたウーみたいな感じか?)
人それぞれイメージが異なるが、実際には人間より大きいとは限らず、むしろ、見つかった足跡からするともっと小型の類人猿の可能性もあるとのことで、ちょっとがっかりもしたが納得もいった。
実は自分も1980年のヒマラヤ遠征の時に謎の足跡の写真を撮っている。
場所はインド・ガンゴトリ山群の4,500~4,900mの間。周辺は一面雪と岩だらけで食料となるものは無く、登山期間中は周辺で他の動物を一切見かけなかったし、氷河を20kmも奥に入った所で登山隊は我々だけだった。
当時は話のネタとして親しい友人だけに見せるに留めておいたが(角幡氏も言うように、そういう話をまともにすると周りから馬鹿にされるので)、たぶん押入れを捜せばその時のポジ・フィルムがあるはずなので、そのうちに誰かに検証してもらおう。